2013年8月22日木曜日

文明崩壊(ジャレド ダイアモンド)



「文明崩壊」の上巻だけ読みました。
文明がどう滅んでいくか、過去に消滅した社会を分析した本。

ストーリー仕立てではないですが、どの文明にもドラマがあって面白いです。


文明が崩壊する原因と言ってもいろいろで、この著者は、次の5つの観点から分析しています。

(1) 自らの環境破壊
(2) 気候変動
(3) 外敵
(4) 外部の仲間(交易相手)を失う
(5) 内部の社会構造・制度など

言い換えると、上記の要因の組み合わせで、文明は滅びるのです。


例えば、
モアイで有名なイースター島は(1)自らの環境破壊で滅んだ。
マヤ文明は、(1)環境破壊、(2)気候変動、(3)外敵のため滅んだ。
とのこと。

これを読むと、昔から自らの資源を使い尽くして滅んだ社会はたくさんあると分かります。
完全に資源を使い尽くさなくても、ギリギリまで使ったところで気候変動に見舞われたり、仲間を失ったりしても滅びます。
これを読んで、地球が近い将来資源の過剰開発で滅びる線もあり得るのでは、と思い直しました。

では、これを回避するにはどうしたら良いか。
過去の例からは、2つのアプローチが考えられるとのことです。
社会制度で開発をコントロールする「上からの」アプローチと、草の根的な「下からの」のアプローチ。どちらもあり得る。
地球規模の環境問題・食料問題は誰か高いポジションの人二任せておけば良いという問題ではないですね。

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尚、同じ作者の「銃・病原菌・鉄」は、結構前提知識を要求する内容でした。
1つの章で色んな地域に話が及ぶ(例えば、食料生産についての章では、「肥沃な三日月地帯では・・・」「地中海性気候の地域では・・・」「ポリネシアでは・・・」などと、次々に色んな地域が登場する)ので、ある程度世界の国・地域の位置やイメージを持っていないと、読みにくいです。

その点「文明崩壊」は、各章、特定の「文明」が主役。
話についていきやすいです。

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