2012年10月7日日曜日

日本の生活レベルは、世界的に見たら中の下? 「現実を視よ (柳井 正)」



二十年前に金持ちだった日本は、今ではせいぜい「中の下」にすぎない(柳井正)

ファーストリテイリング(ユニクロ)の社長、柳井正の本。

全体としては・・・
日本が置かれている状況は、みんなが思っている以上に厳しい。
もっとみんな海外に出て金を稼がないと大変なことになる。
ということを主張しています。

日本が今後どうなっていくか、色々なシナリオが考えられるのでしょうが、柳井正は、その中でも結構シビアめなシナリオを想定している印象を受けました。


面白いことは色々書いてありましたが、印象的だったことを一つだけ取り出します。それは・・・

ほとんどの日本人は、自分のことをまあまあ金持ちだと思っている。しかし実際日本人の生活レベルは、世界的に見たら中の下

であるという、柳井氏の主張。

なるほど。
確かに、そうなのかも。
ここ数年で、10カ国程度ながら海外を旅行 and 出張した時に覚えた違和感が何だったのか分かった気がしました。

1980年生まれの私は、時代の空気のせいか、もしくははっきりそういう教育を受けてきたせいか、「日本人は金持ちである」と思っていました。
しかし、アジア、特に中国に行って覚えた違和感は、金持ちそうな若者がいっぱいいるし、金持ちが住みそう高層住宅をたくさんあるってことです。


ただ、やはり日本の生活レベルが中の下というのは言い過ぎではないでしょうか。
例えば、また中国の都市部でも、大通りから一本外れると、まだまだ豊かではなさそうな人々・家が、たくさん見られます。

ということで、全人口の平均で日本が「中の下」かは私は疑っていますが、世界で活躍するビジネスマンのなかで「中の下」なのは納得しました。
そして、「日本人が金持ちだ」という思い込みは捨て去りました。


全体的に、柳井氏は少し現実を厳しめに見ている印象です。(私がまだまだ甘く見ているのかもしれないですが)

しかし、これを読んで、学者でもない限り現実を中立に見る必要はないし、そもそも出来ないのかなと思いました。
中立な視点・まっとうな考えを重視して、自分を丸くすることに力を使いすぎるよりは、その時点で持っている現実認識をもとに、圧倒的な行動力で突き進む。それがリーダーというものかなと思いました。
まあ、成功してこそその極端さは正当化されるのでしょうが。



<その他メモ>

・ 世界一のブランドを目指すのに、ニューヨークの五番街に出店するのは必須だった
・ サラリーマンが身分だと思っているのは、世界中で日本人だけ
・ (円高を考慮すると)日本人は身の丈の倍の生活をしている
・ 儲けない限り、日本は再建で出来ない
・ 経営のやり方は無限にある

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