2025年7月26日土曜日

【本】2025年上半期 面白かった本

今年上半期読んで面白かった本をまとめておきます。
ランキングにはしていませんが、各ジャンル一番面白かったのは、一番上にしています。

<自然・アウトドア系>
  • アムンセンとスコット(本多勝一) (←自然・アウトドア系1位)

  • 空へ(ジョン・クラカワー)


<歴史社会系>

  • 新書アフリカ史(宮本正興、松田素二) (←歴史社会系1位)

  • 自由の命運(ダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソン)

  • 国家はなぜ衰退するか(ダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソン)

  • NEXUS(ハラリ)


<その他>

  • シンプルで合理的な人生設計(橘玲) (←その他1位)
    (橘玲氏の著作は他にも読んだ。「バカと無知」「DD論」なども面白かった)

  • からまる毎日のほぐし方(尾石晴)

  • 科学で世界はすべて読み解ける(左巻 健男)

  • 透析を止めた日(堀川 惠子)



ーーー
あとはランクインしてはいないけど、トルコ、北欧、バルト、ポーランド社会系の本も旅行の前に結構読んだ。

ーーー
あと、これも再読なのでランクインはしていないけど、「ファスト&スロー」(カーネマン)を多分6年ぶりくらいに読んだ。今読んでみると、認知バイアスについてはほとんどここ(主に下巻)に書いてあったんだな。なぜ当時さほど引っかからなかったのか(上巻が長すぎて、下巻は超速読してしまった記憶がおぼろげにあるが)。しかも後から出てきた数多のフォロワーが省略しがちな、システム1と2の話がベースとして書いてあり、やはり一番本質をついているように見える。

2025年7月15日火曜日

【ポーランドD7-2:ワルシャワ】 手触りがあるような無いような(旧市街)

Monument to the Fallen and Murdered in the East

Monument to the Fallen and Murdered in the East

Monument to the Fallen and Murdered in the East

Monument to the Fallen and Murdered in the East

Monument to the Fallen and Murdered in the East


ワルシャワ蜂起モニュメント

ワルシャワ最高裁?

ワルシャワ最高裁?

ワルシャワ最高裁?

ワルシャワ最高裁?

ゲットーの跡

ゲットーの関連碑

再建された旧市街


再建された旧市街

レンガもよく見れば新しい気がする

再建された旧市街

豚のクレープ

甘めのワイン

ザムコビ広場


<新市街>

昨日今日、博物館ばかり行っていたけど、街中も今日のうちに多少なりとも見たいと思い、トラムで5kmほど北に移動して新市街に来た。中心部から5kmくらい離れると急に共産感が出てくる。確かに、せっかく新しいビルを建てるなら全然違う雰囲気のビルを建てたいという気持ちはわかるような気がする。


<Monument to the Fallen and Murdered in the East>

この辺りも記念碑多数。

まず見たのは、シベリアに移送されて死んだ人の記念碑。

ワルシャワで有名なのは、ナチス/ユダヤ人関係だが、それ以前もロシアに攻め入られたり、大勢がシベリア抑留されたりで、東西からボロボロにされている。


<ワルシャワ蜂起モニュメント>

さっきの記念碑もここもそうだが、虫がたくさん飛んでる。なぜなのか。

この記念碑の背後の柱も印象的。この柱は元々トラムの発電所で、今はワルシャワ最高裁の建物らしい。


<旧市街>

そのまま南に歩いて、旧市街に来た。

ワルシャワの旧市街はナチスに破壊されたので、戦後に過去の街並みを再現して建てられたものらしい。そう言われると確かに表面とかツルッとしていてディズニーランド感があるような(歴史的背景を知らなければ気づかなかった可能性は十分ある)。

教会の中に宗教画があったりもするけど、これも再現されたということか。

旧市街の城壁のレンガも、やはりどこか新しさを感じる。


ワルシャワ蜂起で戦った少年の銅像などももあって、引き続き記念碑多め。やはりここにも多数のガイド付きツアーが入れ替わり立ち替わり来た。


記念碑はまあまあ見たので、こんなものでいいかという気がしてきた。記念碑は言ってみれば石版や銅像なので、それ以上の情報ないから。やはり「そのもの」が無くて、なんかもどかしい街。


<ミサ>

ジズイット教団の教会があったが、ミサなのか(本日は日曜)何かイベント中で、入れる感じではなかった。どういう建物なのかはちょっと見てみたかった。

すぐ隣の西ヨハネ教会という所にもきたが、ここもやはりミサ中なのか入れなかった。


<夕食(豚のクレープ)>

新市街に戻るとポーランド料理が食べられないので、少し早いが旧市街で食べていくことに。旧市街は、似たようなメニューで、観光客を捌くことに特化していそうな店が散見される。この、似たようなメニューのレストランが多いという意味では、イスタンブールのスルタンアフメト地区に似ている。


今まで食べていないポーランドメニューがある店を選んだ。


豚肉のクレープ1,600円。かなりチーズたっぷり。豚肉が随分柔らかくて美味しい。ノーマークだったが、ポーランドは肉がすべて美味しい。

クレープ生地は日本のクレープと同じ味。

この店も牛のタルタルがあった。昨年プラハで食べてかなり感心したが、中欧ではよくある料理っぽい。

赤ワイン600円。残念ながら普通の味。まあ、こういうこともある。

さらに白ワイン600円。結構甘め。でもスッキリ。そういえば、去年スロバキアで飲んだ白ワインも甘かったな。


<ザムコビ広場(王宮広場)>

本日歩き回って最後、旧市街一番のランドマーク、ザムコビ広場に来た。

この広場の周りの建物も、全て戦後に再建されたもの。美しく整ってはいるが、歴史を考えると、ポーランド人の怨念的な物も感じてしまう。

歴史の手触りがあるような無いような、とても特殊な空間。


どんな物か分からず歩いてきたけど、再建された旧市街を広範囲見て回れて良かった。

【ポーランドD7-1:ワルシャワ】 牛/ワルシャワ蜂起博物館

牛の頬肉の煮込みセット

牛の頬肉の煮込み

紫色のコールスロー

ワルシャワ蜂起博物館


<牛の頬肉の煮込み>

ジムで少し走った後外へ。

まずワルシャワ蜂起博物館に向かったが、入場前に昼食。

今日もポーランド料理屋が見つからず、博物館の目の前にあったアメリカ料理屋に入ってしまった。

牛の頬肉の煮込みセット2,000円。コールスローが別で400円。高々2,000円強くらいのセットだが、激烈おいしかった。今まで食べた牛肉料理でもトップクラスかも。昔米子で食べたステーキや、去年プラハで食べた牛のタルタルあたりに並ぶ味。

牛肉の柔らかさがすごい。

ワイン&コンソメ系の味かな。これがアメリカ料理というのが微妙によく分からないが。

ワルシャワ初日の肉料理もすごく美味しかったし、ポーランドは肉料理が強いのかもしれない。いや、でもクラクフで食べた魚も美味しかったか。残りの期間も、さらに肉と魚を食べてみたい。


付け合わせも全てが美味しかった。ポーランド料理ではないけれど、非常に満足した。ワルシャワ蜂起博物館前の、シェルビーという店。






ここではカードが通らなかった(機械はあったけど多分決済代行会社のセキュリティではじかれた)ので、現金払い。

ポーランド10日間で現金を使ったのは、このレストランと、あとは有料の公衆トイレだけかな。


<ワルシャワ蜂起博物館>

日本語オーディオガイドはなく、英語だけ。テーマがそもそもワルシャワ蜂起ピンポイントだし、ドイツやポーランドの人名や軍隊用語なども出てきてしまうので、背景知識なしで、少し英語が得意くらいのレベルで来てもやや厳しいかも知れない。

歴史学の中では、ワルシャワ蜂起は政治的・戦略的には無茶という話も聞いたことがあるが、とにかくポーランドでは英雄的イベントとして扱われているのは分かった。

展示品は、普通の博物館の線引きをやや超えていると思われる、結構むごたらしい映像や写真がある。

・ ゲットーの外に死体を雑に運び出す様子(映像)

・ 暴行で頭部が欠損した死体(画像)

・ ドイツ軍の砲撃で上半身が吹っ飛んだ下半身だけの死体(画像)

など。

不意に目に入らないように、「Drastic」な画像である旨注意書きがあったり、少し隠れた場所で流されていたので、そう言う物を見ずに見学することは可能。


なお考えてみると、広島の平和記念資料館も結構攻め気味だったような気もする。だいぶ前なので忘れてきている。また行ってみたい気もするな。

2025年7月13日日曜日

【ポーランドD6-2:ワルシャワ】 ポーランド ユダヤ人歴史博物館(POLIN)

※ポーランドD6が長くなってきたので2つに分けました

ーーー


ポーランド ユダヤ人歴史博物館

ポーランド ユダヤ人歴史博物館

ポーランド ユダヤ人歴史博物館

チフスの注射針
めっちゃ太い

ラムコフタ

大根チックな野菜

ポーランド ユダヤ人歴史博物館
休憩スペースも充実

ワルシャワ・ゲットー ヒーローズモニュメント

ハラコシキ

ハラコシキ

ハラコシキ

ベルギアン・ポテト


<ポーランド ユダヤ人歴史博物館>

ポーランド ユダヤ人歴史博物館の前まできた。

この博物館の前にワルシャワゲットー・ヒーローズモニュメントという、またも記念碑がある。この碑の前には、奇声を発しながらマカレナを踊っている4人組の若者がいて、近寄りがたかった。まあ仕方ない。博物館の帰りがけにまた来るか。


博物館入場。入場料約2,000円。

オーディオガイドが、自分がいる位置に応じて説明を進めてくれる。こういうのは初めて使った。これはいいね。日本語オーディオあり。

展示は、考古学品など実物系の展示品はわずかにしか無い(街中はともかく、博物館なら「そのもの」を展示することだって出来ると思うのだが、なぜなのか)。主にポーランドにおけるユダヤ人の歴史を分かりやすく、時系列に勉強できるという勉強系博物館。

音声ガイドの中で「ここまでで全体の1/3くらい来ています。休憩するならしてください」みたいな案内も含めて流れる。そこに大きめの休憩スポットもある。なかなか親切。


博物館のレストランで、早めの食事をとった。

コーシャかどうかは確認できなかったが、イスラエル料理があるなど、ユダヤ人を意識した要素はあるよう。

私が注文したのは、ラムコフタ(ラムのミートボール)、ジャガイモ、あとは聞いても食べても何なのかよく分からない野菜のセット。2,000円。

ラムコフタは、ラムとスパイスの味で、口の中に中東感が広がる。ミートボールは、トルコではキョフテと言っていたけれど、イスラエルあたりではコフタというらしい。

じゃがいもは、ヨーロッパのレストランで時々見る、皮がついたままの小さめの丸いじゃがいも。品種の問題なのか、小さめのうちに収穫しているからか分からないが、大体柔らかい。これ美味しいよね。大体腹12分目になるくらいたくさん盛られてくる。

全体的に、ミュージアムレストランの食事としてはとても良いのでは。


食事後も見学を再開して、後半駆け足だがとにかくざっと見た。


以下、メモ

・ ナチスがポーランドに侵攻してくる前は全然平和な時期で、比較的余裕のある暮らしをしていた。例えば、普通にレジャーを楽しんだり、子供が教育を受けるなどの余裕はあった。

・ ポーランドには600か所のゲットーがあった。最も規模が大きかったのがワルシャワ・ゲットーで、Max46万人いた。

・ ワルシャワ・ゲットーからの移送先はトレブリンカ強制収容所。最後の2カ月で30万人移送して殺した。

・ トレブリンカの総犠牲者数は80万人で、アウシュヴィッツ、ビルケナウの犠牲者数(110万人)の70%以上。アウシュビッツは知名度が極端に高いが、犠牲者数で近い規模の施設は他にもあったということか。

・ ゲットーで使われていたチフス(予防接種ではなく発症後の治療薬)の注射針(これは「そのもの」が展示されていた)が信じられない太さ。7mmくらいあるのでは。こんなの自分で刺せと言われても無理そう。人に刺してもらったとしても私だったら気が狂いそう。ゲットーにおいては相当な貴重品だったようだが。

・ プロイセンをプロセインと言っていた。海外のオーディオガイドあるある。


展示規模、オーディオガイドのレベル、清潔さ、ミュージアムレストラン等の観点で、全体的に非常に立派な博物館。

博物館全体的な論調としては、ユダヤ人の被害を訴える内容。ベルリンにもこういうコンセプトの博物館があったよな。ユダヤ人の感情としては当然だと思う一方、このコンセプトで非常に立派な博物館が各地にあることが反ユダヤ感情を生んでいる可能性は少し感じる。


最後の方は疲れ果ててきたので飛ばし気味に見たが、博物館を出たときにはもう19時になっていた。早くもワルシャワの観光は5泊では足りない感。


帰りがけ、マカレナを踊っていた若者はおらず、モニュメントも軽く見ておいた。

メインのモニュメントの周りには、シナゴーグにあったのと同じような7又に分かれたユダヤ教の燭台の銅像もあった。


<ハラコシキ>

博物館見学でどっと疲れたので2時間くらいホテルで休んだ。

夜、何か食べようと思って700m~800m歩いてハラコシキというフードコートに行った。DJがいて大きい音で音楽が鳴っている。活気があるし良い雰囲気だった。

ここ数日負の歴史の勉強ばかりだったので、残りは多少こう言うシンプルな楽しさに振ってもいいかなと、ぼんやり思った。

本日に関しては、大分疲弊してきており、フレンチフライ(ベルギアンフライと呼ばれていたが何が違うのか不明)だけ食べてホテルに戻り、寝た。