2013年8月31日土曜日

統計で見える未来がある - 未来思考 10年先を読む「統計力」(神永 正博)



統計学をベースにした未来の本。

将来予想というよりは、「統計を未来に役立てよう」という論調です。


事例が面白い。
少子高齢化・格差・婚活などを取り扱っています。
以下では、特に面白かった「婚活」の事例をご紹介しましょう。


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婚活の事例

(要約)
統計的に、収入と結婚率にはあからさまな相関がある。
つまり、「稼いでいる人ほど結婚している」というデータがある。
例えば、30歳〜34歳の男性で年収200万〜250万の人は、40%結婚している。同年齢で、年収600万円台のとなると結婚率がぐっと上がり、80%近く結婚している。

しかし見方を変えると、年収が200万円台でも40%は結婚できるということ。


「金を持ってないと結婚できない」という見方もできるし「金を持っていなくても結婚できる」とも言える。データは見かた次第。


(感想)
なるほど。
データは、引いた目で、大きなトレンドをつかむという使い方が出来るが、逆に、近くに寄って、一カ所に着目するという使い方も出来る。
ということですね。


必ずしも年収を上げるという戦略だけが正しいのではなく、年収200万円台で勝負するというやり方もあるかもしれない。
統計データというのは、うまく使えば、良い戦略を立てるための道具になりそうだと感じました。

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想像力豊かなSF作家のような人がイマジネーションで書いた未来の本はもちろん面白いです。
しかし、「統計学」を使った未来予測というのも、なかなか使える。
そう思った1冊でした。


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2013年8月22日木曜日

文明崩壊(ジャレド ダイアモンド)



「文明崩壊」の上巻だけ読みました。
文明がどう滅んでいくか、過去に消滅した社会を分析した本。

ストーリー仕立てではないですが、どの文明にもドラマがあって面白いです。


文明が崩壊する原因と言ってもいろいろで、この著者は、次の5つの観点から分析しています。

(1) 自らの環境破壊
(2) 気候変動
(3) 外敵
(4) 外部の仲間(交易相手)を失う
(5) 内部の社会構造・制度など

言い換えると、上記の要因の組み合わせで、文明は滅びるのです。


例えば、
モアイで有名なイースター島は(1)自らの環境破壊で滅んだ。
マヤ文明は、(1)環境破壊、(2)気候変動、(3)外敵のため滅んだ。
とのこと。

これを読むと、昔から自らの資源を使い尽くして滅んだ社会はたくさんあると分かります。
完全に資源を使い尽くさなくても、ギリギリまで使ったところで気候変動に見舞われたり、仲間を失ったりしても滅びます。
これを読んで、地球が近い将来資源の過剰開発で滅びる線もあり得るのでは、と思い直しました。

では、これを回避するにはどうしたら良いか。
過去の例からは、2つのアプローチが考えられるとのことです。
社会制度で開発をコントロールする「上からの」アプローチと、草の根的な「下からの」のアプローチ。どちらもあり得る。
地球規模の環境問題・食料問題は誰か高いポジションの人二任せておけば良いという問題ではないですね。

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尚、同じ作者の「銃・病原菌・鉄」は、結構前提知識を要求する内容でした。
1つの章で色んな地域に話が及ぶ(例えば、食料生産についての章では、「肥沃な三日月地帯では・・・」「地中海性気候の地域では・・・」「ポリネシアでは・・・」などと、次々に色んな地域が登場する)ので、ある程度世界の国・地域の位置やイメージを持っていないと、読みにくいです。

その点「文明崩壊」は、各章、特定の「文明」が主役。
話についていきやすいです。

2013年8月17日土曜日

雑誌は、やりたいことを増やすのに最適なメディア


先日、PENという雑誌の、アフリカ特集を読んでいて思ったこと。

アフリカについては、

  • 暗い歴史
  • 治安が悪そう
というあまり良くないイメージを持っていましたが、この特集を読んで、ちょっと行ってみたくなりました。

雑誌の1つの特徴は、具体的でイメージがわきやすい、ということですね。
写真も多いし、記事の内容も具体的な話が多いです。

イメージがわきやすいから、「これをやってみたい」というものに巡り会う可能性が高くなります。
雑誌は、「やりたいこと」を増やしたり、具体的なアクションを取り出しやすい媒体と言えそうです(その分、不必要に煽られないよう注意が必要ですが)。
テレビと違って、情報が手元に残るのも、アクションにつなげやすいです。

私は、これを読んで、

  • ティンガティンガという絵を描いてみたい
  • セレンゲティというビールを飲んでみたい

と思いました。
(以下、ティンガティンガとセレンゲティの写真)




「やりたいことがない」という方、雑誌に手を伸ばしてみるのも一つの手かもしれないですよ。

尚、その目的で読む雑誌としては、PEN、BRUTUSなどがお勧めです。

他にも様々な雑誌があるでしょうが、まだまだわたくし雑誌ビギナーでして、あまり詳しくガイドできません。
(面白い雑誌をご存知の方、ぜひ教えてください!)

私も、良いのを見つけたらシェアします。

やりたいことを100個書き出す会をやってみた



タイトルの通り、やりたいことを100個書き出す会をやってみました。
私自身も10年ぶりに100個書き出せたし、参加者にも好評で、良い会になりました。


感想:
10年前と比べて、やりたいことが具体的・現実的になっている(良い意味でも悪い意味でも)

10年前にやった時よりも、やりたいことが具体的になっています。
言い方を変えると、やりたいことが、イメージできる範囲に限定されてしまっています。今の生活スタイルで、今の仕事で、今の収入で、なんとか実現出来そうなことばかり出てきました。
確か、10年前にはもっと突飛な「やりたいこと」がたくさん出てきていたはず。無意識に切り捨ててしまっている「やりたいこと」がだいぶありそうです。

良く言えば、SMART GOALが染み付いて(悪く言えば毒されて)おり、目標を、「具体的」に、「数値化」するよう考えるクセがついています。この過程で、具体的に思い描けなく、数値化できない「やりたいこと」が捨てられているのでしょうか。

ということで、このリストの中で出来ることはどんどん消化していくにしても、イメージがぼんやりした「やりたいこと」も出し直したいです。

2013年8月16日金曜日

北海道メモ



16年ぶりに北海道(札幌)に行きました。メモです。
これから北海道に行く人に役立つ話も少々ありますが、基本的には個人的な感想です。

<目次>
1.擦れてない
2.食べログの評価が甘くないか?
3.涼しいせいかよく眠れる
4.地方都市の駅は差別化できないのか
5.新千歳空港は楽しめる
6.行き当たりばったりの旅も程々に


では本文どうぞ。

1.擦れてない
7月に福岡に行き、8月に札幌に行った感想。
東京の人間の方が、2割増で疲れている。擦れている。
あくまで、私の個人的な感想です。
統計等は取っていません。

女性の化粧も、東京のほうが2割増し、男性の服の気合いも2割増しだと思います。(これも主観です)

東京にいる身としては、消耗しすぎないように気をつけます。
東京の生活が本当に疲れてしまった人は、極端に田舎に引っ込むのではなく、地方都市に生活の場を求めるというのも一つの手なのではないかと思いました。

※ 札幌駅からすすきの駅につながる地下通路。
周りはオフィス街ですが、新宿等の地下通路に比べると、気のせいか、どことなくみんな余裕がある。



2.食べログの評価が甘くないか?

今回、食事のうち半分くらいは、食べログのランキングを頼りにしました。
しかし、食べログの評価があまり当てになりません。
まず、やけに3.5前後(±0.1くらい)の店が多く、店ごとにあまり差がついていません。
また、東京付近で3.5付近となると、何かしら感動があるレベルの店が多いのですが、どうもそうでもありません
(わずかなサンプルを元に判断してはいけませんが)。
地域によって、食べログの点数は補正する方が良さそうです。




3.涼しいせいかよく眠れる

夜の外気温は23度くらい。
クーラー無しでものすごく快適に眠れました。
普段眠りが浅いのか、旅行中は、2泊あわせて20時間眠りました。
おかげで、当初考えていたコースは大幅に変更しましたが。

今まで、「避暑」をしたいなどとは考えたこともありませんでしたが、避暑ってそれなりに価値があることかもしれません。


4.地方都市の駅は差別化できないのか

札幌駅の外観。
「やけにでかい(それだけ)」というのが印象です。
この「やけにでかいだけ」な感じ、博多駅や名古屋駅を思い出します。
地方都市の中心駅は、差別化しにくいものなのか。
これと比べると、さすがに大阪駅や京都駅は差別化できています。規模の問題でしょうか。

※ これがJR札幌駅

5.新千歳空港は楽しめる

駅と違って、この空港はかなり差別化できています。
空港の中に、小規模なドラえもんのテーマパークがあります。
この他にも、海の幸、ジンギスカン、ラーメンストリート、スーパー銭湯などがあって、結構楽しめます。
というか、ここまで娯楽性が高い空港は私は初めてです。
普通のショッピングモールより遥かに色々あります。


6.行き当たりばったりの旅も程々に


小樽駅でもらった観光マップに、絶景スポットがあったので、自転車をレンタルして行こうとしたのですが、あまりに坂が急(というか完全に山)で挫折しました。
観光地から離れたい時、時間に制約がある時は、やはり事前に調べておかないと、やりたいことが出来ませんね。
今回は、行き当たりばったりの旅の悪いところが出てしまいました。


※ 仕方ないので、おたる水族館の近くの観覧車に乗って精一杯良い景色を撮りました。