2020年6月29日月曜日

時給換算&無収入生存期間換算

支出・アクションを時給換算するということを、昔からやっています。
よくある行動シナリオ、例えば
・ 映画館鑑賞料+電車往復
・ 最寄駅から新宿に特急で往復
・ スターバックスでドリップコーヒーS
などを時給換算(それぞれするために何分働く必要あるのか)という表を作って管理しています。
私の場合、昇給したらアップデートされるよう関数を入れてあるのですが、細かいことを考えることが目的ではないので、今からやる人は、1時間2,000円、3,000円、4,000円など霧が良い数字で考えるほうが良いかもしれないです。特に暗算が苦手な人は。

最近、その表に「無収入生存期間」欄も追加してみました。
映画を見ると、新宿に行くと、スタバに行くと、無収入生存期間がどれだけ減るのか、がわかるようにしました。
概算でを把握することが目的なので、1日10,000円で計算しています。
(東京に引越したらもう少し上げるかも)

まだ年齢的にも節約して無収入生存期間を増やすよりは、稼いで増やした方がいいとは思っていますが、これが頭に入っていることで、よりリーズナブルな代替手段を選択することが多くなったかなと思っています。

少し前車も買うか検討していたのですが、「2年半ぐらい無収入生存期間が減る」と可視化できて、より迷いなく買わない結論出せました。

私は単純な四則演算であれば暗算できるほうなので、店頭で概算で計算できなくもないですが、家で表をみながら習慣を検討しなおすというのはまた違うので、今後もアップデートしていこうかなと思っています。

2020年6月22日月曜日

「自分は強い」という自己欺瞞

コロナ禍になる前、「あそこに旅行したい」「あの山に登りたい」みたいなのがいっぱいありました。
でも最近、無理して「遊ばなきゃ」という気持ち減ったかもしれないです。
当然「今は遊べる時期じゃない」とわかっているからだけど、もしかしたら、周りの人も遊んでいないから欲望が刺激されない、というのもあるのかも。
人と比べていたつもり無い(むしろ周りがどうあろうと関係ないと思ってた)んですが、そういうところはやはりあったようです。

最近の自粛要請で
「私は引きこもり耐性強い」
と思っていたのが、覆されました(やっぱり外に出歩くほうがうんと楽しいです)。
この時にも思ったのですが、無自覚に
「自分は大丈夫」「自分は強い」
と思ってしまうのは、ある面では必要でしょうが、ある面では自己欺瞞につながるなと思いました。

自分は
「人と比べて余計な欲望を掻き立てられたり、劣等感を刺激されたりする」
と、自己認識を改めておきたいと思います。

2020年6月19日金曜日

ノイズ・コントロール

ひと月くらい前、Twitterでレスバトル・炎上を生業にしている方をフォロー外しました。
そういうのを見るのに急に嫌気がさしたので。
結果としては、Twitterのタイムラインがだいぶすっきりしました。

急に嫌気がさした理由は、多分
・ コロナのせいでただでさえノイジーなのに、それ以上ノイズを入れたくなかった
・ レスバトルしている人の多くもコロナで混乱している感じがした
だと思います。

ただ、
・ 世の中が多少落ち着いてきた
・ 自分も慣れてきた
せいか、多少ノイズもまた受け入れられる感じにはなってきました。

ノイズを消そうとするときりがないし、新しいことできないので、ノイズはコントロールしつつ、多少ノイズがある中で、またいろんなこと試していこうと思います。

2020年6月17日水曜日

「騎士団長殺し」メモ追加



先日、騎士団長殺しの記事を書きましたが、さらに続きです。

騎士団長殺しで気になったフレーズなどを、メモっておきました。
多少カテゴライズして、最近読んだタレブ・角幡唯介氏との共通点も感じたので、書いておきました。
(あまりカテゴライズしすぎるのも本著の趣旨に反しているような気はしますが)
個人的なメモですが、ご興味がある方はどうぞ。

<自分の意志・能力を越えた事態>
・ そうしなければならなかった
・ まずこの案件を片付けてしまわないことには、何ごとによらず先に進められそうにない
・ 世の中には、偽装した祝福もあるし、その逆のものもある
・ 大胆な転換が必要とされる時期が来たら、素早くその尻尾をつかまなくてはならない
・ 自分一人だけでは処理しきれないとき、誰かに相談する必要がある
・ 質問はすべて繰り返しにすぎず回答はゼロのままだ
・ 私が人生を単純化しようとすればするほど、ものごとはますますあるべき脈絡を失っていく

※ ものごと全てを意志で決められるわけではないという話は、「冒険も結婚も事態である。事態に飲み込まれながら物事が決まっていく」とする角幡唯介氏の話と共通しているなと思いました。


<生成>
・ これはただの始まりにすぎないのではないか
・ 時間というものを信用しなくてはならない
・ むしろ失ってきたもの、今は手にしていないものによって前に動かされている
・ 私はもう後に引き返すことができなくなっていた
・ 時間が奪っていくものもあれば、時間が与えてくれるものもある
・ そこには少なからざる犠牲と、厳しい試練が伴うことになる。犠牲を払うのはイデアであり、試練を受けるのは諸君だ。
・ このほかに方法は一つもあらない。贅沢を言っている余地はあらないのだよ。
・ わたしの役目はおまえを向こう岸に渡してあげることだ。それより先のことはわたしの職分ではない。
・ 血は流されなくてはならない
・ 現実の世界にそのまま永続する姿かたちなんて何ひとつない
・ 物事を中途半端にやめるわけにはいかない

※ 人生は、固定的なものではなく、絶えず揺れ動いていて、何かを失うから何かを得る。得続けることはできない。トレードオフ。この動体を味方にしなくてはいけない・・・というニーチェ的価値観。これも角幡氏が(ニーチェを引用しつつ)そんなことを言っていたのを思い出しました。

<現実と認識>
・ 自分が昨日おこなった仕事を、今日の新たな目で評価しなおす
・ 昼の光の下ではものごとはまた違って見える
・ 物事の良い面をみるようにしろ
・ 目に見えるものが現実だ。判断はあとですればよろしい。
・ しっかりと目を開けていても見落としていることがたくさんありそうだ
・ 私の視野にはきっと生まれつきの盲点のようなものがあるに違いない
・ 客観が主観を凌駕するとは限らない
・ 真実とはすなはち表彰のことであり、表彰とはすなはち真実のことだ。そこにある表象をそのままぐいと飲みこんでしまうのが一番だ。そこには理屈も真実もない
・ ザルを水に浮かべることは、なにびとにもかなわない
・ 私はこうして実物を手にしているのだ。そのうえどうして比喩なんてものが必要とされるのだろう?
・ 記憶はいくらでも再構成される。その時見たものを書き留めておくのには意味がある
・ 床に落としてみて、割れた方が卵だ
・ あれではとてもイルカになれない(全てを論理で結び付けようとする思考の働きから逃れられない、という意味か)
・ この人生にはうまく説明のつかないことがいくつもある。また、説明すべきではないこともいくつかある。とくに説明しまうといちばん大事なものが失われてしまう場合には。
・ 晴れて自由の身になった。せっかくだから、そろそろ何かひとつくらいバカげたことをしたっていいんじゃないか
・ いつだって筋の通ったことをしている。たまにはそういう抑制を解いたほうがいいんじゃないか?

※ 認識は間違える。後付けの説明は欺瞞である、といのはタレブ的だなと思いました。
現実は無限に複雑で、後から論理で説明するといろいろ抜け落ちるし、その抜け落ちた部分からブラック・スワンが登場するのです。

・・・・・・
ここから先は、タレブ・角幡氏関係なく、私が気になったフレーズなどのメモです。

<石室>
・ 石室を開けたことで何かを得たはず
・ 「考える」という行為そのものに飲み込まれてしまった
・ (石室の中に)これ以上いるのは危険すぎる
・ 壁はもともと人を護るために作られたものだが、高い強固な壁は人を無力にする

<好奇心>
・ 好奇心というのは常にリスクを含んでいる
・ 好奇心には金がかかる

<他>
・ よし、今が時だ
・ ぼくは昔からだいたい同じようなことをしてきた
・ いつまでこんなことを続けていたところでどこにもたどり着けない
・ 山の中で立ち往生しているよりは流れに流される方が気が利いている
・ 文明の利器が働かないときは、太鼓と猿による通信を試してみるのも良いかもしれない
・ 人には知らないでいたほうが良いこともある
・ それは私が今ここで、何とかしなければいけないことなのだ
・ 諸君はいったい何なのだ?と問われたら随分戸惑うだろう
・ 正しい色を作るのには時間がかかる
・ その返答は先延ばしにしろ
・ そろそろここを引き上げた方がいい
・ ものごとから不自然な要素を取り払え
・ 宿痾。治しようもないろくでもない体質的傾向
・ 深い森の中からようやく抜け出そうとしているみたいだ。その流れを大切にしたほうがいいぜ。
・ 私はここのところ、見当違いなことばかりしているみたいだ。
・ 私の筋肉は自分でも気づかないうちに、あちこちで固くなっていたのかもしれない
・ 官僚制システムでは、いったん何かを決めてしまうと、変更することがほとんど不可能になる
・ 人の首をはねるのに慣れる人間も少なからずいる
・ 我々は時間と空間と蓋然性に縛られて生きている。上下四方を固い壁に囲まれて生きているようなものなのだ。
・ 私は普通の人間ですと自己申告するような人間を信用してはいけない
・ それで、その話のポイントは何なんだ?
・ メタファー通路で順序を誤れば、とんでもないところに行き着く
・ 思考は暗闇の中で、意味を欠いた方向に際限なく伸びていった。あるいは方向性のない方向に、というべきか。
・ 道を決めるのはあなたご自身です。
・ 心をしっかり繋ぎ止めなさい。心をふらふらさせたら、二重メタファーの餌食になってしまう。
・ まったく正しいこととか、まったく正しくないことなんて、果たしてこの世界に存在するのか
・ よく耳を澄ませ、よく目をこらし、心をなるたけ鋭くしておく。それしか道はあらない。
・ 勇気がある、賢い人でなければならない
・ 演技をがんばってやり通すしかない
・ 荒ぶる荒野に身を置いても、どこかに私を導いてくれるものがいる

2020年6月15日月曜日

自己欺瞞には自覚的に「人が自分をだます理由」

「人が自分をだます理由」
という本を読みました。

「本心」と「自己欺瞞」を区別するってのは、昔よく考えていたテーマです。
社会人になってしばらくしたら自然とこのテーマは消えましたが、この本を読んだら微妙に思い出してきました。

読んで思ったのは、やはり自己欺瞞と本心を完全に区別することは出来ない、ということです。
何か「純粋な本心」みたいなものがある想定で、それをあらゆるノイズから完全に切り出そうとするとどこまで行っても答えは無いし、社会生活をするうえで自己欺瞞なしに生きようとするのはかえってキツいです。

ただ、自分がどんなメリットを得るために自分をだましているかには自覚的になるほうが良いと思いました。

理屈の限界にどう対処するかー「騎士団長殺し」&「ブラック・スワン」再読



ずっと再読したいと思っていた「騎士団長殺し」を読めました。
ついでに、タレブの「ブラック・スワン」も途中まで読めました。
紙の本をこれだけ読めたのは久しぶり。
目の周りに違和感があって紙の本(=文字を拡大できない)は敬遠気味だったので。
せっかく読めたのでメモを残しておきます。

タレブの「反脆弱性」もそうだったのですが、こういう大作(というかポイントが多い本)は感想を一つの記事にまとめるのは難しいので、気になったことだけメモする感じです。
(初読時の感想は一応書いているので下にリンクを張っておきます)
多分ここでの気づきが、時間がたつと、ほかの記事などに組み合わさって、まとまっていくはず。

<理屈では読み切れない世界>
村上春樹の世界観(問題意識)の一つは
「理屈ではたどり着けない世界がある。そういう世界に触れないと納得できる人生は無い」
ということでしょう。
そして、村上春樹の答えは、そういう世界には
「感覚・直感・本能を研ぎ澄ませることでたどり着く」
ということだと思います。
だから主人公は仕事に追われていない状況で、定期的な運動、面白い人物との交流、おいしい食べ物、素晴らしい音楽、セックスで感覚などを研ぎ澄ませた状態で、何かが起こるのを待つわけです。
ある意味主人公は自分を過度に大事にしているので、読んでいるとかなりナイーブな気持ちになります。
(正直、仕事が忙しい時に読むものじゃないと思います)

<タレブの場合>
ブラック・スワンのタレブも、「理屈の限界」「理論の限界」を指摘している一人です。
でも、その問題意識・答えは村上春樹とは次元が違って、
「世の中は複雑・ランダムで読み切れない」(問題意識)
「予測・理論の中に登場しないブラック・スワンに全部持って行かれる」(問題意識)
なので、
「予測を捨てて、ランダム性に耐えられるようオプションを持とう」(答え)
といっています。
ちなみにタレブはかなり神経が太い方と思われ、自分を過度に大事にしておらず、読後感はまるで違います。

<MECEに切れば全部解決するわけじゃない>
最近、自分自身「理論の限界」「理屈の限界」を感じているから、こういう本に心惹かれるのかもしれないです。
「騎士団長殺し」で起こるブレイクスルーって、全てを因果で説明しようとするビジネスノウハウとは対局のところにあると思うんですよね。
こんなブレイクスルーはめったに起こるものではない、と言えばそれまでですが。

MECEに分解して策を講じれば何でもかんでも解決するわけではない。
でも最近ビジネスの現場で起きているのってこれじゃないですかね。
私はロジカル・シンキングとか、問題解決技法とか、かなり好きだし素晴らしい技だとは思っていますが、同時にこれで全部いけるわけではないとも思います。

世の中や人間は二次元的なものではなく、複雑(三次元的)で、時間によっても刻々と変化していく(四次元的な)ものなので。
MECEで二次元的に切ったところで全部の問題が解決できるわけではないのです。


・・・・・・
なお、2度読んでも、「スバル・フォレスターの男」「二重メタファー」がわかりませんでした。
わかる日が来るのでしょうか。


個人的に気になった個所をこちらにメモしました
https://yusuke-remanore.blogspot.com/2020/06/blog-post_17.html


初読時の感想はこちら
http://yusuke-remanore.blogspot.com/2017/04/blog-post.html