2013年4月29日月曜日

雑誌を紹介する読書会 をやってみた



「雑誌を紹介する読書会」を開催してみました。
とても盛り上がって、楽しい会になりました。
皆様、ありがとうございます。
話題が飛びまくって、ファシリテーションが私の手には負えませんでしたが・・・

主催者でありながら、雑誌に一番疎いのが私でした。
皆さん雑誌いっぱい読むんですね。

今日一番感じたことは、皆さん

  • 話題が豊富
  • 知識が豊富
  • 時事に通じている

ということです。
本の話であれば私もそれなりに出来てしまうので、読書会をしているだけではこれはあまり感じませんでした。
本というのは、情報源としては素晴らしいとは思っていますが、本だけが情報源というのは偏っていました(当たり前ですね)。

これまでは、雑誌と言えば、トピックにキャッチアップする目的で、王道の日経ビジネス・日経コンピュータばかり読んでいましたが、雑誌で広がる世界の可能性を感じたので、今まで読んだことが無い雑誌にどんどん手を出していこうと思います。

新しいことをすると、新しい発見がある。
これは世の常ですね。

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以下蛇足というか、とても個人的なことですが・・・


私、頭の作りの問題なのか、どうも雑誌を読んでもあまり頭に入ってきにくいんですよね。
漫画はどんどん頭に入ってくるので、絵と文章を行ったり来たりするのが苦手ということは無いと思うのですが。
どうも、雑誌を読み慣れていない、雑誌のツボがまだ分かっていないという感じがあります。
もしかしたら、一つの話題を掘り下げるのには向いているが、トピックが次々変わる、ということについていきにくいのかもしれないです。

2013年4月28日日曜日

金銭感覚をバージョンアップ - 10年後、金持ちになる人 貧乏になる人 (田口 智隆)他



ずっと「安月給」の人の思考法(木暮太一)
10年後、金持ちになる人 貧乏になる人 (田口 智隆)

を読んで、お金について少々考えました。

私が思うに、数年おきに金銭感覚はバージョンアップするほうが良いです。
なぜかというと、数年経つと、

  1. 収入・支出構造が変わる
  2. おかれている身の回りの状況・社会状況が変わる
  3. 金の使い方が知らないうちに雑になったり、無目的になったりする

という理由からです。

サラリーマンになって3年目くらいのとき、金に関する本を何冊も読んで、その時なりの金銭感覚というものが一応出来たのですが、そろそろバージョンアップの時期かな、と思います。
その時から、1の収入・支出構造は(残念ながら)あまり変わっていませんが、身の回りの状況は結構変わりました(2)。金の使い方も雑になっています(3)ので。

ということで、手始めにこの2冊を読みました。
金に対する考え方は、人それぞれなので、一人の本を読むのではなく引き続き何冊か読んで、バージョンアップ(チューニングと言った方が良いかも?)していこうかと思っています。

30年後不安の中で生きないように - 55歳からのハローライフ(村上龍)


60歳前後の、

  • 婚活
  • 健康・金の不安
  • 再就職
  • 家族との人間関係・孤独
などを描いた短編集。

60歳になったら、若い頃よりも遥かに多くの不安を抱えながら生きていく(人が多い)ということが分かりました。
生き方に迷うこともある。
自分の価値観が崩壊するようなこともある。
人間関係の悩みもつきない。


歳をとるにも、準備が必要。
楽観的に生きれば良いというものではない、ということが分かります。

私が60歳になるのは約30年後。
30年後はまた社会もメチャクチャ変わっているでしょう。
なので、何が準備になるのかは分かりませんが、とりあえず、
・ プロフェッショナルとしての技術を高める
・ 本を読む
・ 人と会う
・ 運動する
は続けようと思います。

なんか漠然とした結論ですが、本当に具体的な定年後の準備をするのはまだ早すぎますよね。

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面白いことは面白かったですが、村上龍には、「5分後の世界」「ヒュウガ・ウィルス」みたいな、別世界に放り込まれるような小説をまた書いてほしいです。

2013年4月14日日曜日

傷つきすぎず、傷つけすぎないように - 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年(村上 春樹)



村上春樹の新作を読みました。
とても面白かったです。
心の旅でした。

ネタバレ防止のため、あらすじは書かず、いきなり感想を書きます。

(心が)傷つくこと、傷つけること、が一つのテーマになっています。
主人公は、ものすごく深い心の傷を負っています。

先のエントリで、
「本からは悪い意味でも影響を受けすぎることがあるが、刺激の強い本を避けすぎるのはつまらない」
といったこと書きましたが、これは人間関係も同じですね。

まともな大人になっていくには、人と付き合わないといけません。
浅い付き合い、深い付き合い、どちらも必要になります。

深く人と付き合うと、どうしても傷つけてしまったり、傷ついてしまう。

それを避けすぎるのはつまらない。
容易に逃げてはいけない。
しかし、それが取り返しのつかない心の傷にならないようにしなくてはいけないと、これを読んで思いました。
傷つく側であっても、傷つける側であっても。

で、どうすれば良いか。
考えたことは2つです。

1つめは、
心が傷つきすぎないように距離などをコントロールすると良いということ。
そのまんますぎるか。
昔は、「考えたことは真っ直ぐぶつけるのが良いのだ」等と考え、こういうコントロールをするのは小賢しいことだと思っていました。
しかし、純粋なだけではだめです。
今は逆に、こういうコントロールが出来るからこそ、人と付き合えると思っています。

余談ですが、最近、SNSとか、それを利用した勉強会の類が隆盛していますが、ここまで人気がある一つの理由は、つながりが緩やかであれば、傷つきすぎることを回避できるからなのではないかと思っています。

2つめは、傷つくことに慣れるほうが良いということ。
傷つきすぎては生きていけませんが、ナイーブすぎても生きていけません。
全く傷つかないのは無理です。いきなり深い傷を負わないことが重要です。
色んなところで(コントロールしながら)少しずつ傷ついているうちに、対人関係でうまく振る舞えるようにもなり、多少のことでは傷つかない人間になっていくのだと思います。


ということで、とても面白かったのですが、これまで人を傷つけたこと、自分が傷ついたことが思い出されて、少し苦しくもありました。


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追記1
必要なこと3つ目がありました。
それは、
傷ついたとき、最速で立ち直る
ということ。
いずれ、またまとめて書きたいです。

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追記2
村上春樹の描く人物というのは、基本的にナイーブすぎるので、私も1冊読んですっかりナイーブなモードに入っていました。
これが、村上春樹の小説の危険なところです。

2013年4月13日土曜日

心の闇に惹き付けられる - 唯川恵をめぐる冒険



唯川恵の本を数冊読みました。
唯川恵は、1955年生まれ。私の母の1つ下です。
母と同年代の作者が書いた恋愛小説だと思うとなんか気持ち悪いですが、面白いです。

先日のエントリ
【本】ドロドロした恋愛小説も程々に - 飛鳥井千砂をめぐる冒険

にも書きましたが、ドロドロした恋愛の話は、人を惹き付けるものがあります。

そういえば、人をなぜか惹き付けるものって、他にもありますね。
例えば、暴力とか、死とか、性とか。
こういう、人間の暗部はなぜか、人を惹き付けます。

(余談ですが、人を容易に惹き付ける暴力・死・性を現代風にアレンジして適当に話の中にちりばめるというのは、青年漫画でよくある手法です)

ただ、面白い反面、人間の暗部をテーマにした本は読んでいて不安になったり苦しい気持ちにもなります。
何歳になっても、本に影響されすぎるということはあるんでしょうね。若い頃ほど脆弱ではありませんが。

しかしこういうのは、自分なりに正気を保てる範囲で(自分でつきあい方を考えて)読んでいくしか無いと思っています。
読むのが苦しい本を避けすぎるのはつまらないので。

それにしても、女心というのは未だによく分かりません。
女心って、私が思っているより100倍くらい複雑なんでしょうね。

頭の中で裸で踊る「マリス博士の奇想天外な人生(キャリー・マリス)」



2013年読んだ本、現時点1位はこれです。

  • 小学1年生で爆薬を作り、
  • クスリをやりながら空想で論文を書き、
  • 自宅の庭で宇宙人と遭遇して銃を乱射する
という、破天荒なノーベル化学賞受賞者のエッセイ。

そんな破天荒な話をしたと思ったら、科学者の専門知識を使って、HIVの話をしたり、オゾンホールの話をしたりもします。
すごい知識で話を掘り下げ、次の章ではまた全然違う話をする。
頭の中に、全然縛りがありません。

・ 膨大な知識
・ 融通無碍な発想
で、自由に何でも考える。
こんな頭になりたい、と思いました。


(私も頭の中で色んなことを考えますが、知識が足りなくて、発想のパターンが限られていると、同じところを堂々巡りしてしまいがちです)


しかし、このような思考の自由さを獲得するにはどうすれば良いのでしょうか。
きっと、
もっと本を読んで、
もっと人と会って、
もっと色んな場所に行って、
・・・と、地道にやるのがまっとうなやり方でしょうね。
もしかしたら、この著者のようにクスリでもやったら一足飛びに思考が自由になるかもしれませんが・・・

尚、 原題は、Dancing naked in the mind field.
「頭の中で裸で踊る」みたいな感じでしょうか。
私も頭の中で裸で踊りたい。

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追記
この本、すごく面白かったので、読書会でも2回紹介したのですが、どうも話が弾みにくいです。
紹介の仕方にも工夫の余地があったかもしれませんが、「日常に活かせる部分が少なくコメントのしようが無い」、ということもあったのかもしれないです。

2013年4月9日火曜日

中身とタイトル違いすぎ - 「日本人のための世界史入門(小谷野敦)」



たまには期待外れだった本を紹介します。


最近、本のタイトルでマーケティングをしている本多いですよね。
タイトルと中身が合っていない本が多くて本選びが難しいです。
この本もそんな1冊でした。


この本、タイトルが「入門」なのに、内容が全然「入門」じゃない(体系立った書き方でもないし、初出の用語解説などもない)です。
世界史の全体観をとらえたいと期待して読んだら、かなり期待はずれでしょう。
内容は、とりとめない歴史エッセイです。

しかもこれ、新潮新書です。
単行本ならタイトルでマーケティングするならまだしも、新書でこれをやると、レーベル全体に傷がつくのではないでしょうか。


蛇足ですが、この本は「日本語がグダグダ」という難点もありました。これは、今回のブログのテーマと関係ないので省略します。


私は基本的には面白い本しか紹介しません。本がつまらなかった場合は、黙って読むのをやめて捨てれば良いと思っています。
それに、いちいちつまらない本を紹介していたら、私にとっても、このブログを読んでくれている人とっても時間の無駄だし。

しかし今回は、タイトルでマーケティングしすぎるのは「読者に不愉快な経験をさせる」というメッセージを込めて、ネガティブブログを書きました。

では。

今度からまた面白い本を紹介します。

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1つだけ面白かったこともありました。

歴史の解釈は後付け。偶然起こっただけのこともたくさんある。
例えば、「適者生存」の理屈も怪しい。偶然生き残ったものでもあとから適者だということが出来るから。
まあ、そうかも。