2025年5月30日金曜日

【ポーランドハイライト01】 裏技を当て込んではいけない(アウシュビッツ=ビルケナウ1)

IC(InterCity)の電車


乗ってきた電車


オシフィエンチム駅到着
アウシュビッツ博物館到着

ミュージアムレストラン。結構広い。

タラのフライ

シャトルバスでビルケナウに移動

シャトルバスはドイツ車

ビルケナウ
この線路の上でユダヤ人と思われる団体がハティクヴァを歌っていた。


ビルケナウの監視塔


有刺鉄線と柱

有刺鉄線と柱

柱を拡大するとこんな感じ

返し構造

四隅の柱は頑丈


四隅の柱

有刺鉄線を止める部品

有刺鉄線の奥(内側)にバラックが見える

中にも監視塔


Judenrampe


Judenrampe ここも観光客が次々に来た



旅行記は、基本的には時系列で書きたいのですが、書き切れない可能性もあるので、一番書きたいアウシュヴィッツの話をまず書いておきます。 (一番腰を据えて書きたいところでもありますが、何も書けないのではしょうがないので)


なお、私がアウシュヴィッツについて総合的に説明するのことは出来ないので、あくまで見学で見たものの感想を次々に書いていく感じになります。

あとは、予約に関する話も書いてありますが、公式やツアー会社の説明も見て判断いただくことをお勧めいたします。


見学日は2025/5/7です。この時点の情報と思って、ご参考としてください。


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<クラクフ⇒アウシュビッツ>

さて、今日はアウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所の見学。

朝食を手短にとって出発。

まずは、クラクフ中央駅から、オシフィエンチムまで電車。この電車のチケットは、公式と思われるアプリ(Jakdojade)で買った。

行きはIC(InterCity)の特急電車で座席指定込みで約1,000円(帰りは660円だったので、普通電車ならこの値段だと思われる)。

前の人と膝が当たるコンパートメントタイプの座席。

隣の若者は乗車している約50分の間、ずっとインターネット接続がうまくいかず、パソコンをいじっていた。


ちなみにだが、この電車はクラクフ発でプラハ終点の電車だった。去年このルートを逆走で繋がらないかと調べていて、直通が見つからずやめてしまったけど、多分うまく探せばあったんだろうな。


予定通り、12時過ぎくらいにオシフィエンチム駅到着。ここから博物館まではバス。


<昼食>

で、アウシュヴィッツ博物館到着。

強制収容所見学は、昨年のダッハウに続いて、2年連続2回目。


観光客たくさん。多分ツアーだと思われるシールをつけた人がいっぱいいる。あと多分、修学旅行の中学生、高校生と思われる団体も多数。


ミュージアムレストランがあったので、ひとまず食事を取ることにした。

博物館は大きく分けて2つで、アウシュヴィッツとビルケナウがある。ビルケナウに先に行くのだが、そこまで行ってしまうと食事が取れるかわからなかった(実際ビルケナウにはレストランは見当たらなかった)のと、腹減った状態ではなく全身全霊で見学したかったので。

ポラックなるタラのフライを注文。ポテトもつけた。合わせて1,900円くらい。微妙に話が通じなかったのか、ソースをかけてもらおうと思ったのだが、そのまま出てきてしまった。しかたないので、卓上の塩胡椒をふって食べた。


ちなみにポーランドはユーロを受け付けない店が多い。このアウシュビッツ博物館のような、海外からの観光客が相当いると思われる施設でもユーロの現金受け取りは拒否していた(私ではなく別の客がチャレンジしていた)。


<MANのバス>

昼食後、ビルケナウに向かった。

アウシュヴィッツとビルケナウの間のシャトルバスはMANというドイツメーカーのバスだった。このアウシュビッツでドイツ車を使っているとは意外。案外その辺は気にしないということか(ちなみに、街中も普通にドイツ車は走っている)。

ああ、でももしかしたら、ドイツが国として or MANがCSRの一環で積極的にスポンサーになっている可能性もありうるか。この辺りは調べても分からなかった。


ハティクヴァ

ビルケナウに到着してみると、ユダヤ人と思われる30名くらいの団体がいた。全員男性。見た目みんな大学生くらい。そのうちの多くがキッパというユダヤ教徒の帽子をかぶっていた。何人かは長いほうの辺で1.5mくらいありそうな大きいイスラエル国旗を体に巻いていた(もみあげを伸ばした人はいなかった)。

そして、ビルケナウの有名な引き込み線路の上でハティクヴァ(イスラエル国歌)を歌っていた。

この方達がどのくらいの思いで同胞が110万人殺された場所に来たのか、私には容易には推し量れない。想像で適当なことを言うのはやめておきます。

この方たちが線路上にかなり長時間滞在しており、写真を撮ろうとすると写ってしまうのだが、この方たちを写してしまうのもどうかと思ってしばらく待っていた。


<裏技を当て込んではいけない>

なお、この時点で時刻は13時過ぎ。

私は公式で17時(※1)から予約しており、入場は大分あとなのだが、アウシュヴィッツのチケットを持っていればビルケナウは先に入れるというネットに散見される噂を見て、あわよくば昼から見学したいと思い早めに来ていた。

しかし、実際は私は入れなかった。アウシュヴィッツ、ビルケナウ両方の係員に確認したけど、どっちもダメ。

多少条件が違ったりすれば入れるのかもしれないけど、基本的に公式が明言していない裏技みたいなものを当て込むのはやめた方が良いな。特に自分が絶対に外したくない予定に関しては。そう言う裏技的運用はいつ変わるかも分からないし。

私が早く来たのはダメ元スタンスで、予約はしていたから後で入れるのでまだ良かったけど、あわよくばビルケナウに4時間使うつもりだったので、4時間空きができてしまった。


でも、早い時間に来たおかげで、先ほどのユダヤ人の団体を見られただけでも良かったとするか。後でもう1回ビルケナウに来た時はもういなかった。


<ビルケナウ外観>

さて、ロジスティクスの失敗に若干落ち込んでしまったが、気を取り直して、見学に集中します。

せめて4時間を有効に使うべく、まずビルケナウを外側から見学することに。


同じようなバラックがたくさん立っていて、監視塔がたくさん立っていて、有刺鉄線で囲われている。

去年見たダッハウ強制収容所よりも相当大きそう。調べたところ6倍~9倍くらい面積あるらしい(時期やどの施設まで含めるか、考え方による)。

あと、印象的なのは中の収容用のバラックだけではなくて、監視用の塔もたくさんあるということ。ざっと数えただけでも一辺個以上あるのでは。それでも50メートル以上間隔が空いているだろうから、脱走を防ぐにはこれくらい必要だったということか。

これだけの巨大な施設を人を殺すためだけに作ったとはね。建設しているときにドイツの現場レベルの兵士等で疑問を持っている人もいたんじゃないのかな。 ちなみに中にはそれと違う監視塔がある。これは脱走の監視というよりは、労働状況の指示・監視のためだろう。


ダッハウの時もそうだったけど、強制収容所の近くは緑が豊かで、収容所を度外視すればどのかな雰囲気で、鳥とかが鳴いている。


<有刺鉄線>

有刺鉄線も外から見られた。

・ 外壁というものはなく、コンクリートの柱が3メートルおきくらいに立っていて、それを有刺鉄線で巻いてあるという構造。四隅の90度二つの方向から引っ張られる柱だけ強度のありそうな太い柱になっている。

・ 穴を掘って抜けられないためなのか、下の部分だけはコンクリートで固められている。有刺鉄線は二重になっている。1~2本切れば脱走できるという感じではない。

・ 有刺鉄線の上部は返し構造になっている。

・ 有刺鉄線を効率的に取り付けるための器具が柱に埋め込んである構造

・ しかし、これほど脱走を防ぎたいのであれば、高い壁にした方が良さそうではあるが、そうするとコストが嵩むからやらなかったのかな。

・ それにしてもリアルな有刺鉄線が完全にむき出しで張ってあるので、あまり夢中になって見ているとひっかいて怪我しそう。注意して見学する方がいい。


ということで、中に入れない時間が長かったので、外から見学できる有刺鉄線について考察を深めてしまった。ちょっとやりたいことと違うけど、まあしょうがない。もしアウシュヴィッツの中にも同じ有刺鉄線があったら一瞬で理解できるだろう。


せっかくだからビルケナウの外周を1周しようと思ったけど、車道に囲まれており、歩きやすい道がなかったのでやめた。

ずっと外にいたらなんか手がひんやりしてきた。


<Judenrampe>

Judenrampe。意味としては「ユダヤ人のプラットフォーム」。

ビルケナウの入り口から500mくらいのところに、貨物車からユダヤ人を下ろして選別した場所がある。当時はオシフィエンチム駅から線路が繋がっていたらしい。

しかし、ビルケナウ本体にも線路は引き込んであるから、ビルケナウが拡張した後はこれは使わなくなったということなのかな。ここは博物館の外で説明も少ししかないのであまり判然としなかった(※2)。

僅かにある説明は、表記がポーランド語と英語とヘブライ語。


今度はここでドイツ人と思われる団体がずっと騒いでいて、人が写ってない写真を撮るのが難しかった。ここに限らず、アウシュビッツ・ビルケナウ付近は基本的に人は途切れないので、途中からはクリーンな写真は諦めて、記録用にQuickに撮ることに徹した。


だいぶ冷えてきたので、一度アウシュヴィッツのレストランに戻って休憩することに。

随分広々していて快適なレストランだと思ったけど、修学旅行と思われる中学生くらいのの団体が来て一気に激混みに。そういう団体を受け入れるために広々した作りなんだな。


長くなってきたのでここで一旦区切ります。


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※1)

私が予約したのはガイド無しの"Tour for individuals without an educator" の枠。申し込んだのは20日前くらいで、この日は枠が3つくらいあったけど、そのうち一番早いので17時。前後の日はもう枠は無かった。アウシュヴィッツに来たいなら早めに予約するほうがいい。


※2)

後から調べたが、やはりJudenrampeはビルケナウへの引き込み線路が完成してからはあまり使われなくなった模様。


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追記)

ご参考に、ハティクヴァの音源があったので貼っておきます。




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