少年・少女期のunfinished business(飛鳥涼風に言うと、抱きしめそこねた恋や夢)が、成年期以降にも影を落とす、というのは村上春樹の小説の中でも何度か出てくるモチーフですね。
そういうunfinished businessをなんとかFinishさせる生き方がいいのか、それとも割り切って日々の生活を送っていくのか、どっちがいいのかはわかりませんね。
著者もどっちが良いとかは言っていない(というかどちらの立場の人物も出している)ようです。
思いがけず、これを読んだあと、子供の頃のことをよく思い出しました。生きている間に、ものすごくいろんな判断をしたり、もしくは判断を留保して様子を見ているうちに時期を逸したりしている、ということがよくわかりました。
今回も、村上得意の長い小便を出すシーンがあります。
このほかおもしろかったのは、こんなところです。
・ 一度に三つの案件を処理するのは容易ではない。そこには必ず優先順位が生じる
・ 大事なものを手に入れるには、何か対価を払わなくてはいけない⇒状況が入り組みすぎて、何が大事なもので何が対価かわからなくなった
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