2012年6月26日火曜日

<読書感想>フリーズする脳―思考が止まる、言葉に詰まる(築山 節)






「・・・あれ?何するんだっけ?」という感じで、思考に空白が出来るという現象。
それにどう対処したら良いか。
そんなことが書いてあります。

ネット・ITだけの話ではないですが、これらはかなり危ないとされています。
ネット・ITを使いまくっている私には、かなりツボでした。




では、面白かったポイント4点

1.「検索」しすぎると思い出せなくなる
2.長文を組み立てろ
3.活動はマルチにしろ
4.音読と散歩が良い訓練


では順に、要約と感想を書きます。

1.「検索」しすぎると思い出せなくなる

(要約)
人間の脳の機能のうち、コンピュータ等、他のものに代替されがちな機能は衰える。
特にコンピュータの検索機能により、人間が「思い出す」という機能(頭の中から検索してくる機能)の衰えてしまっている人は多い。

(感想)
なるほど。
私自身にも思い当たる節あり。
まずは自力で思い出すことを心がけます。


2.長文を組み立てろ

(要約)
近年は、パソコン上で短文でやり取りする時代。
慣れると、パターン化した反応だけでやり取りが出来てしまう。これだと脳の高次機能を使っていない
自分で文章などを再構成するときに脳の高次機能が使われる。
脳の高次機能を使わないと、脳がフリーズしやすくなるし、やる気も無くなる。

(感想)
ツイッターの流行を経て、会社で上司に対するメールも短文が許される時代になった感じがします。
私もパターン化した反応でメールのやり取りをしていることが多々あります。
ビジネスにおいては、文章は簡潔であることが求められますが、「パターン化した反応」だけになるのはまずそうですね。
私生活のアウトプットも、時代の流れに逆行して、つぶやくより長文を増やそうかと思いました。


3.活動はマルチにしろ

(要約)
受験勉強に集中するために、会社を辞めたことで、かえって勉強に集中できなくなるという事例が多々ある。
一つのベクトルだけに向かうというのは案外難しい。
多数の活動を持っているほうが、その一つ一つに集中できるということがある。

(感想)
最近異動が続いて、そのたびに異動先の業務を覚えることに集中してきました。
基本的には、アフターファイブも異動先で役立つ勉強をしていました。
しかし、いまいち効果が上がらない感がありました。
もしかしたら、もっといろんな活動を混ぜるほうが良いのかもしれないですね。


4.音読と散歩が良い訓練

(要約)
脳の高次機能を訓練するのに、音読と散歩は良い。

(感想)
思い起こせば、昔散歩しながら英語の音読(暗唱)をしまくっている時期がありました。
最盛期は1日1時間以上していました。
そのころは確かに今よりも格段に頭が冴えていました。
音読再開します!


以上、ポイント4点でした。

脳の本というのは、研究者によって研究のポイントが違いますね。
茂木健一郎や池谷裕二を読んでいる方にも新しい発見があると思います。

2012年6月24日日曜日

<IT>生産管理システムはコックピットを見習え - プロジェクトを必ず成功させる 生産管理システム構築のすべて (北村 友博)


いくつか読んだ生産管理システムの本の中で、この本が一番理解しやすかったのでご紹介します。

一番面白かった考え方は、

生産管理システムは、コックピット、もしくは野球のスコアボードを見習え

という発想です。

コックピットは、「高度」「位置」「速度」「天候」「方向」等が一目でわかるようになっています。
状況を把握するのに必要な指標がタイムリーに一目でわかるようでないと困るのです。
スコアボードも、状況を把握するために厳選された情報が一目でわかるように並んでいるという点で同じです。

これらと同様に、工場を管理するシステムでは、「受注」「購買」「生産」「販売」「在庫」の状況が、一目でわかるように情報を吸い上げられるのが理想です。

各機能別に要件を把握していると、最終的に経営者や工場長に的確なレポートを上げられることに価値があるということを忘れがちです。
これは心に留めておきたいと思いました。

テクニカルな本なので、細かいこともたくさん書いてあります。
というかそっちのほうがメインです。
興味ある人は読んでください。

2012年6月23日土曜日

曖昧な気持ちでは宇宙に行けない - 宇宙兄弟、18巻


宇宙兄弟の最新刊が出たので早速読みました。
この漫画、感動しちゃいます。

  • 宇宙飛行士としての課題を乗り越えるヒビト(主役の弟)
  • それを近くからも遠くからもサポートする人たち
  • 不治の病にかかりながらも宇宙天文台の建設プロジェクトに懸ける博士
  • 宇宙飛行士になってその天文台建設を実現させようとしているムッタ(主役)
  • その主役を待ち受ける新たなトレーニングと、他の宇宙飛行士

という感じで、宇宙に関わる様々な人が登場するのですが、みんなあついです。

曖昧な気持ちでやっている人が出てきません。
(実際にそういう人がいるのかは分かりませんが)
みんな、「月に行く」「天文台を建設する」「無重力空間で新薬を開発する」みたいな強力な目標を持っています。

「目標に向かって突き進むだけが人生ではない」
とは思うものの、この漫画を読むと、目標に向かって突き進みたくなります。

先のエントリ
定石の無い30代をどう生きるか - 30代で逆転する人、失速する人 (千田 琢哉)
で、ハイテンションな自己啓発書は常備薬みたいなものだと書きました。
自己啓発書が、頭に訴える常備薬なら、こういう「ええ話」的な漫画は心に訴える常備薬みたいなものでしょうか。

今後の展開も楽しみです!




定石の無い30代をどう生きるか - 30代で逆転する人、失速する人 (千田 琢哉)



千田 琢哉氏の本を読むのは、6~7冊目でしょうか。。
正直、似たようなテーマの本も以前読みましたが、本書も手に取ってしまいました。
やる気を維持したり、ネガティブなことを考えすぎないために、こういう本を時々読むのは役立ちます。常備薬(もしくは栄養ドリンク)みたいなものです。

長期的な視点で成長するために30代をどう生きるか、77個のヒントが書いてあります。
入社したての20代と違って、30代の成長方法というのは、あまり定石が無く、やりようは無限にあるのだと思いますが、著者の発想が色々書いてあります。
基本的には、この著者は、「アクションをしまくって成長しろ」というオラオラ系です。

私にとって面白かったこと、2点ご紹介します。

1.セミナー等では100個質問したいことがあっても質問は1つだけにしろ
2.30代の10年間バカにされ続けろ

では順に見ていきましょう。


1.セミナー等では100個質問したいことがあっても質問は1つだけにしろ。


この心は・・・
100個から1つ選ぶから、その1つが密度が高くなる、ということ。
一番良いものだけ残す。
断捨離的な発想ですね。

なるほど。
例えば、「3点質問があります」みたいなことも、なんかかっこいい感じがするので言いたくなりますが、そういうとき「1つに絞れないか?」と考えるのは使えそうな発想ですね。



2.30代の10年間バカにされ続けろ

この心は・・・
成長する人は、常にチャレンジングである。
自分にとって難しいことを常にしているから、バカにされることも必然的に多くなる。
逆に自分に出来ることしかしないひとはバカにはされないが、成長も無い。

なるほど。
私も、感想等を書きにくい本屋映画等はついブログに書かないことを選択してしまうのですが、扱うのが難しい作品ほど、ブログを書こうかな・・・


というわけで、著者が「大事なところにフォーカスしろ」という考えを持っているので、大事なところを3点ではなく2点紹介するにとどめてみました。
本によりますが、「1点だけ」紹介するという技も今度使ってみたいです。

それでは。



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追記

私はあまりテンションが高い方ではありませんが、こういうハイテンションな自己啓発本を定期的に読みたくなるというのは、やはりテンションの高さへのあこがれみたいなものがあるのかな・・・

2012年6月22日金曜日

期待以上に分かりやすい「知らないと恥をかく世界の大問題3(池上 彰) 」




目次はこれ

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●世界中の民衆がモノを申し始めた
●アラブに春は来たのか?
●日本が無視できない3つの“独裁"国家
●揺らぐ資本主義。新リーダーはどうたて直す?
●震災、原発事故後の日本は内憂外患のまま
●浮上してきた新たな国
●エネルギー、人口、温暖化問題が深刻に
●私たちが進むべき道?情けは人のためならず?
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アラブ、北朝鮮、EU、原発、エネルギー問題など、気になる国際情勢問題をわかりやすく解説しています。
期待以上にわかりやすく、国際情勢に疎い私にぴったりの本でした。
池上彰の国際解説がこれほど面白いとは思っていませんでした。

世界は思い切り損得勘定で動いているということが良くわかる1冊でした。

(そういえば、国際社会が損得勘定で動いているという話は、以前、次のエントリでもご紹介しました)
世界はWin-Winなど志向していない?-世界インテリジェンス事件史 [単行本] 佐藤 優 (著)


私なりに面白かったポイントは次の3つ。

1.石油が出ないシリアなら内戦していても国際社会は介入してこない
2.日本はアメリカとの交渉は結構経験している。しかし中国に同じやり方は通用しない。
3.技術の進歩でエネルギー地図が描き変わる。戦略が必要。

以下、一つずつ簡単に要約します。


1.石油が出ないシリアなら内戦していても国際社会は介入してこない

リビアで内戦があった時、NATO軍は住民保護の名目でリビアに介入した。リビアは石油が出る国で、ロシアや中国と友好関係にあった。もし現ガタフィ政権が倒れれば、欧米にもチャンスが出てくるので、反ガタフィ派を支援した。
これに対して、シリアで内戦があった時には介入しなかった。
シリアは石油が出なく、経済的見返りが無いからである。


2.日本はアメリカとの交渉は結構経験している。しかし中国に同じやり方は通用しないだろう。

例えば、
・ 1950年代、日本の繊維が世界を席巻したときの、アメリカとの輸出交渉
・ 日米貿易摩擦時の自動車についての交渉
など、日本はアメリカとの大きな交渉を経験したことがある。
しかしこれからは中国と交渉する時代。性善説に基づかない交渉を学ばないといけない。


3.技術の進歩でエネルギー地図が描き変わる。戦略が必要。
日本の原発事故で、世界中でエネルギーへの関心が高まっている。
原発を止めた場合、短期的には火力発電を増やすしかない。
アメリカは、シェールガス採掘技術により、今後100年分くらいの天然ガスは確保した。
日本にはシェールガスはないが、日本列島周辺のメタンハイドレート採掘技術を実用化させるなどの方向がありうる。

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以上要約でした。

私は営業職でもなく、社会問題について詳しいメリットもあまり感じたことないので、時事解説本はだいぶ遠ざかっていましたが、こういう本もそろそろ読む時期が来たような気がします。
あまり無教養な人間は魅力ないですからね。
ということで、魅力的なレビューを書こうと思ったのですが、大学のレポートを書いている気分になってきました。

今日はこのへんで。

2012年6月16日土曜日

新幹線の小宇宙



皆様は、新幹線にはどのくらいの頻度で乗るのでしょうか?
私はここ数ヶ月、新幹線に乗る機会がものすごく増えました。
新幹線の中って、独特の空間ですね!

もちろん慣れてる人は特に何も感じないでしょう。
私もだんだん感動は無くなってきました。
しかしせっかくなので、忘れないうちに、メモを書いておきます。

私が感心したのは次の3点

1.新幹線の中の飲酒率の高さ
2.新幹線の中のIT機器利用率の高さ
3.新幹線の本数の多さ


では順番に




1.新幹線の中の飲酒率の高さ

夜の新幹線は、酒を飲んでいる人が多くて、最初見たときは驚きました。
まあ、出張が終わった後の一杯が格別だというのは分かります。

2名以上で新幹線に乗って、車内販売が通るたびに酒を買って、飲み会さながらになっている人たちもいます。
女性雑誌を2冊ほど持ち込んで、一人で酒を飲んでいる、出張の達人みたいな女性もいます。
(女性の独り酒は新幹線以外ではあまり見たことがありません。もちろんあるタイプの居酒屋に行けばいるのでしょうが)

尚私は、労働時間外に移動するときは、ずっと本を読むので、酒は飲みません。
新幹線の中での読書については、普通の電車とは揺れ方が違うせいか、最初はすごく疲れましたが、すぐ慣れました。



2.新幹線の中のIT機器利用率の高さ

昼はIT機器を使っている人がものすごく多いです。
PC、タブレット、スマートフォン、何でもあります。
新幹線に乗る層というのは、平均よりはITを駆使して忙しく仕事をしているビジネスマンが多いでしょうから、納得と言えば納得です。
私も労働時間内に移動するときは、大体パソコンを使って仕事をします。


3.新幹線の本数の多さ

新幹線の中の話ではないですが、その本数にも驚きました。
一番忙しい時間は、山手線に準じるくらいの本数が走っているのではないでしょうか。
これが、朝・夜はほとんど満席になるのだから、みんなたくさん出張しているんですね。
感心します。


ということで、田舎者のメモのような感じになってしまいましたが、新幹線に乗って感心したことでした。
数年後の様子と比べてみたいです。


最後に、完全に余談ですが、アーモンドチョコレートを半分くらい食べて、写真のような感じで蓋を開いて新幹線のテーブルに置くと、ずーっと「カタカタ」言っています。
興味ある人は試してみてください。

復習はすぐしろ - 脳が冴える勉強法(NHK出版新書)築山 節 (著)




新幹線の中で読みました。

脳を覚醒させ、効率よく勉強をするヒントがたくさん書いてあります。
私なりに抜き出したポイントは3つ。

1.復習はすぐしろ
2.惰性でやっていることはやめろ
3.ちゃんと休め


上記3点が、私にとってなんか良いアドバイスでした。
20代の前半くらいまでに、勉強法の本はたくさん読んだので、すごく新しい知識だったということではないですが、
31歳になった今、20代の前半とは、生活リズム、体調、記憶力等が変わっているので、勉強するための注意点も変わったのかなと思います。


では、順に見ていきます。


1.復習はすぐしろ

復習を何度もすると記憶が強化されるというのは、有名な話だし経験的にもわかりやすいことですが、「復習はすぐにしないと意味が薄くなる」とのこと。
学生のころは、勉強する時間がたくさんあったので、本1冊を1日くらいで読んで、翌日復習というようなこともできました。
しかし今は仕事をしながら勉強しているので、本を1冊読むのに2週間くらいかかることもあります。
それでまた本の最初に戻るというのは、少々時間が空きすぎです。
本1冊丸ごとを繰り返すのではなく、章ごとに復習していくのが、忙しい社会人に会った勉強法のようです。





2.惰性でやっていることはやめろ

勉強法についての直接のアドバイスではなく、時間を捻出するためのアドバイスです。

惰性でやっていることというのは、実は「ストレスからの逃避」という面が大きい。しかし惰性で何かを続けていると、それ自体がストレスの原因となる。
このような悪循環が生まれてくる。
といったことが書かれています。

惰性でやってることって、私自身、色々思いつきます。
とりあえず思いつく順に止めてみることにします。
確かに結構時間が捻出できるかもしれない。




3.ちゃんと休め

ちゃんと休むほうが勉強がはかどります。
スミマセン、そのまんまです。
しかし、最近これができてないです。
多分、2の惰性でやっていることに時間をとられているからだと思います。
自分への戒めとして、3つ目にあげました。



昔よく読んだタイプの本を改めて読むのには少々ためらいがありました。
しかし、冒頭に書いたとおり、数年たてば自分が変わるので、同じような本を読んでも新たな発見がありますね。