2012年8月2日木曜日

<読書感想> 昭和史 1926-1945(半藤一利)



昭和1年から、昭和20年(終戦)までの歴史が、文庫本約500ページで描かれています。

昭和の通史でこれだけ詳細なものは初めて読みました。
日本が戦争を拡大していき、敗戦するまでがよくわかります。


いやー、私はこれを読んで反省しました。
私って、全然日本史をわかっていなかったんだな、ということで。




感想・・・

日本史を学ぶと、日本人のメンタリティが良くわかる。
これが作者の考えのようですが、確かにそうだと思いました。
ラストで、昭和史から学んでほしいことを、作者が5点にまとめています。
(500ページ付近に)

私なりにさらに要約するとこうです。


1.空気に流されてはいけない
内紛を避けるために戦争を始めてしまったというところがある)
2.都合の悪い事実・情報を無視してはいけない
ドイツは勝つ、ロシアは攻めてこない、という都合の良い思い込みにより見当違いな戦略を策定してしまった
3.小集団エリート主義はやめろ
軍部が絶対的な権力をもったのが良くなかった
4.国際常識を持て
降伏文書調印の手続きがうまくできていればシベリア抑留は避けられたかもしれない
5.大局観を持て
Quick Winを求める対症療法的な発想で、戦争がどんどん不利になっていった

作者は、昭和の日本では1~5が出来ていなかったと言っています。
これが全部日本人特有のメンタリティに起因しているかは疑問はありますが、私も心当たりあることは多いです。(というか、3以外は心当たりあります)
自分がこれまで思っていた以上に、自分自身が日本人的メンタリティを持っているということがわかりました。
学生の頃、自分の心を知りたく、心理学の本などをたくさん読んで、それなりには役立ちましたが、日本史も勉強すればよかったな。
日本人のメンタリティを学ぶことで、自分を相対化できるということは十分ありそうです。

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