2016年11月28日月曜日

楽園のカンヴァス(原田マハ)



面白い。
最近面白い小説に当たっていなかったので、久しぶりに良かった。

アート×ミステリーというのは初めて読んだ。
というか、「ミステリー=殺人」とは限らないんですね。
アート好きとしては、アートの話も面白かった。
自分の趣味に関わる小説を読んで世界を広げていくのもありだと思いました。
アート系の小説ももっと読んでみたいと思ったし、冒険系、山、ビジネスなどの小説も読んでみたい。

画家の情熱、そして勇気を持って過去を壊すことで、新しい表現を生み出してきた、という話が刺激的。
小説ってのは、こういう風に時に刺激的である。
情報を効率的に得るには教科書的な説明文を読めばいいと思うけど、刺激とか、インスピレーションを得られるという意味で小説も捨てがたい。
今の時代「情報」だけ得てもしかたなく、自分がやりたいこと、インスピレーションなどと情報がかけあわさって、アクションが生まれてくるわけで。
最近「効率」に囚われすぎない、ということが一つのテーマだけど、これも「効率」だけ求めても得られることは限定され、かえって効率が悪くなるということの例だと思う。

しかしこの著者、ゆるい恋愛小説専門なのかと思ったら、かなり違ったジャンルの小説も書くんだな。
MoMAの勤続経験があるというのがものすごい強みとして効いている。
そして、伊藤忠に勤務していたということも書かれているから、かなり頭脳も明晰なんだろう。

この著者で掘り下げてみたいとも思い、「暗幕のゲルニカ」まで買ってしまいました。これも楽しみ!

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