筒井康隆という小説家は、「時をかける少女」のイメージが強く(というかそれしか知らなく)、そういう青春交じりの作品ばかり書いているのかと思い込んでいましたが、そうでもないみたいですね。
人が考えていることを読み取る能力をもった主人公七瀬(この名前に何となく時代と感じる)が、お手伝いさんとして8つの家族のもとを転々とし、そこでの七瀬の観察を通してその家族の様子を描くという話。
人間関係のダメになった家族が多数出てきていて、少々悲しい気持ちになりました。
テレパス能力を使って人々の心模様が描かれているのですが、よく文章でここまで表現できるな・・・と感心してしまいました。29歳の感想とは思えませんが、最初に思ったのはそんなことです。
小説を読んで、いつもと違うものの見方をしたり、いつも考えないことを考えるのはいいことですね。
即効性を求めるとどうしてもビジネス書ばかりに手が出てしまいますが、長いスパンでみると、時々小説くらい読むのはいいことのような気がします。
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