著者は高野秀行。
辺境作家。
「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットーとのこと。
本書では、その著者が日本にいるときどんな生活をしていたのかがわかります。
二十代〜三十代の11年間を過ごした、家賃一万二千円のボロアパートでの青春。
- 眠り疲れてまた眠る、永久睡眠法
- 謎のキノコで意識不明になる
- 三味線で客寄せをしつつインチキ占い師になる
- 隣家に住む奇人変人
- 怠惰な生活をしすぎて、段々人間が腐っていく様子
などが描かれています。
これだけ読むと、この著者がどうして作家になれたのか、全然分かりません。
辺境のルポのほうを読むと、ちゃんと身体を張って、時に生死ギリギリのところで仕事をしているのが分かります。
(これだけのことをやっても、売れだしたのは最近というのだから、作家の世界で売れるのは大変ですね)
思うに、この人は、ワセダに怠惰なグダグダな環境を持っていたからこそ、世界の辺境に出かけて仕事をすることが出来たのではないかな。
一つ極端なワールドを持つと、もう一つバランスを取るためのワールドが必要になる、というのは感覚的にはある気がします。
逆に考えると、小さくまとまった日常生活に、極端なものを1つ取り入れるというのは、全体のバランスが悪くなりそう。(人間「変われない!」という時はそういう力学が働いているのかもしれないです。)
最近、自分の生活が小さくまとまってしまっているので、この人レベルまでは行かなくても、もう少し振れ幅の大きい生活に変えていこうと思いました。
尚、本書の最後に、この著者と良い関係になる女性が現れるのですが、その方が後の奥さんらしいです。
ええ話!
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