2012年10月13日土曜日

ポピュリズムは民主主義につきもの? 「池上彰の政治の学校」


票集めに躍起になっている政治家と、青い鳥を追い求める国民。民主主義政治につきものの現象「ポピュリズム」
(池上 彰)

相変わらず、池上彰の本は(私のような)初心者に優しいですねえ。

この本、池上彰が、政治を理解するためのポイント、例えば、「政党とは何か?」「国会とは何か?」「官僚とは?」「ポピュリズムとは?」、といったことを、を簡潔に解説しています。

網羅的には説明しないが、ニュースを理解するためのツボを突く。毎度のことですが、この方は、このようにツボを突くのがうまいなあ、と思います。


この中から、今回は「官僚」の話、「ポピュリズム」の話を、します。



<官僚>

個人的に面白かったのは、「官僚」の話です。
官僚とは、○○省などに勤めていて、国家の政策・予算などの意思決定に大きくかかわる公務員のことです。

メモとしては・・・
・ 天下りは、官僚の新陳代謝を促し、常に官僚に優秀な人間を置いておくために一定の効果がある
・ 官僚は、政治家に政策の叩き台を提供することで、陰で政治を動かしている
・ 日本の官僚は、世界的に見たらとても優秀。例えばアメリカの場合は、政治家サポートのために民間から優秀な人を招へいする
・ 官僚はスケープゴートにされることが多いが、基本的には国のことを考えて動いている

なるほどねえ。
少し官僚のイメージが変わりました。
この視点から、官僚が出てくるドラマ(「官僚たちの夏」とか、「不毛地帯」とか)をまた見たくなりました。




<ポピュリズム>

本書全体としては、政治、特に日本の政治が極端なポピュリズムを見せているという問題を指摘しています。

「ポピュリズム」とは、この本を参考にまとめるとこのような感じです。
衆愚政治と訳される。
民衆の支持・人気を得られる政策を実行するという政治思想・政治姿勢のこと。
大衆の意見を代弁する政策をするのだから、一見良いようだが、大衆は必ずしも政策を理解していないし、長期的な視点を持っていない。
この結果、短期的視点に立った政策や、一見ハデで良さそうだが効果のない政策などが取られがちになる。

確かに、最近の総理大臣を見ていると、この危うさを思い切り感じます。

本書では、主に日本の政治を例としてポピュリズムを解説していますが、ポピュリズムは民主主義につきものであり、海外の政治も同様の傾向を見せているそうです。

なるほど、日本の政治家は最悪なのかと思っていましたが、ポピュリズムについては、特別日本だけが悪いのではなく、世界中の民主主義国が対処しなくてはいけない課題ということかもしれないですね。

ということで、政治に疎い私としては勉強になりました。

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