2012年10月22日月曜日

ブルー・オーシャンは見つけるものではなくて作り出すもの 「ブルー・オーシャン戦略」のまとめと感想






血みどろの戦いが繰り広げられるこの既存の市場を「レッド・オーシャン」と呼ぶのなら、いま企業が目指すべきは、競争自体を無意味なものにする未開拓の市場、「ブルー・オーシャン」の創造だろう。(「ブルー・オーシャン戦略」)


ずっと読んでみたいと思っていた、「ブルー・オーシャン戦略」を読みました。
まず根本的な勘違いをしていたことに気付きました。
「ブルー・オーシャンは見つけるものではなくて作り出すもの」である、ということ。
(もしかして、この勘違いをしていたのは私だけ?)

結構細かい手法が書いてありますが、結論は、
これまで業界には無かった競争要因を付け加えて、新しいバリュー(顧客にとっての価値)を創造することで、ブルー・オーシャンを創造できる。
また、従来の競争要因の一部を無視することでコストを削減する。
です。
バリューとコストをコントロールするドライバーとして、競争要因に注目するということですね。
逆に、「とにかく精度を上げろ」といった品質向上で価値を作り出したり、「とにかく切り詰めろ」みたいなコスト削減は、バリューとコストのバランスがいつまでたっても取れない(レッド・オーシャンから抜け出せない)ので駄目だということです。

例えば、シルク・ドゥ・ソレイユというサーカスは、従来あった競争要因「動物ショー」「花形パフォーマー」等を無くすことでコストを削減し、変わりに新たな競争要因である「快適なテント」や「芸術性の高い音楽やダンス」を付け加えることで、新しいバリューを作り出し、ブルー・オーシャンを創造した、とのこと。

他にも例がたくさん載っており、読んでいて面白いです。
ブルー・オーシャン戦略の概要説明はたくさん出回っていますが、直接読むに値する本だと思いました。

なお後半は、新しい事業を既存の組織に根付かせるための手法(一種のチェンジ・マネジメント)まで解説しており、ブルー・オーシャン創造から実際の導入までの手順書のように使える本になっていますが、逆に後半はオリジナルな内容はあまりないと思います。
既にそういうことに詳しい方は、前半の、ブルー・オーシャンを作り出す部分だけご覧になったら良いかと思います。

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