2023年10月7日土曜日

【旅】世界は放浪できる場所じゃなくなった(インフレ/情報化/オーバーツーリズム)

ここ最近バンコクやホーチミンに行ったことで(&その準備調査をしたことで)、世界は放浪して楽しむ場所ではなくなったと言うことを感じました。
理由は以下3つ。
(1)インフレ、(2)情報化、(3)オーバーツーリズム
です。順に見ていきます。

(1)インフレ
昔は、日本の1/10の価格で寝泊まり・食事が出来るみたいな、モロ発展途上国みたいなのが結構たくさんありましたが、最近そういうのは減ってきています。昔は滞在費が激安な旅行先として人気があったタイ・ベトナムでさえ、それなりに金かかりますからね。
むしろ、日本は安い国になってきているので、寝泊まりするのに日本の3倍くらいかかると言う国だってあります。アメリカとかアイスランドとか。
昔は金を使わず何か面白いものに当たるまでブラつく(放浪)と言うスタイルが成り立ちましたが、今は目的を定めず放浪すると、面白いものに当たる前に金がなくなります。
例えば日本のと物価が同じ程度の国で、ホテル1万円、食費や移動で1日1万円だとすると、ぼんやり過ごしても1日2万円かかりますからね。3倍かかる国だとして、ぼんやり過ごしても宿代+食事代で1日6万円かかります。
言い換えると、航空券と滞在費のバランスが変わっていると言うことなんですよね。昔ならアジアに飛んでしまえば後は金が掛からないからその中で何か見つける、が成り立ったのですが、今は飛んでからも金が掛かります。
なので、限られた予算で見るべきものを見るには、飛んでから偶然出会うことへの期待を減らして、ある程度狙いを定めて組んで行く方が合理的にになってきます。

(2)情報化
昔は、レストランにしても博物館にしても、歩き回って自分の目で見て良さを判断する以外やりようがなかったわけですが、今はGoogleの星が充実しているし、実際評価が高いところに行く方が大体満足度高いです。
先日のバンコクでもホーチミンでもGoogleの星を頼りにレストランを決めていきましたが、過去にないレベルで食事は充実しました。
ホテルも、同様にGoogleの評価で当たりをつけて、まあまあ満足できるところに泊まれました。
博物館も、満足度は大体評価の通りと感じます。

(3)オーバーツーリズム
最近は、中国人・インド人の中産階級が激増していることもあり、一昔前と比べて有名どころは観光客がものすごく増えています。しかもまだまだ増えます。
なので、予約無しに行ったところで中に入れない/乗れないは普通にあります。
先日旅行代理店の人から聞いたのですが、今はマチュピチュなんてフラっと行っても入れないらしいです。それを知らず麓の村で足止めされて結局諦めて帰る人も多いとのこと。
バンコクやホーチミンでは、そこまでクリティカルなことはありませんでしたが、一部レストランは、中国のSNSでバズったらしく、店の外まで大行列になっており諦めました。
まあ、私は特定のレストラン一点狙いしてバンコクなりホーチミンにいったわけはないので、別のレストランに行くのでも諦めが付きますが、マチュピチュの麓まで行って登れず帰ってくるのは厳しいです。
国内でも同じですよね。立山とかだって外国人であふれかえっていてロープウェイになかなか乗れない日なんていくらでもある。
前もって(場合によっては数ヶ月とか)行き先を決めて予約しておかないと入れない場所がある、つまり放浪ではたどり着けない場所が多くなっていると言うことです。

以上、三つの理由から、世界は放浪するのに向かない場所になってきたということを感じます。
放浪だからこそセレンディピティが期待できるし、ドーパミンも出るというのは分かりますが、私の場合(幸い)旅の目的のメインはそれではなく、知らない場所を見てみたい・どういう風になっているのか知りたい、ということなので、放浪がメインでなくても成り立ちます。
と言うことは、今後は旅の放浪度を下げて、狙いをそれなりに定めた旅を中心にしていこうと思っています。

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追記
ちなみに「狙いを定める」というのは、ギシギシに予定を詰め込むと言うことではないです。
狙った場所に行く前後にバッファは作っておいて、そのバッファで偶然の出会いでも楽しめば良いかという感じです。

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