2012年10月29日月曜日

プレゼンテーター自身を売り込むシンプルプレゼン



先々週から、「iPadプレゼンセミナー」というのを受講しています。
全5回のうち2回が終わりました。

実はiPad自体にはそれほど興味が無かったのですが(一応持ってるけど)、会社がPowerpoint文化になってきたので、スライドを使ったプレゼンテーションの技を増やしたく受講しました。

本講座で推奨しているプレゼンテーションのスタイルは「シンプルプレゼン」
スライドには大量の文字を書かずに、1行とか、3行しか書かない。残りはプレゼンテーターの喋りで話を進めていく、というやり方です。
例えば、スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションは、スライドがものすごくシンプル。例えばiPhoneの写真を1つ映したまま、ジョブズがベラベラ喋ります。主役はあくまでジョブズ。
これに対して、日本の企業で多いのが、スライドに説明文書をガンガン書くやりかた。主役はスライド(=説明書)。

(動画はジョブズがiPhoneを紹介するプレゼンです。最初の3分10秒くらいまでが特にかっこいい。)

面白いと思ったのは、前者の「シンプルプレゼン」はプレゼンテーターが主役なので、プレゼンテーターごと売り込めるということ。
そういえば、ジョブズもプレゼンテーションで名をあげましたよね。
スライドを主役にするのではなく、あくまで主役はプレゼンテーター。
なるほど、個人を売り込むのには使える考え方かもしれないし、これならiPad関係なく応用できますね。

私の勤め先では、プレゼン資料はどちらかというと説明書なので、会社で全スライドをこのように作るのはハードルが高いですが、プレゼンテーションの途中で2~3枚混ぜることは出来そうです。きっとメリハリがついて良いだろうと思います。

今度やってみよう。
新しい技を身につけるのは良いですね。

ちなみに、受講しているうちにiPad自体の面白さにも気付いてきましたが、それは多分また今度。

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なお、このセミナーは、去年「スピーチ・プレゼンセミナー」を受講したのと同じ、日本プレゼン・スピーチ能力検定協会の講座です。

2012年10月28日日曜日

村上春樹仕事術(2) どうやって次のレベルに進んでいくか



(「神の子どもたちはみな踊る」という短編集を書いたとき)
とにかくこの連作では、三人称で、人物にみんな名前をつけて、各編違う登場人物で、地震という統一テーマで、一週間か二週間で一本書いてやろうと最初に決めてとりかかった。
(村上春樹)


村上春樹は、常に自分の表現の幅を広げることにチャレンジし続ける。その幅を広げていくやり方が面白いです。

村上春樹の主戦場は、長編小説。これは本人も言っています。
しかし、村上春樹は短編も書きます。
短編を一種のエクササイズ・実験場ととらえているのです。

例えば、村上春樹の小説は、一人称(有名な「ぼく」)で書かれていたのですが、村上はこれに表現の限界を感じていました。人物に名前をつけて三人称の小説を書きたいと思っていたのですが、長編でいきなりそれをやるのは難しい。そこで、冒頭に引用した通り、短編で人物に名前を付けて書くトレーニングをします。
こういうことをしたうえで、長編に応用していくのです。

また、シドニーオリンピックの際は、観戦記を書くという使途をとしているのですが、毎日完成稿30枚を書くことに決めて、それを守ったそうです。

自ら、期限・枚数・ルールなどを設定してクリアしていくあたり、まさにトレーニングですね。


さらに、村上は翻訳もします。
これも、表現を身につけるトレーニングになっています。
村上春樹は、書ける時期が来るまで長編小説は書きません。4~5年に一度しか長編小説を書かないのはそのためです。
しかしその間文章を書かないと腕が鈍ってしまう。そこで、小説を書かない時期は、翻訳をすることで文章を書く感が鈍らないようにしつつ、小説家の作品を吸収しているのです。

短編・長編・観戦記・翻訳など、少しずつ違うタイプの仕事をしながら次のレベルに進んでいく。
これはプロフェッショナルを目指すヒントになりますね。

そういえば、私自身もスピーチのトレーニングをしたことで、文章も変わったなあ。


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村上春樹仕事術(1)というタイトルのエントリはないのですが、先日のエントリ

コントロールしない創作 「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです(村上 春樹)」

を(1)にしたいと思います。

2012年10月26日金曜日

目的が曖昧だと引き際がわからなくなる 「失敗の本質(野中郁次郎ほか)」



結構前ですが、読みました。
日本軍が失敗した6つの戦闘を事例として分析し、教訓をとりだしています。
その6つは・・・

  • ノモハン事件
  • ミッドウェー海戦
  • ガダルカナル作戦
  • インパール作戦
  • レイテ海戦
  • 沖縄戦

です。

以前のエントリ


<読書感想> 現時点今年最高の1冊! - 戦略の本質 (野中郁次郎 他) 

で紹介した本の姉妹編です。(「失敗の本質」の方が先。つまり姉本?)


「戦略の本質」は成功事例の分析で、「失敗の本質」は失敗事例の分析。
どちらもとても面白いのですが、成功要因は「後から何とでもいえる」という思いがぬぐえません。それと比べると、失敗のパターンをとりだして戒めている本書のほうが利用価値は高そうです。

面白かったこと1点だけ抜き出します。
それは、

「目的が曖昧だと引き際が分からなくなる」

という話。

日本軍の中で、目的の共有がされておらず、どこまでやればよいのか、グダグダになっている様子が幾つか描かれています。

・ 敵艦隊を攻撃するのか、島をとるのか曖昧なまま始めたミッドウェー海戦
・ 持久戦(現地案)なのか、総攻撃をかける(大本営案)のか、曖昧なまま遂行した沖縄戦

等です。

これは、日本人の精神性なのでしょうか?
私もそういうところがあるんですよねえ・・・
つまり、私自身も、目的が曖昧になった活動を続けてしまうという傾向があります。
始めは目的が明確なのですが、やっているうちにだんだん目的が曖昧になる、ということが多いような気がします。
元々の目的が達成できない状況になっても、別の効用が出てきたりして、特に苦しくもなく続くことってあるんですよ根絵。

こういうのって、意図せず身についてしまうので、定期レビューをしないといけないのかと昔は思っていましたが、うまく定期レビューを埋め込めたためしがありません。
というか、定期レビューという活動も徐々に目的を失う可能性ありますよね。レビュー内容も陳腐化するし。
そのような「タスクを埋め込む」的な、自分を機械のように扱う考え方ではなく、自分の直感が働くようなコンディションを作るほうが、その時その時にあった活動が出来て良いのかもしれないです。


話が若干飛躍してしまいました。
以上です。

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この「失敗の本質」、思うところがありすぎて、感想をしばらく書けずにいました。
で、だいぶ忘れたころにもう一度トライしたらなんとか書けました。ある文章を書ける時期/書けない時期ってありますよね。

尚、もちろん仕事ではそんな悠長なことは言いません。調子が悪かろうが無理やり期日までに書きますよ。

2012年10月22日月曜日

ブルー・オーシャンは見つけるものではなくて作り出すもの 「ブルー・オーシャン戦略」のまとめと感想






血みどろの戦いが繰り広げられるこの既存の市場を「レッド・オーシャン」と呼ぶのなら、いま企業が目指すべきは、競争自体を無意味なものにする未開拓の市場、「ブルー・オーシャン」の創造だろう。(「ブルー・オーシャン戦略」)


ずっと読んでみたいと思っていた、「ブルー・オーシャン戦略」を読みました。
まず根本的な勘違いをしていたことに気付きました。
「ブルー・オーシャンは見つけるものではなくて作り出すもの」である、ということ。
(もしかして、この勘違いをしていたのは私だけ?)

結構細かい手法が書いてありますが、結論は、
これまで業界には無かった競争要因を付け加えて、新しいバリュー(顧客にとっての価値)を創造することで、ブルー・オーシャンを創造できる。
また、従来の競争要因の一部を無視することでコストを削減する。
です。
バリューとコストをコントロールするドライバーとして、競争要因に注目するということですね。
逆に、「とにかく精度を上げろ」といった品質向上で価値を作り出したり、「とにかく切り詰めろ」みたいなコスト削減は、バリューとコストのバランスがいつまでたっても取れない(レッド・オーシャンから抜け出せない)ので駄目だということです。

例えば、シルク・ドゥ・ソレイユというサーカスは、従来あった競争要因「動物ショー」「花形パフォーマー」等を無くすことでコストを削減し、変わりに新たな競争要因である「快適なテント」や「芸術性の高い音楽やダンス」を付け加えることで、新しいバリューを作り出し、ブルー・オーシャンを創造した、とのこと。

他にも例がたくさん載っており、読んでいて面白いです。
ブルー・オーシャン戦略の概要説明はたくさん出回っていますが、直接読むに値する本だと思いました。

なお後半は、新しい事業を既存の組織に根付かせるための手法(一種のチェンジ・マネジメント)まで解説しており、ブルー・オーシャン創造から実際の導入までの手順書のように使える本になっていますが、逆に後半はオリジナルな内容はあまりないと思います。
既にそういうことに詳しい方は、前半の、ブルー・オーシャンを作り出す部分だけご覧になったら良いかと思います。

2012年10月21日日曜日

スキマ時間と集中力


集中するときには、徐々に潜っていく。海底へと頭を向けてゆっくりと潜っていくような感じだ。一気に深海に落ちていくのではない。人掻きごとに深いところへ進んでいく感覚だ。
(羽生善治)


最近、というかここ数年、

・ スキマ時間に勉強しましょう
・ 15分あったらカフェで勉強しましょう
・ 1駅の間にも単語を1つ覚えましょう

といった話を聞き実践しているうちに、スキマ時間にしか勉強しない奴になっていました
スキマ時間に勉強していることが、いつの間にか長時間集中的に勉強しない言い訳となっていたようです。

最近、集中が続きにくいと思っていたのですが、もしかしたらこれが原因かもしれないです。

先日、日曜日が丸ごと空いたので、久しぶりに自分の部屋で強引に4時間くらい続けて勉強してみました。
それで思った(受験勉強のころを思い出した)のですが、長時間強引に勉強するというのは、スキマ時間を積み重ねるのとは別の経験ですね。
冒頭に引用した羽生善治が言うように、時間をかけないとたどりつけないゾーンがあるような気がします。

ひとまず、集中力を失ったわけではないということが分かってホッとしました。

※ 余談ですが、最近、何か不調があると「年齢のせいなのか?」と考えがちだったのですが、安易に年齢による衰えを疑うのはダメですね。まずは、原因は他にあると考えて手を打つほうが建設的です。


先に書いたように、スキマ時間に勉強していることが、長時間勉強しないことの言い訳になっていました。
言い訳が多いとロクな人生が送れないとは思っていますが、意図せず・知らないうちに身についている言い訳がありますね。
まあ、こういうのは気をつけても身につくものだと思うので、気づくたびにしっかり修正すればよいのかなと思います。

なお、スキマ時間に勉強することを否定はしません。
「スキマ時間も勉強するが、長時間集中する機会も作る」という方針にします。

2012年10月20日土曜日

効くことだけやれ 「このムダな努力をやめなさい(成毛 眞)」


私はつねに、「頑張らない」「我慢しない」「根性を持たない」という三原則をモットーにしてきた
(成毛眞)

日本マイクロソフト元社長の成毛眞の本。

タイトルの意味するところは、「無駄な努力を止めて、本当に効くことだけをやりなさい」ということです。
努力をしなくて良いとは言っていません。

著者は・・・

・ 朝令暮改は超OK
・ 「何をしでかすかわからない人間」になりなさい(そのほうがカリスマ性が上がるから!?)
・ 本能を大事にしなさい
・ まわりの空気なんて読まなくていい

と主張しており、結構トリッキーな人だという印象です。
この本もトリッキーで、面白い話はたくさんありましたが、全体として何なのかはよくわかりませんでした。
一貫性などに囚われないほうが人生を楽しめる、というのが1つのメッセージだったのかもしれないです。

こんな人がマイクロソフトの社長をしていたんですね。
上司に持ったら大変そう。もちろん能力はものすごいのでしょうが。


せっかくなので、面白かったことを、メモしておきます。

・ 「根性」でやることの大半は無意味だ
・ 「いい人」は消耗しつくされる
・ 日本から逃げろ
・ 一流の人間とそうでない人間の違いは、何を努力すればいいのかがわかっているか否か
・ 人生で固執しなければならないことなど、ほとんどない
・ 発明家イライシャ・グレイは、ベルより電話の特許申請が2時間遅かったため、歴史に名を残せなかった
・ つまらない人と話すのはたとえ1,2分でも無駄。一人で思索にふけるほうが有意義
・ 現代人は時間を節約するが、節約した時間でテレビを見ている
・ 誠意を尽くした外交などしていてもなめられる


読んでいて、痛快なようであり、おっさんの戯言のようでもありました。

2012年10月19日金曜日

コントロールしない創作 「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです(村上 春樹)」



(村上春樹自身が書く小説のストーリー展開について)どうなるか僕にも先はわかりません。この角を曲がったらその先に何が待ち受けているのか、書いていても見当がつきません。
<中略>
最初はいくつかのプロットと、登場人物程度しかありません。いかなる設定も持たずに書き始め、ただただ日々書くことによってストーリーを発展させていく。(村上春樹)

村上春樹が、メディアのインタビューに回答したものをまとめた本です。1997年~2009年の、18本のインタビューが収録されています。

この本は面白いです。
しかし、役立つかはわかりません。

村上春樹の創作の仕方がよくわかります。
私は、クリエイティブな仕事をしている人の創作の本・ドキュメンタリーが好きですが、その中でも面白かったです。

これまで特に好きだった
・ 「出発点」(宮崎駿のエッセイ・インタビュー集)
・ 「もののけ姫はこうして生まれた」(もののけ姫制作のドキュメンタリー)
・ 「プロフェッショナル 漫画家 井上雄彦の仕事」(井上雄彦のドキュメンタリー)
の3つに並ぶ面白さでした。

500ページもある本で、しかもインタビュー集なので、いろんな話が出てきますが、今回は、村上春樹の物語の作り方について書きます。


村上春樹は、自分が自分の物語の最初の読者であると言います。
冒頭の引用文に書いてある通りですが、物語のアウトラインを決めて書き始めるわけではなく、自分の中から出てくるものを文章化することで物語を進めていくそうです。
これでよくあの長い小説が書けるなと感心しますが、まあ、村上春樹の作品を読むと納得という気もします。村上春樹の作品は、話の展開が面白いのではなく、文章が面白いというタイプのものなので。

また、
神様が上から見て、こいつがこっち言って、あいつはそっちに行かせてというふうに、作中人物の行動を動かしていくって、上からの目線という感じがすごくしたわけ(村上春樹)

とも言っています。
ストーリーや人物をコントロールするのが好きではないのですね。

実は、ストーリーや人物をコントロールしすぎないというのは、先に出した宮崎駿や井上雄彦とも共通しています。村上春樹はアニメーションに興味がないので宮崎駿のことを意識してはいないようですが。


さて、このコントロールしないというやり方・・・
意味はわかりますが、どうしたらそれが出来るのかは正直見当がつきません。
実はこのコントロールしないで何かを作り上げるというやりかたを知った時に、自分の発想とあまりに違うので感銘を受けてマネしようとしたことがあります。しかしうまくいきませんでした。
むしろ私はコントロール好きの人間(だからプロジェクトマネジメントに向いている)なので、真似してもあまりうまくいかないのでしょうね。

何か仕事に活かせないかな・・・とも考えましたが、思いつきません。ビジネスというフィールドに向く考え方でもないような気がします。
しかし、普段仕事でコントロール重視の生活を送っているということがわかりました。コントロールしすぎない時間も確保したいですね。

なお、本書は、同じ質問に何度も回答しているので、同じ話が何度も出てきます。
それは適当に読み飛ばしましょう。

2012年10月18日木曜日

みんな不安に思っている? ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉 (リンダ・グラットン)




未来の働き方について書いてある本です。
著者はビジネススクールの教授。

このような、堅めで分厚い本が平積みになって本屋に置いてあるということは、きっとみんな未来の働き方について考えたいのでしょう。
私もそうです。最近、私の勤め先が会社再編していることもあって特に。


本書の結論としては、今後働き方について、次の3つのシフトを覚悟しろ、としています。

1.ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
検索技術により浅い情報にアクセスしやすくなった時代では、ゼネラリストの価値はますます下がる。従って、特別な付加価値をつけられる人間「スペシャリスト」になる必要がある。
しかしこの生き方には、自分の専門性を磨くために、大量の労力と時間を投資する決意が必要だ。

2.孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
仕事のアイデアを活性化するため、そして自己を再生するためにもコミュニティを作ることが重要だ。
これには、SNSなどインターネットが役に立つ。

3.大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ
金と消費が好きであるということがどういうことなのか、考え直す価値がある。金を稼ぐことだけではなく、自分自身・家族、社会全体のことを考えて仕事をきめて良いし、そのほうが幸せかもしれない。



読んでいるときは面白かったのでまとめてみたのですが、結論自体はわりと普通でした。

これをもとに自分自身のシミュレーションをしたり、アクションをとりださないと、あまり意味がなさそうです。
その点、この本は事例やシミュレーションが出てくるのが良いです。他人のシミュレーションは、自分自身がシミュレーションをするときに役立ちます。
どんなことが起こりうるか、考えられるパターンを仕入れたい人はどうぞ。


しかし、このような、未来について書いてある本いずれにも言えることですが、どこからどこまで本当かわかったものではありません。
ありそうな考えと、ありそうにない考えは、自分の中で整理して持っておかないと、今後も入ってくるであろう様々な情報に振り回されそうです。

2012年10月13日土曜日

ポピュリズムは民主主義につきもの? 「池上彰の政治の学校」


票集めに躍起になっている政治家と、青い鳥を追い求める国民。民主主義政治につきものの現象「ポピュリズム」
(池上 彰)

相変わらず、池上彰の本は(私のような)初心者に優しいですねえ。

この本、池上彰が、政治を理解するためのポイント、例えば、「政党とは何か?」「国会とは何か?」「官僚とは?」「ポピュリズムとは?」、といったことを、を簡潔に解説しています。

網羅的には説明しないが、ニュースを理解するためのツボを突く。毎度のことですが、この方は、このようにツボを突くのがうまいなあ、と思います。


この中から、今回は「官僚」の話、「ポピュリズム」の話を、します。



<官僚>

個人的に面白かったのは、「官僚」の話です。
官僚とは、○○省などに勤めていて、国家の政策・予算などの意思決定に大きくかかわる公務員のことです。

メモとしては・・・
・ 天下りは、官僚の新陳代謝を促し、常に官僚に優秀な人間を置いておくために一定の効果がある
・ 官僚は、政治家に政策の叩き台を提供することで、陰で政治を動かしている
・ 日本の官僚は、世界的に見たらとても優秀。例えばアメリカの場合は、政治家サポートのために民間から優秀な人を招へいする
・ 官僚はスケープゴートにされることが多いが、基本的には国のことを考えて動いている

なるほどねえ。
少し官僚のイメージが変わりました。
この視点から、官僚が出てくるドラマ(「官僚たちの夏」とか、「不毛地帯」とか)をまた見たくなりました。




<ポピュリズム>

本書全体としては、政治、特に日本の政治が極端なポピュリズムを見せているという問題を指摘しています。

「ポピュリズム」とは、この本を参考にまとめるとこのような感じです。
衆愚政治と訳される。
民衆の支持・人気を得られる政策を実行するという政治思想・政治姿勢のこと。
大衆の意見を代弁する政策をするのだから、一見良いようだが、大衆は必ずしも政策を理解していないし、長期的な視点を持っていない。
この結果、短期的視点に立った政策や、一見ハデで良さそうだが効果のない政策などが取られがちになる。

確かに、最近の総理大臣を見ていると、この危うさを思い切り感じます。

本書では、主に日本の政治を例としてポピュリズムを解説していますが、ポピュリズムは民主主義につきものであり、海外の政治も同様の傾向を見せているそうです。

なるほど、日本の政治家は最悪なのかと思っていましたが、ポピュリズムについては、特別日本だけが悪いのではなく、世界中の民主主義国が対処しなくてはいけない課題ということかもしれないですね。

ということで、政治に疎い私としては勉強になりました。

2012年10月12日金曜日

手で触れて、体験したことしかわからない

油圧ショベル

僕は<中略>生身の身体を通してしか、手に触れることのできる材料を通してしか、物事を明確に認識することのできない人間である。
(村上春樹)

上司の計らいで、建設機械に乗る機会を頂きました。
これは私にとってはかなり良い体験でした。
乗ったのは2種類。「油圧ショベル(上記写真)」と、「ホイールローダー(下記イラスト)」です。

私は、建設機械メーカーでERP導入プロジェクトをしているので、仕事で建設機械の生産についてあれこれ話します。

もちろん、乗ったことが無くても、勉強しながら何とか仕事を進めることは出来ます(これまでそうしていたわけだし)。
しかし、具体的な体験をいっぱい持っているほうが、間違いなくうまく進められます。
(この点、「実際にコーディングしないとわかるようにならない」という、IT(前職場)の世界で言われていること同じでした。というより、職場に限らず同じなのだろうと思います)
今回実際に乗ったことで、うんと建設機械が身近なものになりました。


勉強したので、主な部品の機能と名前は覚えていました。
しかし、実際に各パーツを動かして(油圧ショベルの場合、掘削のために動かせる関節が3か所ある)、土を掘ったり、堅い部分を掘ろうとして機械が異音を出したり、アームを下ろしすぎて機体前方が浮いたり、動かし方が雑で土砂がこぼれたりする・・・というのは、お勉強とは全く別の体験です。

文字を読む勉強だけで、情報が頭にガンガン入って、イメージがわきまくる人はそれで良いのかもしれませんが、私は冒頭に引用した村上春樹と同様、具体的な経験と結びついていない知識はあまり頭に入らないほうです。
その意味で、体験というのは、頭に知識を入れるためのフックになるので、すごく重要です。

勉強というのは、「やり始めたらハマる」というところがあって、なんか惰性で続いてしまうことがあります。
私は良くも悪くもハマります。
しかし、折に触れ知識と体験を結び付けて、お勉強野郎にならないようにすることが必要ですね。


ホイールローダー


2012年10月8日月曜日

圧倒的ナンバーワンを志向する(「現実を視よ」の感想2)


100億円売らないと決めねば、100億円売れない
(柳井正)


「現実を視よ(柳井正)」の感想を先日書きました(そのエントリへのリンクはこちら)が、気になったことがもう1つあったので記事にします。

ファーストリテイリング(ユニクロ)の社長、柳井正氏。
この人の考えに「圧倒的ナンバーワンを目指さないと滅びる」というものがあります。
現代は、ウィナー・テイクス・オール(勝者が全てを持っていく)の時代。業界2位を目指すのは滅びるのと同じだ、と言っています。

そして今、柳井正氏は、
・ ユニクロの年間売上5兆円
・ 中国で今後十年の間に1,000店舗出店する
などの目標を掲げています。
(去年の売り上げが6,000億程度なので結構強気ですね)

この考えのもと、
・ ニューヨークの五番街に出展する
・ 新卒の半分以上に当たる約1,000人の外国人を採用する
などをものすごい速さで決断して進めているわけです。

圧倒的ナンバーワンを目指すのと、そこそこを目指すのでは、当然目標が変わってきます。
目標が変わればアクションが変わります。

どのあたりを目指すかで、アクションは変わってくるということです。
(すごく当たり前だった)


年間五兆円と思わなければ、中国1,000店舗展開という考えも出てこなかったでしょうし、採用人数などの具体的な打ち手も当然変わっていたはずです。

弱気な目標を立てれば、あまり高みに登っていけないアクションばかり打つことになる。
時代錯誤な目標を立てれば、いくらそれを達成しても滅びることになる。

最近自分自身もグローバリゼーションの厳しさを肌で感じているので、滅びないよう、センスある目標を立て直そうかな。





爽やかなことこの上なし 天地明察(冲方 丁)



冲方 丁(うぶかたとう)の小説は初めて読みました。
ものすごく爽やかな小説でした。


徳川四代将軍家綱の元、新しい暦を作り上げた、渋川晴海(しぶかわはるみ 1639-1715)という実在の人物が主人公の、史実をベースにした小説。
私はこの人物は知りませんでしたが、高校で日本史を専攻していたら出てきていたのでしょうか?


渋川春海は、当初、城で囲碁を打つ仕事をしていました。
しかし、それは「春海にとって己の生命」ではなく、生きがいを感じるのは算術だけでした。

その後、渋川春海は、将軍家の任命を受け、新しい暦を作るプロジェクトを推進します。
このプロジェクトの中で、測量・算術的な研究などを通じて、様々な分野の才人に会い、自分もその中で能力を高めていきます。
この才人たちの爽やかなこと。清々しいこと。
途中、何度も挫折、悲しみなどを経験するのですが、そのたびに、爽やかな才人から刺激を受け、「息吹を感じ」、最後は復活して必ずこのプロジェクトに戻ってきます。

才能ある人間の中でもまれることが、才能を開花させる一つの近道なんでしょうね。


ということで、冒頭に書いたとおり、爽やかな小説です。
しかし、最近自分自身が爽やかでなく、この小説にはモードが合い切りませんでした。
この小説にばっちりフィットするような爽やかを取り戻したいと思います。

(最近、読書をして自分が今一つ乗り切れていないことに気付くことが多いです)


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さて、Facebookのフレンド様にお勧め頂き、立て続けに冲方 丁の小説「光圀伝」を買い、を少し読み始めました。これは重いです。物理的に。

IT頭からのマインドチェンジ



休職派遣でITを離れて1年経ちます。

一つ、大きなマインドチェンジが必要でした。
ITは一般論から攻めるも悪くなかった。しかし、時にはそれだけではいけない。
ということです。
多分、多くの人には当たり前のことなのですが・・・


IT業界は、業務に必要な知識の6割位を一般論でカバーできます(6割という数字は個人的な印象です)。
なので、ITはそのへんの市販書を読むとか、それらを参考にコードを組むということが、仕事に直結しやすいです。

私は、なんとなくこのイメージで新しい仕事と勉強にも取り組んでいたのですが、どうも調子が出ません。私がこの1年やってきたERP導入プロジェクトというジャンルは、市販書を読んでも、どうも即効性がありませんでした。

それよりも、自社のビジネス、業務、組織を深く理解していくほうが、成果に直結しやすいということがだんだんわかってきました。

つまり、一般知識よりも、自分が勤める会社のビジネスを軸にするほうが良い。
力の置き方としては、7割くらい自分の会社自体から学び、一般論の勉強は3割くらいにしたほうが良いのかもしれない。

これに気付いた(仮説ですが)以上、アクションを変えるのには時間はかかりませんでしたが、このマインドチェンジが必要(かもしれない)と気付くのに結構時間がかかりました。
こんなことで足踏みしていたかと思うともどかしいですが、まあ、グループ会社内の出向とはいえ、ITを離れた以上、半分転職したようなものです。
きっと、捨て去るほうが良い思い込みをまだたくさん持っていることでしょうが、一度に全部見つけることは出来ないので、地道に一つずつマインドチェンジしていきます。



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今回の話題と関係ないのですが、マイクロソフトのクリップアートを個人のWebサイトに使ってよいというのを知ってから、フォトストックをほとんど使わなくなりました。
素材がすごく豊富で便利。
ロゴに使ってはいけないなど、規約があるので注意が必要ですが、ブロガーさんにお勧め。
今回の写真もマイクロソフトです。

ソースはこちら。
クリップ アートの使用条件に関してよくある質問 (FAQ)

2012年10月7日日曜日

日本の生活レベルは、世界的に見たら中の下? 「現実を視よ (柳井 正)」



二十年前に金持ちだった日本は、今ではせいぜい「中の下」にすぎない(柳井正)

ファーストリテイリング(ユニクロ)の社長、柳井正の本。

全体としては・・・
日本が置かれている状況は、みんなが思っている以上に厳しい。
もっとみんな海外に出て金を稼がないと大変なことになる。
ということを主張しています。

日本が今後どうなっていくか、色々なシナリオが考えられるのでしょうが、柳井正は、その中でも結構シビアめなシナリオを想定している印象を受けました。


面白いことは色々書いてありましたが、印象的だったことを一つだけ取り出します。それは・・・

ほとんどの日本人は、自分のことをまあまあ金持ちだと思っている。しかし実際日本人の生活レベルは、世界的に見たら中の下

であるという、柳井氏の主張。

なるほど。
確かに、そうなのかも。
ここ数年で、10カ国程度ながら海外を旅行 and 出張した時に覚えた違和感が何だったのか分かった気がしました。

1980年生まれの私は、時代の空気のせいか、もしくははっきりそういう教育を受けてきたせいか、「日本人は金持ちである」と思っていました。
しかし、アジア、特に中国に行って覚えた違和感は、金持ちそうな若者がいっぱいいるし、金持ちが住みそう高層住宅をたくさんあるってことです。


ただ、やはり日本の生活レベルが中の下というのは言い過ぎではないでしょうか。
例えば、また中国の都市部でも、大通りから一本外れると、まだまだ豊かではなさそうな人々・家が、たくさん見られます。

ということで、全人口の平均で日本が「中の下」かは私は疑っていますが、世界で活躍するビジネスマンのなかで「中の下」なのは納得しました。
そして、「日本人が金持ちだ」という思い込みは捨て去りました。


全体的に、柳井氏は少し現実を厳しめに見ている印象です。(私がまだまだ甘く見ているのかもしれないですが)

しかし、これを読んで、学者でもない限り現実を中立に見る必要はないし、そもそも出来ないのかなと思いました。
中立な視点・まっとうな考えを重視して、自分を丸くすることに力を使いすぎるよりは、その時点で持っている現実認識をもとに、圧倒的な行動力で突き進む。それがリーダーというものかなと思いました。
まあ、成功してこそその極端さは正当化されるのでしょうが。



<その他メモ>

・ 世界一のブランドを目指すのに、ニューヨークの五番街に出店するのは必須だった
・ サラリーマンが身分だと思っているのは、世界中で日本人だけ
・ (円高を考慮すると)日本人は身の丈の倍の生活をしている
・ 儲けない限り、日本は再建で出来ない
・ 経営のやり方は無限にある

2012年10月6日土曜日

最近ゾーンに入っているか? 「ASIAN TOUR IN TAIPEI(チャゲアス)」



チャゲアスの話をします。

チャゲアスのDVDを久しぶりに買いました。
1995年に台湾で行われたライブです。
良い買い物でした。

チャゲアスを語り出すと長くなるので、楽しめるポイントを3点だけ書きます。


■楽しめるポイント1 演出
この頃のチャゲアスのライブはバブリーな雰囲気で、今となっては違和感を覚える演出も多いのですが、これは海外で行われたということもあってか、CHAGE/ASKAとも正装に近くて、今見ても違和感ありません。

■楽しめるポイント2 ASKA絶好調

ASKAの声の調子は、1991~1995年あたりが最も調子が良いと思います。
したがって、これはASKA絶好調時のライブの一つです。
ちなみにCHAGEは大体いつでも調子良いです。
やはり、チャゲアスのライブは、ASKAの声が伸びまくっているもののほうが楽しめます。

■楽しめるポイント3 ゾーンに入っている
チャゲアスのライブは大体そうなのですが、CHAGE/ASKA本人たちが完全に入り込んでいるのが良いです。
スポーツで言う「ゾーンに入る」と似ているのではないかと思いますが、本人たちが意識の変性状態に入っています。
特に後半、
モナリザの背中よりも
僕はこの目で嘘をつく
YAH YAH YAH
が立て続けに演奏されるあたりはかなりきていると思います。


以上、DVDの楽しめるポイント3点でした。

CHAGE & ASKAのライブに行きたいとも思うのですが、最近年も年ですし、自分が(ある意味)CHAGE & ASKA側でなくてはいけないとも思いました。

2012年9月23日日曜日

【英語の話】多読はビジネス書でどうぞ




"Lean for Dummies"
という本を読みました。
「誰でもわかるリーン」といった意味です。
(リーンはトヨタ生産方式をもとに作られた、無駄無く製品やサービスに価値を賦与していくという一種のモデル・手法です)
平易な文体でわかりやすかったです。


さて、この本に限らないのですが、今日は最近洋書の読み方について思うところがあったので、簡単に記します。

私より英語が得意な人は無視してください。


<洋書の選び方 = 簡単なビジネス直結型の本を読みましょう>
英語の本で、"○○ for Dummies" や、"Complete Idiot's ○○"といった本が、たくさん出ています。
どちらも、初心者向けに、ある領域を解説した本ですが、結構マニアックな領域まで出版されています。
A5~B5くらいの大きめの本で300~400ページくらいあるものが多いので、日本の新書と比べたら2~3冊分くらいでしょうか。

最近、このシリーズは英語学習者に最適だなと思っています。

私は、日本で英語を勉強して、いざ洋書を読もうと思った時、本によって読める本読めない差が激しすぎて、本選びに苦労した経験があります。
その点このシリーズは英語のレベルが高すぎて読めないということがないです。

「英語は得意だが、何でも読めるというレベルではない」という場合、"○○ for Dummies" "Complete Idiot's ○○"から選ぶのがお勧めです。

洋書解説の本・サイトは結構見ましたが、とにかく小説の紹介が多いのです。
「英語を勉強して、英語の小説を読めたらかっこいい」という気持ちはわかります。しかし多くの日本人英語学習者は、身につけた英語が仕事で活かせてナンボのはずなので、もっと英語をビジネスで活かす方向に導いてほしいですね。


<電子書籍と辞書>
若干話が変わります。
洋書の読み方として、「リズムを崩さないために辞書は引かない」という考え方があります。確かに1ページ読むのに10回も辞書を引くようでは読むスピードを上げるトレーニングにはならないでしょう。

しかし、Kindle Touchを使って、考え方が変わりました。
タッチパネル式の電子書籍リーダーであれば、単語をタッチするだけで英英辞典が引けるので、リズムがあまり崩れません。
辞書を引いても出てくるのは英語なので、モードが変わってしまうということもないです。
私はKindleで辞書が引きやすくなったおかげで、今までよりも難しい本を読めるようになった気がします。
これが15,000円程度で買えるのだから、英語学習者(初級者は除く)にはとても良い投資だと思います。

なお、初級者がいきなり洋書を読むのはやめたほうが良い、というのが私の意見です。難しすぎるからです。
初心者向けの素晴らしい教材がその辺の本屋で手に入るので、まずはそういうものを使って勉強したら良いと思います。

きみはきみの真夏を持っているかい?ー「超訳ニーチェの言葉II(白取 春彦訳)」

きみはきみの真夏を持っているかい。
あるいは、きみ自身の真夏が来ることを本当に願っているか。

(ニーチェ)

しばらく、ブログを書くような気分ではなかったので、休んでいました。
久しぶりの更新です。





前作「超訳ニーチェの言葉」が面白かったので、続編を本屋で見て即買いしました。
(前作は、私の2010年ベスト4に入っていました。写真は、黒が第1作、青が第2作です)

本作も面白かったです。

体裁は、完全に同じ。
ニーチェの名言をとりだして、現代人に分かりやすい訳で紹介しています。

したがって、私にとっては、使い方も前作と同様です。
せせこましいこと、汚いこと、硬直的なことを考えたりしたとき、心の余裕、弾力性を取り戻すのに役立つ。
そういう本です。

例えば、自信を失って積極的な判断が出来なくなっているときに

若者よ、勇敢であれ。人が恐れるほどに勇敢であれ。

なんて名言を読むと、多少積極性を取り戻せるわけです。
自分が若者かどうかはこの際置いておいてください。


普通に生活していると、どうしてもロクでもないことを繰り返し考えたりしてしまうものだな、と思います。
気を取り直してポジティブに活動しなおすやり方は色々あるでしょうが、この本はとても効果ありました。


前作と本作、どちらが優れているということはないと思うので、とりあえず読んでみたい人は、中古で安く手に入る前作から読んでみるのもよいでしょう。

なお、本著で特に私が戒められたのは次の教えです。

いつも冷静で理性的であろうとするな。肩がこるし、窮屈だ。

2012年9月1日土曜日

<リーン・シックスシグマ> The Complete Idiot's Guide to Lean Six Sigma [Kindle Edition]



会社のプロジェクトが、シックスシグマのフレームワークを使って組み立てられているので、
「The Complete Idiot's Guide to Lean Six Sigma」
という本を読みました。
「誰でもわかる、リーン/シックスシグマ」
みたいな意味です。

(Kindleで読んだので、写真もKindleになってしまいました)


例えば、シックスシグマのフレームワークに、「DMAIC」というのがあります。
以下の順番で物事を改善するとうまくいく、といった枠組みです。

Define ⇒ スコープをきめる
Measure ⇒ 現状を測定する
Analyze ⇒ 根本原因を分析する
Improve ⇒ 改善する
Control ⇒ 改善が定着するようにする

例えばこういうフレームワークにのっとって、プロジェクトプランが考えられているということです。

言われてみると、どの言葉もやけに文書中に登場します。
しかし、どれも簡単な単語なので、プロジェクト文書中に出てきてもほとんど注目していませんでした。一応文字どおりの意味で理解できるので。
しかし、この文脈の中で出てきているとわかると、プロジェクト文書がより理解できるようになりました。

例をもう1つだけ。
プロジェクト責任者のことを「デプロイメント・チャンピオン」と呼んでおり、なんかニュアンスがよくわからないな、と思っていたのですが、シックスシグマ用語だとわかってすっきりしました。



ということで、今知りたいことがいっぱい書いてありました。
読んで良かった~
会社が準拠しているコンセプトとか、フレームワークってのは、早めに抑えないといけないんだよなあ・・・
一般的なPMBOKなどの知識ではなく、こういう勉強をまずするべきでした。

(休職派遣直後、派遣元の昇給条件になっている資格を無理やり取って、派遣先の勉強がおろそかになった代償はそれなりにあったと思って、反省しています)

それにしても、ITの頭だったのが、徐々にメーカーの頭になってきたのは良いことだと思っています。


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余談ですが、英語の本を速読するのは久しぶりで、最初全くスピードが上がらなかったのですが、後半、全盛期に近い(と思う)スピードが戻ってきました。
眠らせていた英語力がいざという時本当に戻ってくるか少し不安に思っていたのですが、安心しました。

わかりやすく、もののけ姫風に言うと
「戻って来た!黄泉の国から戦士達が帰って来た!」
という感じです。

え?わかりにくい?

2012年8月26日日曜日

予算管理は使えるスキル


お金をどこに使うかによって、人生はすごく変わってくる。  − 斉藤孝(座右のゲーテ)


私自身の目標がいくつか出来つつあるので、合わせて予算も取ろうと思っています。

「予算管理」は、会社に入って身に付いて良かったスキルの一つです。
地味ですが、この能力の有無で、人生変わるのではないかと思います。

私は貯金好きなサラリーマン家庭に育ったせいか、勝間和代を読むまで、投資をして自分を変えていくという考えがしっくり来ませんでした。
(「お年玉をどう消費するか」くらいは、子供の頃から紙とペンで書いて考えてはいましたが)

その後運良く(?)予算を管理する仕事を数年したおかげで、目的を達成するように計画を立て、その計画に従って予算を使うことで、会社が毎年変わっていく(時には無駄な投資もある)ことが、より実感できました。

これ(予算管理の仕事)は図らずも良い経験でした

パーソナルな予算管理はしばらくまともにしていませんでしたが、今ならお年玉の使い方を考えていたときよりはだいぶうまくできるような気がします。

高い服は町田で買うな



がらでもないですが、お洋服の話をします。


私、服飾品は町田で買うことが多かったのですが、最近、身なりを整えようと思って、読書会などの帰りに、銀座、六本木、表参道などで服飾品を眺めてきました。

安いものはどこで買ってもいいですが、少し高いものを買おうと思うと、都心と町田では品ぞろえが全然違いますね。

当然、都心は店のバリエーションが豊富です。

あと、チェーン店(例えばマルイに入ってるような店とか)の場合でも、都心の店舗に比べると、町田店は規模が小さめだし、その結果売れ筋商品中心に置いてあるような気がします。(これは憶測入ってます。あと女性物はわかりません)

その意味では、町田の服飾品チェーン店の小規模店舗はコンビニみたいなもので、「町田で買い物をする=売れ筋商品を買いがちになる」と言えるかもしれません。

しかし、大体都心で買い物をしようとすると、行った時にはすでに疲れてしまって、判断力が無くなるんだよなあ。まあそれでも、こだわりの一品は、選択肢豊富な都心で買ったほうが良いなと思い始めました今日この頃です。

2012年8月25日土曜日

本のジャスト・イン・タイム(電子書籍端末の話)



最近、会社で必要な知識

・ 6シグマ
(製品の不良率を下げたりするための経営管理手法の一つ)
・ Lean
(無駄の無いプロセスのモデル。トヨタ生産方式が元になっている)
・ ERP
(企業の大部分の業務領域をカバーする統合システム)

あたりを、英語で勉強しています。

(既に日本語である程度知識を入れました。本社(アメリカ)主導のプロジェクトに参加していることから、今度はこれらを英語で理解するフェーズに入っています)



そんなことをしているので、Kindleが大活躍しています。

最初、Kindle(3G付き)だと、いつでもどこでも本を購入出来てしまうので、無駄遣いが増えるのではないかと想像していたのですが、逆でした。

Kindleであれば、Sampleをいつでもどこでも入手できるので、失敗がだいぶ減ります。
そして、(これが一番重要なのですが)、いつでもどこでも買えるということは、「(本屋でよくやってしまうような)読むか分からないけど一応買っておく」というパターンを無くすことが出来ます。
3Gがついた電子書籍端末であれば、読む直前に、本当に読めるときに買えばよいのです。

3G付き電子書籍端末のおかげで、本のジャスト・イン・タイムが実現しました。
(ジャスト・イン・タイムは、トヨタ生産方式の用語で、必要な資材を必要なタイミングで必要なだけ生産現場に持っていくというやり方のことです。)

6シグマではモデルとして8つの無駄が定義されていますが、電子書籍端末で様々な無駄が解消できるなと思いました。
例えば、
・ 作りすぎのムダ
(買いすぎない)
・ 在庫のムダ
(場所をとらない)
・ 不良のムダ
(Sampleを読めるのではずれを引くことが少ない)
・ 運搬のムダ
(本をたくさん運ばなくて済む)
・ 動作のムダ
(本屋に行かなくて済む)


6シグマは生産者の視点に立ったモデルですから、上記はモデルを若干拡大解釈してはいますが、Lean(無駄がない)のは間違いないです。

ということで、ずっと検討してこなかった日本語対応電子書籍端末も、導入を検討始めました。
これで、本に埋もれる生活ともおさらばできるかもしれません。

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2012/08/25追記

電子書籍端末として、SonyのReaderと楽天のKoboをヨドバシカメラで触り、Webで幾つかのレポートを見たのですが、どうも日本語電子書籍ワールドはまだ私が期待しているようなレベルになっていないようなので、見送りました。
近々(いつ?)発売されるといううわさの、Kindle日本語版と、Sonyの新機種を見てからもう一度考えます。


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参考
6シグマの8つのムダ

(1)作り過ぎのムダ
(2)不良のムダ
(3)加工のムダ
(4)運搬のムダ
(5)在庫のムダ
(6)動作のムダ
(7)待ち時間のムダ
(8)何もしないムダ

2012年8月24日金曜日

文房具いろいろトライアル - ジェットストリームとハイブリッドテクニカ(ボールペン)

先日、文房具を紹介するという朝食会に参加して、いろんなボールペンを教えてもらいました。
タイトルにある2種類を試してみたのですが、その使い心地は想像以上に良かったので紹介します。

こちらが写真。
上がハイブリッドテクニカ。105円。
下がジェットストリーム。157円。

書いたらこうなる。
上がハイブリッドテクニカ。
下がジェットストリーム。

ハイブリッドテクニカのほうが太い。
マインドマップとか、グラフィカルなものを描くのによさそう。

ジェットストリームのほうが細い。
すごく滑らかな書き味で、ほとんどインクたまりが出来ないのがすごい。
尚、このジェットストリームは、今一番書きやすいボールペンであると評判が高いらしい。



今回試した中で、私にとってはイマイチだったのがこれ(スミマセン)。
これは書き味滑らかで、書いたときインクたまりが出来やすい。
後、ちょっと線がかすれる。

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というわけで、ボールペンのレポートでした。
ボールペンというのは個体差もあるかもしれないし、どんな書き味が手にフィットするか個人差もあると思うので、ご参考程度にどうぞ。


正直、ボールペンの使い心地など大した問題ではないだろうと思って軽視していた私としては、この2つのボールペンはなかなか画期的でした。
なんか、どんどんメモとか取りたくなりました。
「使いたくなる道具」を持つと、行動パターンが変わります。
私、そういうタイプでは無いと思っていたのですが、そういうタイプでした。
行動パターンが良く変わるとは限らないですが、このエネルギーはうまく使いたいですね。

会社で支給されたボールペンを満足して使っていた私ですが、会社でも自分で買ったボールペンを使おうかなと思い始めています。

2012年8月16日木曜日

<日記> 信頼しているぞ、UNIQLOのネットワーク


日記です。

盆休み。昨日まで数日続けて、勉強会の類に参加させてもらっていましたが、今日はそれも無し。
今日は身の回りの雑務をしました。


1.積み立て投資信託の整理
2年くらいほったらかしていた、積み立て投資信託の配分を変えました。

手数料が高く、それほど円高に振れていない、オーストラリア債券ファンドの定期購入停止。
同じく手数料が高く、すでに状況を日々追いかけられていない、ブラジル債券ファンドの定期購入も停止。

全体として、月あたりの定期購入の金額を減らしました。
大雑把に言って、円高の今は買い時でしょうが、状況を把握しきれないのに買い続けていたのがストレスになっていたので。これで一つストレスが無くなりました。


2.モノの処分
断捨離と言いたいところですが、モノを捨てているだけなので「モノの処分」。

捨てようと思ったものの中に、UNIQLOの服があります。
UNIQLOの商品はUNIQLOの店舗に持っていくと引き取ってリユースしてくれるらしいので、もう着ないUNIQLOの服を全部洗濯して干しました。
乾いたら店に持っていきます。
べつに買い取ってくれる訳ではないので、私に取って得はありませんが、UNIQLOのネットワークなら確実に必要としている人に服を届けてくれるだろうと、無根拠にですが、信頼しています。

UNIQLOの全商品リサイクルのページはこちら
http://www.fastretailing.com/jp/csr/environment/recycle.html


それにしても、モノを処分するのにかかる時間って、バカにならないなあ。
もっと決断が早ければいいのかな?


3.大物洗濯
靴・カバンなど、普段洗うのが面倒くさいものを頑張って洗いました。
8ヶ月ほど前に買ったACEGENEのビジネスリュック、公私に大活躍したのですが、洗ってみたら思ったよりも劣化していることに気づいた・・・
出張も減ったし、別のカバンを買おうかな。


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2012/08/25追記

上記2で書いたUniqloのリサイクルは、先日町田店に持って行ったところ、身分証明書も求められず、さっと引き取ってくれました。
まあ、お金のやり取りがあるわけではないので、本を売るときのような手続きは不要なのでしょうね。
これだけ簡単なのであれば、ゴミとして捨てずに、不要になったUniqlo商品は全部店舗に引き取ってもらってもよいかなと思いました。

2012年8月14日火曜日

<香港旅行記> サービスの洪水(インターコンチネンタル)

香港から帰ってきたの2週間前ですが、メモを残します。

期間が空いたので復習です。
旅の目的は次の2点でした。

目的1.ホテルでゆっくりする
目的2.ブルース・リー縁の地を訪ねる

ブルース・リーの話は書いたので、今度はホテル話。

今回は、インターコンチネンタル香港というホテルに泊まりました。
私が今まで泊まったことがあるホテルの中では一番高い(宿泊料もホスピタリティも)ホテルです。
普段ホスピタリティが足らない私には、インターコンチネンタルのホスピタリティはレベルが高すぎました。
金持ちには当然かもしれませんが、せっかくなので、感想を書いておきます。


全体的な感想としては、
感想1.サービスと料金が想像外
感想2.接触してくる回数がとにかく多い
ということを感じました。


では、まず感想1のサービスと料金について。

・ フィットネスセンターは無料で、水も無料、タオルも貸してくれる。
マシンは新しい。
プールも無料。
しかし、マッサージの類はとんでもなく高い。

・ ルームサービス・食べ物は尋常じゃなく高い。
ハンバーガー = 約200香港ドル(2,000円)
ラウンジのポテト = 約80香港ドル(約800円)
しかし、部屋に持って帰るというと、繰り返し使えそうなタッパーに入れて、未開封のケチャップ付きで持ちかえらせてくれた。(タッパー・ケチャップはサービス)

・ テレビのチャンネルは、映画あり、ドキュメンタリーありでまあまあ豊富。
しかし、インターネット接続料もとんでもなく高い(156香港ドル(1,600円)/24H)

・ チップは受け取らない
(私が置いたチップがはした金すぎたのかもしれないですが)

・ ミネラルウォーターは何本でも無料


という感じで、何にいくら金がかかるのか、かかるとしたらいくらなのか。何なら無料なのか。といったことが、私の想像外であることが多かったです。
金持ちの間ではある程度常識なのでしょうか?


次に、感想2の、接触回数について。

毎日、ベッドメイキングのほかに、昼モードと夜モードを変えるためにカーテンを開け閉めしたり、台風の情報を伝えに来たり、浴衣を持ってきたり、何度も部屋に人が来ます。
朝食のビュッフェでも、コーヒーやオレンジジュースを注いだり、皿を下げたりするために、一食の間に10回以上は人が来ます。
サービスの洪水でした。
慣れない私は、正直落ち着きませんでした。
とにかく、店員(?)が見当たらないということがなく、常に人が多め多めにいる印象です。
しかし、こういうのがホスピタリティであり、こういうのが心地よいと感じる人もいるのかもしれないですね。

ということで、ワンランク上の世界というのは、下界とは少し常識が違くて独特だな、と思った旅行でした。


後は写真を数点載せます。

部屋にはたくさんの絵が飾られていました。


ラウンジで食べ残したポテトを持ち帰ると言うと、未開封のケチャップを瓶ごとくれました。
ワイルドですね。


朝食(ビュッフェ)でコーヒーを頼んだら、ポットごと置いていきます。
ワイルドですね。
初日はこのコーヒーを飲みほしたため、利尿作用がすごすぎて観光に支障が出るレベルでした。
普段は、窓の外に海が見えるのですが、台風のため雨戸が閉まっていました。



オレンジジュース。
今回の旅行で飲食したもので一番うまかったものはこれです。
多分、ホテルでちゃんと絞っているのだと思います。
朝食のビュッフェは高かったのですが、うまいものが多かったので良かったです。



ドラゴンフルーツなどの果物も豊富でした。


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最後に雑感ですが、旅行中にフィットネス施設が利用できるのって最高ですね。
私は3泊4日利用しましたが、4日続けてフィットネス施設を利用しました。

組み合わせることでレベルをあげる

本日、文房具朝食会というものに参加させてもらいました。

私は、okinaという会社のseminarというレポートパッドを紹介しました。
色々お話を聞きながら思ったのですが、文房具というのは、組み合わせでより実力を発揮するものだなと思います。

このレポートパッドだけだと、紙を本体から切り取っていったとき、紙がバラバラになって、紛失してしまいます。
ということで、私がやっているのは、切り取ったら、ノートカバーや手帳に挟む、という運用です。
ある程度たまったら、いくつかまとめて眺めて、さらにアイデアを出したり、ブログに書くなり、アクションに変えるなりしています。

つまり、
・ レポートパッド(モノ)
・ ノートカバーか手帳(さらに組み合わせるモノ)
・ 数枚まとめて眺めていアイデアを出すということ(使い方)

のように、複数の要素と使い方がセットで一つの固まりという気がします。
1つだけだとあまり機能しません。

唐突な例ですが、太平洋戦争で、零戦・戦艦大和・熟練搭乗員など、個別には優れた要素を持っていた日本に対して、水陸両用作戦・タスクフォース等、複数の要素を組み合わせて戦ったアメリカが勝ったように、要素を組み合わせて高い次元にいくというのはすごく価値があることなのだと思います。
ちなみに、野中郁次朗は水陸両用作戦や、タスクフォースのことを「コンセプト」と読んでいました。

同様に(今度は身近な例ですが)、自分が今持っている能力に、うまくくみ合わさる能力を掛け合わせて、さらに高次元の仕事ができないといけないころだな、とも思っています。
コンセプトと言えるほどの何かを確立できれば理想ですが・・・

そう思うと、文房具の使い方を考えることが「コンセプト作り」の演習になるなら、文房具を深める価値があるなあ。


これがレポートパッド。
なかなか良い品だと思いますが、これだけだと使い道が少ないです。

切り取ったシートを挟む。
これがあるだけでぐっと使いやすくなります。
(このノートカバー重いですが)

2012年8月12日日曜日

自分のブレークスルーに期待してキャリアを決める 〜 職業は武装解除(瀬谷ルミ子)



今日ご紹介するのは、「職業は武装解除」という本。
なんか最近、戦争の話ばかりしているようですが・・・

この著者、プロフェッショナル仕事の流儀にも出ていたみたいですね。
私は日経ビジネス(オトマガジン)で知って、興味をもったので読みました。

著者は、1977年生まれ。
この本を書いた時点で33歳か34歳だと思いますが、既にアフリカを中心とする8カ所の紛争地域で平和のための活動を経験しています。

平和のための活動と言っても色々あって、軍隊を直接送り込む、警察機能を導入する、等がそうですが、著者の専門は「武装解除」。武器を持っている人に武器を放棄させる専門家です。

武器を放棄させるというのも、そう単純ではないです。
今まで持っていたものを放棄させるには、見返りを与える必要があります。
組織の下の方の兵士に対しては、職業訓練を提供し、平和になった後の食いぶちに困らないようにしてあげるというのが一般的のようです。そして、将軍のような上級士官は、「県知事にする」などの見返りを提供します。

今まで人を殺しまくっていた加害者たちにさらに何かを与える。被害者たちは、釈然としない思いはあるものの、内戦状態が続いて命を奪われる危険性が減るなら仕方ない、と我慢する。
武装解除というのは、とても微妙なバランスの上に成り立つものなんですね。


面白かったのは、この人のキャリア選択のときの発想。
基本的にこの人は引っ張りだこで、色んな紛争地域からヘルプを要請されます。
そういうキャリアの選択に迫られたときに著者が考えることは「自分の専門性が高まるかどうか」。基本的にはこれだけ。
仮にその時点の自分に能力が無くても、退路を断って新しい世界に飛び込む。そこでブレークスルーを期待する。ブレークスルーが来なければ、自分はそれだけのものだったということ。
ということを言っています。
紛争地域の危険度を心配する描写がないのには、違和感さえ覚えます(実際は心配しているのかもしれませんが)。

確かに、人生の決断について、あれこれ考えるのは良いのですが、気づくと考えなくても良いこと/考えない方が良いことまで考えていることって結構あります(私は)。
考え過ぎのときは、自分の思考を点検して、考えなくて良いことを取り除いて考えをシンプルにするとうまく行くのですが、この著者は思考のシンプルさがすごく極端です。

紛争の話も勉強になったけれど、それよりも著者のキャリアの決断の仕方が印象に残る一冊でした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
追記

この人がこれだけアクティブに動けるのも、シンプルさのおかげなんだと思います。
ゴチャゴチャ考え始めると、ブレたり、迷ったりしますが、「シンプルであるからこそ突き進める」んじゃないかな。

2012年8月2日木曜日

<読書感想> 昭和史 1926-1945(半藤一利)



昭和1年から、昭和20年(終戦)までの歴史が、文庫本約500ページで描かれています。

昭和の通史でこれだけ詳細なものは初めて読みました。
日本が戦争を拡大していき、敗戦するまでがよくわかります。


いやー、私はこれを読んで反省しました。
私って、全然日本史をわかっていなかったんだな、ということで。




感想・・・

日本史を学ぶと、日本人のメンタリティが良くわかる。
これが作者の考えのようですが、確かにそうだと思いました。
ラストで、昭和史から学んでほしいことを、作者が5点にまとめています。
(500ページ付近に)

私なりにさらに要約するとこうです。


1.空気に流されてはいけない
内紛を避けるために戦争を始めてしまったというところがある)
2.都合の悪い事実・情報を無視してはいけない
ドイツは勝つ、ロシアは攻めてこない、という都合の良い思い込みにより見当違いな戦略を策定してしまった
3.小集団エリート主義はやめろ
軍部が絶対的な権力をもったのが良くなかった
4.国際常識を持て
降伏文書調印の手続きがうまくできていればシベリア抑留は避けられたかもしれない
5.大局観を持て
Quick Winを求める対症療法的な発想で、戦争がどんどん不利になっていった

作者は、昭和の日本では1~5が出来ていなかったと言っています。
これが全部日本人特有のメンタリティに起因しているかは疑問はありますが、私も心当たりあることは多いです。(というか、3以外は心当たりあります)
自分がこれまで思っていた以上に、自分自身が日本人的メンタリティを持っているということがわかりました。
学生の頃、自分の心を知りたく、心理学の本などをたくさん読んで、それなりには役立ちましたが、日本史も勉強すればよかったな。
日本人のメンタリティを学ぶことで、自分を相対化できるということは十分ありそうです。

ネットサーフィンは毒を吸うようなものか?



今日は短めです。

「フリーズする脳」(築山 節)で、「ネットサーフィンをすると脳の働きが鈍る」という説を聞き、「確かにな」と思い当たったのと同時に、「であれば、ネットサーフィンは毒を吸うようなものではないか?」と考えるようになりました。

身体の機能の働きを弱めるのであれば、それはまさに毒です。

これまで、ネットサーフィンは時間を消費するという観点だけから警戒していましたが、脳の機能維持という観点からも警戒するようになりました。


ちなみに、私は暇があるとわりとネットサーフィンをしてしまうほうですが、みなさまはどうでしょう。
ハマらない人はそれほどハマらないのかな?

では。

2012年7月28日土曜日

<香港旅行記> ブルース・リー縁の地




香港に行きました。

目的は2つでした。

1.ホテルでゆっくりする
2.ブルース・リー縁の地を訪ねる

当初は1だけが目的だったので、インターコンチネンタルに安めに泊まれるというパッケージを選んだのですが、後から目的1と両立しえない目的2をねじ込んでしまい、全体的に焦点を欠いた旅行になってしまいました。
やはり、目的を見失ったり、後から目的を追加するのってダメですね
と思いながらも、面白いこともあったので、旅行記を書いておきます。

まずは、目的2のブルース・リーの話から。

以下はブルース・リーファンの方以外は「だから何?」という感じだと思います。

ご容赦ください。


ちなみに、私は中学生の頃、ブルース・リーに見た目が似てないこともない、と言われたことも手伝って(?)、相当なブルース・リーファンでした。


1.太平館レストラン

まずは香港中心部近くにある、太平館レストラン。
ここは、ブルース・リーだけでなく、ジャッキー・チェンやチョウ・ユンファなども訪れるそうです。

驚いたのが、ウェイターが全員おじさん。
多分、平均年齢53歳くらい(目測)。
ハイクラスの人をもてなすにはそうあるべきなのでしょうか?

私はここで、蟹のスープと、牛肉が入ったラーメン(?)を食べました。
140香港ドルくらい。

 蟹のスープ

 牛肉が入った麺


2.青松禅寺

次は、香港中心部から、電車、タクシーを乗り継いで1時間程度のところにある「青松禅寺」。
これは「燃えよドラゴン」でブルース・リーとサモ・ハン・キンポーが戦ったロケ地だそうです。
ここが、今日の私のハイライトになるはずだったのですが、ある程度いったところで犬(番犬?)が登場。
でかい。
このうちの一匹が吠えながら私に向かってきたので、素っ転びながら雨で滑る坂道を逃げました
もう一度番犬がいるゾーンに向かっていく根性もなく、そのまま帰りました。
ということで、「ここだ!」とわかるところにたどりつかず、ものすごく消化不良のまま終了。
ふだん、これで良しとする性格でもないのですが、犬は超えられない壁でした。


後でブルース・リーマニアの先人の旅行記をみると、同じように犬に襲われていたことがわかりました。
世界中のブルース・リーマニアはこれをかいくぐってロケ地まで辿りついたんですねえ。

ここに行く方は犬に追われることを承知の上、行ってください。





3.ブルース・リークラブ

ブルース・リーのグッズがあるショップです。
ここで、父への土産をたくさん買いました(父は私以上のブルース・リーマニアです)。
ここは、犬もいなくて安全。


ちなみに、買ったのはこんなものです



4.アベニュー・オブ・スターズ

アベニュー・オブ・スターズは、「スターの道」という意味の通りです。
この通りが、「100万ドルの夜景」と称される香港の夜景が見える位置にあります。


ということで、「ブルース・リー(銅像だけど)」と「夜景」という、香港でもっとも価値が高いと思われる2つのものを並べて撮ってみました。


ちなみに、アベニュー・オブ・スターズのみやげ物屋にもブルース・リーグッズがありましたよ。
ブルース・リーUSBメモリとか、ブルース・リーメモ帳とか。

ここにも犬はいません。


以上、ブルース・リー縁の地巡りでした。
一番期待していた青松禅寺が消化不良でしたが、他は満足しました。

2012年7月22日日曜日

<読書感想> 「IT断食」のすすめ(遠藤 功, 山本 孝昭)

明日から旅行なので、頑張って今日は2エントリ入れます!



この本、なんとなく、タイトルから
「FBとかmixiとかやりすぎないでリアルで会えよ!」
みたいな、ほのぼのしたビジネス書を(勝手に)イメージして手に取りましたが、元戦略コンサルタントが企業でのITの弊害を分析して対処方法を示す、けっこう真面目な(というか地味な)本でした。
ITの弊害をまさに感じていたところだったので、タイムリーでした。

ITの弊害として
・ メールで何でも済ませてしまう
⇒ 社員のフットワークが重くなる/メール以外の仕事の進め方を覚えなくなる
・ コピペで簡単に資料を膨らませられる
⇒ プレゼン資料、メールなど、何でも膨大になりがち(情報洪水)

等が挙げられています。

確かに、
パソコンに向かっている=仕事
という風潮が強いので、PCから離れて仕事をするのに多少勇気がいるなと思っていたところです。
(私が勤める会社は、PCの起動時間で勤怠が管理されているし、私は基本的に机に座ってPCに向かっている仕事なので、特にです。)
私は、図を書いたりするのが好きですが、最近パソコンに向かわず、ノートに図とかを書いて考えを整理していると、なんとなく「サボっていると思われる」ような気がしてしまいます。

この本を参考に、
出来るだけ、口頭で話す、電話で話す、などのアナログ率を上げたところ、確かに効率よく動けることはあります。
もちろん逆、つまりメールのほうが効率良いこともありますが、メールというものには特に振り回されがちだなということは、改めて感じました。
今、自分の中で「こういう時はメール、こういう時は電話、こういう時は会議を招集」など、なんとなく使い分けていますが、このなんとなく身に付いた基準は見直す余地があるなと思いました。
あと、1日中黙ってPCに向かっているより、電話などをしてリズム・頭の使い方が変わるほうが、調子が出てきます。(人を使って調子を上げているようなものなので、それが目的にならないように要注意ですが)

モロ「自己啓発」という本ではないですが、現代の事務職の人が自分の仕事のやり方を見直すきっかけとして使える本だと思います。