2013年5月26日日曜日

太陽のパスタ、豆のスープ(宮下 奈都)


タイトルが良いので買ってみましたが、中身もかなり良かった。

主人公(28歳、OL)は、婚約破棄されたことをきっかけに、「ドリフターズ・リスト」を作ります。

ドリフターズ・リストとは、一種の「やりたいことリスト」。
道しるべが無くなった漂流者(ドリフターズ)が、流木にすがるように、それを支えに生きていくためのリスト。
(タスクをうまく管理するための、テクニカルなものではない)。

主人公は、ドリフターズ・リストに自分の道しるべを書き記し、実行し、時にはリストからアイテムを消しながら、自分と向き合い、立ち直っていきます。
間違って的外れなことを書いてしまったことに気づいたら、リストから消しても良いのです。アクション⇒フィードバックを経て、自分のリストはどんどん成長していきます。
その辺が、タスク管理技術のような機械的な世界とは違います。

私たちも、ある意味不透明な時代を漂いながら生きていく漂流者。
漂流者が、自分の道しるべを書き記す「ドリフターズ・リスト」。
使えそうだと思いました。
婚約を破棄された人に限らずね。

ちなみに、主人公のドリフターズリストはこんなです。
(ネタバレ防止のため、全部は書いていません)

  • きれいになる。
  • 毎日鍋を使う。
  • やりたいことをやる。
  • ぱーっと旅行をする。
  • 新しく始める。
  • 豆。

2013年5月25日土曜日

お金という人生の呪縛について (松本 大)



私には目標とする経営者はいませんし、経営者の自伝も読んだことはありません。
(松本大)

マネックス証券CEOのエッセイ集。
自分の体験をベースに、本当に自分の言葉で語っているという印象です。
現代成功哲学とか特に踏まえていないところが新鮮。


仕事について面白かった考え方、2点紹介します。


1.仕事には優先順位をつけるな
なぜなら、
「慣性、あるいは勢いやノリがるかどうかで仕事の処理スピードは極端に違ってくる」からである。

だそうです。

たしかにそう。
綿密に、全タスクに、S/A/B/C/Dみたいに優先度をつけて管理していたこともあるけど、これはイマイチ勢いが出ません。
自分の感情を押し殺して、ロボットみたいに働きまくれる人ならいざ知らず、普通の人間は勢いに乗って(勢いをうまく使って)仕事をするってのは重要だと思います。


2.仕事は詰め込みまくれ
「脳が慣れれば実現してしまえる」
から大丈夫だそうです。

これも確かにそう。
「これ以上アサインメントが増えたらもう無理」という状況で仕事ふられたことが何100回もありますが、大体なんとかなっています。
脳の回転を落とさないためにも、レベルアップしていくためにも、ある程度仕事は詰め込まれている方が、私も好きです。
(終業時間外にしたいことも山ほどあるので、長時間労働が好きという意味ではないです)


仕事の進め方、2点紹介でした。

色んな人の仕事についての考え方を読むと、仕事の進め方に定石はあるけど、正解は無いという気がします。
入社数年して、定石を大体押さえたら、自分が一番Value addできるやり方を探していくフェーズに入る方が良いのかもしれないです。


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その他面白かったことメモ

・ アメリカ大統領は、お前よりも遥かに大きな問題を抱えて、かつ処理しているが、お前よりも遥かに睡眠時間は長い
・ 金は人が喜ぶように使う
・ 自分が議長をする会議では「絶対決める」という意識で臨む
・ 納税はもっとリスペクトされるべき
・ XYZ戦略(既存の構造下での生き残り戦略)よりも、ABC戦略(新しい構造下での成長戦略)をとれ

世の中を前進させろ! 「これからの世界」で働く君たちへ(山元賢治)


アップル・ジャパンの元代表取締が書いた本。
その前は、IBM、オラクル等でも働いていたそうです。

グローバル企業で働くのに必要なメンタリティがわかる本でした。



さて、面白かったこと3点紹介します。

1.変化を起こすには(圧倒的な)好奇心が必要 
2.点と点をつなげることに躍起になるな 
3.世の中を前進させろ!

では順にどうぞ。



1.変化を起こすには(圧倒的な)好奇心が必要

「変化しないことは後退である」ということが言われています。
なので、「毎日何らかの変化をする」ことがよく推奨されているのですが、「小手先の変化」とか「無目的な変化」ってたかが知れているんですよね。
やらないより良いでしょうが。
それよりも、
圧倒的な好奇心をもって何度もアクションをする。結果大きな変化生み出せる。というのは本当だなと思います。



2.点と点をつなげることに躍起になるな

「1つの能力だけではなく、複数の能力の組み合わせで、その人の価値が高まる」ということが言われていますが、何をどう組み合わせるかって、難しいんですよね。無理に親和性低いものを組み合わせても意味ないし。

著者の考えはこうです。
自分の複数の能力を組み合わせることに力を入れず、広げていくことに力を使うほうが良い。なぜなら、点と点は後になって結果的につながるものだから。
なるほど。
点と点は後からつながってくることを信じて(先人の知恵以外に信じる根拠ないけど)、いろんな知識・経験を身につけていけばいいと思うと、気が楽でいいですね。

そういえば、日本マイクロソフトの元社長の成毛眞も同じことを言っていたような。
アップルとマイクロソフト、似たところもあるんですね。ライバルなんだから当たり前か。


3.世の中を前進させろ!

最近、こういうのって重要だなと思い始めました。
自分がどう世の中と関わっているのか考えておかないと、どうも中途半端なアクションが多くなってくるので。
自分に余裕が無い時はこんなこと考えられませんが。


以上、個人的に面白かったポイント3点でした。



それにしても、この人、ええ顔してるなー。
きっと自信に満ち溢れているんだろうな。
自分に自信を持っているって、良いことです。
32歳にして何を言っているんだという感じですが、最近「自分に自信を持っていること」の価値を感じます。


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その他メモ

・ 修学旅行のコースに、東京・銀座のアップルストアが組み込まれていることがある
・ 常にサプライズ
・ 「カッコよく音楽を持ち歩けないか」という問いを発明できたことがアップルの勝因

2013年5月19日日曜日

ブログのタイトル変えました



ブログのタイトルを変えてみました。

「頭の中で裸で踊る」

キャリー・マリスの本"Dancing Naked in the Mind Field"が面白かったので、日本語にしてつけました。
このくらい柔軟な頭でありたいです。

あとは、ニーチェが「踊り続けろ」と言っているので。

さて、がんばって踊ります。

世界を仕切れる国が無い


池上彰の時事解説「知らないと恥をかく世界の大問題4」を読みました。

目次はこれです。
プロローグ 「Gゼロ」時代の新しい世界を見通す―世界を動かす新しい役者は揃った 
第1章 腐っても“大”国、アメリカが抱える対立 
第2章 ノーベル平和賞を受賞したのに―ひとつになれないEU 
第3章 世界のエネルギー地図が書き換えられる―基軸通貨ドルの延命 
第4章 過酷なアラブの夏がやってきた―中東・アフリカの厳しい現実 
第5章 一触即発の東アジア―危険な大国の内と外 
第6章 ゼロからわかる安倍政権が目指すもの   
エピローグ 世界は歩み寄れるのか? 

世界の社会問題の背景・大枠押さえるのに最高です。

例えば、冷戦以降の世界は、おおざっぱに言うと

世界を仕切れる国が無くなった
⇒ 世界の勢力の多極化
⇒ 勢力争いのため小競り合い・地域紛争が各地で起きている

だそうです。
米ソ二極体制が終わって、タガが外れたということなんですね。
もちろん、この理屈では捉えきれないことはあるでしょうが、こういう大枠をつかんでいると、時事の理解度が格段に上がります。

例えば、尖閣諸島の問題もこの流れで出てきている小競り合いの一つです。

こう考えると、私が子供の頃(=冷戦中)は、私が生きている間に日本が戦争に巻き込まれるとは思ってもいませんでしたが、最近怪しいなという気がします。怖いです。
安倍は今絶好調でしょうが、憲法第9条は変えないでほしいな。



その他、面白かったこと箇条書きにしておきます。
  • 国際社会はテロリストとの交渉に応じない。テロリストとの交渉に応じる日本は、世界の中では非常識。
  • 「アルカイダ」は、過激派の中ではブランド。「アルカイダ」を名乗ると資金を集めることが出来る。
  • 慰安婦問題はどんな戦争でも起こりうる。
  • 日本ではステイトを「州」と訳すが、元はと言えばどちらかというと「国」のこと。アメリカは13のステイト(国)が集まって建国されたイメージ。

2013年5月7日火曜日

タックス・ヘイブンは脱税天国ではない - 池上彰のニュースから未来が見える


■ タックス・ヘイブンはあくまで"Tax Haven(税の避難所)"。
"Tax Heaven(脱税天国)"ではない。

■ 「Aソ連型ウィルス」はどこかの研究所から流出して大流行した(と言われている)

■ アメリカでは認可なしに「大学」を名乗れる

■ 地震は予測不可能だから、予知に金を使うのでなく、地震時の対策に金を使うべき

■ 第二次大戦中の「連合国」も、終戦後の「国際連合」も、"United Nations"。基本的には同じ団体。


池上彰の時事解説はいつも読んでいて、「分かりやすいな」と感心しているのですが、今回はどうも全体の論旨よりも、トリビアにばかり心が反応してしまいました(トリビア集も価値はあると思うので、メモとして残しました)。
多分、私の頭がイマイチ働いていなかったからだと思います。
何が心に残るかって、読み手の頭の状態・精神状態にかなり依存しますからね。
池上彰は、もう1冊読みたいものがあるのですが、しばらくしてから手を出すことにします。

2013年5月4日土曜日

新しい働き方(2)



先のエントリに続いて、新しい働き方についてもう一言だけ。

「仕事のやりかたを考える」といった特集の時、

  • コワーキングスペース
  • ノマド
  • カフェさながらの素敵なオフィス

等がよく紹介されるのですが、そんなにクリエイティビティや生産性が上がるのでしょうか。

例えばGoogleのオフィスはこんな感じ(リンク切れたらスミマセン)。







週1日くらい、素敵なオフィスやノマドワークが許されるというなら、気持ちのメリハリが出来そうで私もやってみたいが、基本的に、事務机・事務椅子・書棚・フルセット文房具等に囲まれているほうがほとんどの事務仕事ははかどると思うのですが・・・
これは、ITと経理しか経験したことが無い本社系の発想なのかな。

新しい働き方


Brutusの、新しい働き方についての特集を読みました。

  • グローバル化
  • テクノロジの発達
  • 人々の価値観の変化

など、新しい状況下でどう働くか、という特集です。


  • 社会起業家(グローバル化)
  • ソーシャルメディアを使ったビジネス(テクノロジの発達)
  • シェアハウスに住む人を相手にしたビジネス(価値観の変化)

なんかが紹介されています。
事例がたくさんで価値ある特集だと思いました。

感想2点にまとめると・・・

  1. 新しい働き方といっても、何か確固たるものがあるわけではなく、多くは試行錯誤段階という印象
  2. 今後、全てが新しいものに取って代わられる訳ではなく、新しい要素と、古い要素が併存する社会が続くんじゃないのか

です。

「新しい状況にただ適応する」のと「新しい状況を積極的に使いこなす」というのはスタンスが違います。
本特集は、後者のスタンスで、新しい技術等を積極的に駆使した前衛的な人たちの紹介でした。
前衛的な分、試行錯誤段階というか、実験的なものが多い印象です。

数年前までは、こういう流れは全部フォローしたいと思っていましたが、無理に新しい変化を全部取り入れるのではなく、最低限適応するというスタンスもありだなと思い直しています。
新しい流れが全部定着するとは限らないので。

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というか、実際多くの人は、必要最低限適応して生きているんですよね。
ソーシャルネットワークワールドで活動していると、逆にそういうことを忘れてしまいがちです(前衛的な話を聞くことが多く、前衛的な人の方がメインであると勘違いしてしまう)。
ソーシャルネットワークワールドも、あくまで社会の中の偏ったごく一部。これを忘れないよう、最近気をつけています。

2013年5月3日金曜日

ソーシャルネットワークワールドは、みんながみんなのハブ


久しぶりに、(自己開催ではなく)他の方の読書会に立て続けに参加しました。

気づいたこと2点、軽い覚え書きです。

1.ファシリテーションしない方が話がよくわかる

自分が進行しながら人の話を聞くのと、参加者として話を聞くのは、聞くポイントが全然違います。

自分が進行していると、どうしても盛り上げるために聞いてしまうのですが、自分が参加者だと、純粋に自分のために聞くことが出来るのが良いです。


2.みんながみんなのハブ

最近、読書会を主催する人が増えました
(そういう知り合いが増えただけかもしれない)。
私は、色んな方の読書家に行くのが好きです。
どれも雰囲気違うし。
進行のやり方の参考になるし。

私の読書会に、他の読書会の主催者さんが来てくれることもあります。
「主催者」と「参加者」という固定的な関係ではなくて、時に「主催者」に、時に「参加者」になる。これがフラットなネットワークというものです。
こういうふうに、知り合いが増えていくというのが、SNSを使った会の、一つの面白さなのではないかと思います。
みんながみんなのハブなのです。

大人になってから身につけた自信は時に脆いが、無いよりはずっと良い



自分の恵みに感謝しなさい
自分のかけがえなさを主張しなさい
自分の枠を超えなさい
選ぶ力を賢く用いなさい
(オグ・マンディーノ)


私が普段読まないタイプの本、「この世で一番の奇跡 (オグ・マンディーノ)」を読みました。

「金さえあれば」
「時間さえあれば」
みたいな発想は、時に誰しも持ってしまうと思います(「金」、「時間」はあくまで例です)。
しかし、あなたが持っている資源は他にもたくさんある。
例えば、

  • 考える力
  • 愛する力
  • 意思の力
  • 笑う力
  • 創造する力
  • 計画する力
  • 話す力
  • 祈る力

などです。
あなたはより良く生きるための素晴らしい資源をたくさん持っているから自信を持ちなさい。
これらをフルに使って、生きなさい。
そういうことを言っている本です。

自分に(適度な)自信があるって重要なことですよね。
私は20歳前後まで自分に全然自信が無かったのですが、その後ボランティアやサークルを通じて、それまで自分が使っていなかった様々な資源を使って活動して、徐々に自信がついてきました。
基本的には、自信は活動・成功体験を通じて身につけるものだとは思いますが、本書は一歩踏み出す原動力として使えると思います。

生まれつき自身を持っているようなタイプの人の自信と比べると、このような、大人になってから身につけた自信というのは時に脆いのですが、持っていないよりは100倍良いです。
皆さん、あの手この手で自信をつけましょう。


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追記

この本では、上記の教えが凝縮された第9章(文庫版で約30ページ)を100日続けて読むことが推奨されています。(私は10日くらい実践してみた段階です)

この、「100日続ける」ことにどんな意味があるのか。
最初は、「繰り返すことで記憶に残る」が一番の意味だと思っていました。
しかし、しばらく実践して思ったのは、毎日読むと、コンディションが良い日、普通の日、悪い日、色んなときに読むことになります。
色んな体験が、この教えと結びつくことで、「調子が良い日だけ使える教え」ではなく、あらゆる場面で場面で使える知恵となるような気がします。

2013年4月29日月曜日

雑誌を紹介する読書会 をやってみた



「雑誌を紹介する読書会」を開催してみました。
とても盛り上がって、楽しい会になりました。
皆様、ありがとうございます。
話題が飛びまくって、ファシリテーションが私の手には負えませんでしたが・・・

主催者でありながら、雑誌に一番疎いのが私でした。
皆さん雑誌いっぱい読むんですね。

今日一番感じたことは、皆さん

  • 話題が豊富
  • 知識が豊富
  • 時事に通じている

ということです。
本の話であれば私もそれなりに出来てしまうので、読書会をしているだけではこれはあまり感じませんでした。
本というのは、情報源としては素晴らしいとは思っていますが、本だけが情報源というのは偏っていました(当たり前ですね)。

これまでは、雑誌と言えば、トピックにキャッチアップする目的で、王道の日経ビジネス・日経コンピュータばかり読んでいましたが、雑誌で広がる世界の可能性を感じたので、今まで読んだことが無い雑誌にどんどん手を出していこうと思います。

新しいことをすると、新しい発見がある。
これは世の常ですね。

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以下蛇足というか、とても個人的なことですが・・・


私、頭の作りの問題なのか、どうも雑誌を読んでもあまり頭に入ってきにくいんですよね。
漫画はどんどん頭に入ってくるので、絵と文章を行ったり来たりするのが苦手ということは無いと思うのですが。
どうも、雑誌を読み慣れていない、雑誌のツボがまだ分かっていないという感じがあります。
もしかしたら、一つの話題を掘り下げるのには向いているが、トピックが次々変わる、ということについていきにくいのかもしれないです。

2013年4月28日日曜日

金銭感覚をバージョンアップ - 10年後、金持ちになる人 貧乏になる人 (田口 智隆)他



ずっと「安月給」の人の思考法(木暮太一)
10年後、金持ちになる人 貧乏になる人 (田口 智隆)

を読んで、お金について少々考えました。

私が思うに、数年おきに金銭感覚はバージョンアップするほうが良いです。
なぜかというと、数年経つと、

  1. 収入・支出構造が変わる
  2. おかれている身の回りの状況・社会状況が変わる
  3. 金の使い方が知らないうちに雑になったり、無目的になったりする

という理由からです。

サラリーマンになって3年目くらいのとき、金に関する本を何冊も読んで、その時なりの金銭感覚というものが一応出来たのですが、そろそろバージョンアップの時期かな、と思います。
その時から、1の収入・支出構造は(残念ながら)あまり変わっていませんが、身の回りの状況は結構変わりました(2)。金の使い方も雑になっています(3)ので。

ということで、手始めにこの2冊を読みました。
金に対する考え方は、人それぞれなので、一人の本を読むのではなく引き続き何冊か読んで、バージョンアップ(チューニングと言った方が良いかも?)していこうかと思っています。

30年後不安の中で生きないように - 55歳からのハローライフ(村上龍)


60歳前後の、

  • 婚活
  • 健康・金の不安
  • 再就職
  • 家族との人間関係・孤独
などを描いた短編集。

60歳になったら、若い頃よりも遥かに多くの不安を抱えながら生きていく(人が多い)ということが分かりました。
生き方に迷うこともある。
自分の価値観が崩壊するようなこともある。
人間関係の悩みもつきない。


歳をとるにも、準備が必要。
楽観的に生きれば良いというものではない、ということが分かります。

私が60歳になるのは約30年後。
30年後はまた社会もメチャクチャ変わっているでしょう。
なので、何が準備になるのかは分かりませんが、とりあえず、
・ プロフェッショナルとしての技術を高める
・ 本を読む
・ 人と会う
・ 運動する
は続けようと思います。

なんか漠然とした結論ですが、本当に具体的な定年後の準備をするのはまだ早すぎますよね。

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面白いことは面白かったですが、村上龍には、「5分後の世界」「ヒュウガ・ウィルス」みたいな、別世界に放り込まれるような小説をまた書いてほしいです。

2013年4月14日日曜日

傷つきすぎず、傷つけすぎないように - 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年(村上 春樹)



村上春樹の新作を読みました。
とても面白かったです。
心の旅でした。

ネタバレ防止のため、あらすじは書かず、いきなり感想を書きます。

(心が)傷つくこと、傷つけること、が一つのテーマになっています。
主人公は、ものすごく深い心の傷を負っています。

先のエントリで、
「本からは悪い意味でも影響を受けすぎることがあるが、刺激の強い本を避けすぎるのはつまらない」
といったこと書きましたが、これは人間関係も同じですね。

まともな大人になっていくには、人と付き合わないといけません。
浅い付き合い、深い付き合い、どちらも必要になります。

深く人と付き合うと、どうしても傷つけてしまったり、傷ついてしまう。

それを避けすぎるのはつまらない。
容易に逃げてはいけない。
しかし、それが取り返しのつかない心の傷にならないようにしなくてはいけないと、これを読んで思いました。
傷つく側であっても、傷つける側であっても。

で、どうすれば良いか。
考えたことは2つです。

1つめは、
心が傷つきすぎないように距離などをコントロールすると良いということ。
そのまんますぎるか。
昔は、「考えたことは真っ直ぐぶつけるのが良いのだ」等と考え、こういうコントロールをするのは小賢しいことだと思っていました。
しかし、純粋なだけではだめです。
今は逆に、こういうコントロールが出来るからこそ、人と付き合えると思っています。

余談ですが、最近、SNSとか、それを利用した勉強会の類が隆盛していますが、ここまで人気がある一つの理由は、つながりが緩やかであれば、傷つきすぎることを回避できるからなのではないかと思っています。

2つめは、傷つくことに慣れるほうが良いということ。
傷つきすぎては生きていけませんが、ナイーブすぎても生きていけません。
全く傷つかないのは無理です。いきなり深い傷を負わないことが重要です。
色んなところで(コントロールしながら)少しずつ傷ついているうちに、対人関係でうまく振る舞えるようにもなり、多少のことでは傷つかない人間になっていくのだと思います。


ということで、とても面白かったのですが、これまで人を傷つけたこと、自分が傷ついたことが思い出されて、少し苦しくもありました。


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追記1
必要なこと3つ目がありました。
それは、
傷ついたとき、最速で立ち直る
ということ。
いずれ、またまとめて書きたいです。

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追記2
村上春樹の描く人物というのは、基本的にナイーブすぎるので、私も1冊読んですっかりナイーブなモードに入っていました。
これが、村上春樹の小説の危険なところです。

2013年4月13日土曜日

心の闇に惹き付けられる - 唯川恵をめぐる冒険



唯川恵の本を数冊読みました。
唯川恵は、1955年生まれ。私の母の1つ下です。
母と同年代の作者が書いた恋愛小説だと思うとなんか気持ち悪いですが、面白いです。

先日のエントリ
【本】ドロドロした恋愛小説も程々に - 飛鳥井千砂をめぐる冒険

にも書きましたが、ドロドロした恋愛の話は、人を惹き付けるものがあります。

そういえば、人をなぜか惹き付けるものって、他にもありますね。
例えば、暴力とか、死とか、性とか。
こういう、人間の暗部はなぜか、人を惹き付けます。

(余談ですが、人を容易に惹き付ける暴力・死・性を現代風にアレンジして適当に話の中にちりばめるというのは、青年漫画でよくある手法です)

ただ、面白い反面、人間の暗部をテーマにした本は読んでいて不安になったり苦しい気持ちにもなります。
何歳になっても、本に影響されすぎるということはあるんでしょうね。若い頃ほど脆弱ではありませんが。

しかしこういうのは、自分なりに正気を保てる範囲で(自分でつきあい方を考えて)読んでいくしか無いと思っています。
読むのが苦しい本を避けすぎるのはつまらないので。

それにしても、女心というのは未だによく分かりません。
女心って、私が思っているより100倍くらい複雑なんでしょうね。

頭の中で裸で踊る「マリス博士の奇想天外な人生(キャリー・マリス)」



2013年読んだ本、現時点1位はこれです。

  • 小学1年生で爆薬を作り、
  • クスリをやりながら空想で論文を書き、
  • 自宅の庭で宇宙人と遭遇して銃を乱射する
という、破天荒なノーベル化学賞受賞者のエッセイ。

そんな破天荒な話をしたと思ったら、科学者の専門知識を使って、HIVの話をしたり、オゾンホールの話をしたりもします。
すごい知識で話を掘り下げ、次の章ではまた全然違う話をする。
頭の中に、全然縛りがありません。

・ 膨大な知識
・ 融通無碍な発想
で、自由に何でも考える。
こんな頭になりたい、と思いました。


(私も頭の中で色んなことを考えますが、知識が足りなくて、発想のパターンが限られていると、同じところを堂々巡りしてしまいがちです)


しかし、このような思考の自由さを獲得するにはどうすれば良いのでしょうか。
きっと、
もっと本を読んで、
もっと人と会って、
もっと色んな場所に行って、
・・・と、地道にやるのがまっとうなやり方でしょうね。
もしかしたら、この著者のようにクスリでもやったら一足飛びに思考が自由になるかもしれませんが・・・

尚、 原題は、Dancing naked in the mind field.
「頭の中で裸で踊る」みたいな感じでしょうか。
私も頭の中で裸で踊りたい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

追記
この本、すごく面白かったので、読書会でも2回紹介したのですが、どうも話が弾みにくいです。
紹介の仕方にも工夫の余地があったかもしれませんが、「日常に活かせる部分が少なくコメントのしようが無い」、ということもあったのかもしれないです。

2013年4月9日火曜日

中身とタイトル違いすぎ - 「日本人のための世界史入門(小谷野敦)」



たまには期待外れだった本を紹介します。


最近、本のタイトルでマーケティングをしている本多いですよね。
タイトルと中身が合っていない本が多くて本選びが難しいです。
この本もそんな1冊でした。


この本、タイトルが「入門」なのに、内容が全然「入門」じゃない(体系立った書き方でもないし、初出の用語解説などもない)です。
世界史の全体観をとらえたいと期待して読んだら、かなり期待はずれでしょう。
内容は、とりとめない歴史エッセイです。

しかもこれ、新潮新書です。
単行本ならタイトルでマーケティングするならまだしも、新書でこれをやると、レーベル全体に傷がつくのではないでしょうか。


蛇足ですが、この本は「日本語がグダグダ」という難点もありました。これは、今回のブログのテーマと関係ないので省略します。


私は基本的には面白い本しか紹介しません。本がつまらなかった場合は、黙って読むのをやめて捨てれば良いと思っています。
それに、いちいちつまらない本を紹介していたら、私にとっても、このブログを読んでくれている人とっても時間の無駄だし。

しかし今回は、タイトルでマーケティングしすぎるのは「読者に不愉快な経験をさせる」というメッセージを込めて、ネガティブブログを書きました。

では。

今度からまた面白い本を紹介します。

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1つだけ面白かったこともありました。

歴史の解釈は後付け。偶然起こっただけのこともたくさんある。
例えば、「適者生存」の理屈も怪しい。偶然生き残ったものでもあとから適者だということが出来るから。
まあ、そうかも。

2013年3月18日月曜日

目立つの好きでもいいですよね? - 夢を売る男(百田尚樹)



一生に一度は本を出版してみたい。
そう思っている人は多い。
そんな人々から、200万程度を巻き上げて本を出版してあげるビジネスを描いた小説。

アメリカでは、このような自己顕示欲を満たすための出版を、「バニティ・プレス(虚栄出版)」と呼んでいるらしいです。

自己顕示欲が強くて本を出版したくてたまらない人たちの滑稽さをコメディタッチで描いています。

しかし・・・
この小説の中では、
文章を書いて自分を表現したい!
本を出版したい!
という、人間の自己顕示欲が揶揄されていますが、目立つの好きでも良いんじゃないか?とは思います。
私は目立つの好きですよ。
むしろ、自己顕示欲なんて自分の原動力として使っていいのではないかと思っています。
まあ、実力が伴っていなければみっともないかもしれないですが。



出版業界の裏を暴いたとされる小説ですが、正直どのくらいまで本当なのかはわかりません。
そのような業者が実在してはいるようです。

最近、経歴のわかりにくい著者による取りとめのないビジネス書が増えたな、とは思っていましたが、もしかしたら似たような経緯で出版されているのかな・・・?
まあ、これはあくまで想像です。

2013年3月17日日曜日

ニッチビジネスが明滅する社会での働き方は? - WIRED (ワイアード) VOL.7



雑誌WIRED (ワイアード) VOL.7の感想。
特集は、
「未来の会社 これからの「働く」を考える」
です。

社会起業家(ビジネスとして社会変革をする人)の話が面白かった。
テクノロジ系の雑誌なので、現在のテクノロジを使って、どんな社会起業家が出てきているか紹介されています。

例えば、
  • 高度な医療機器をポータブル化してPCと接続して使えるようにするビジネスをしている会社
  • 世界に6億人いるという耳の不自由な人のためにソーラーで動く補聴器を開発販売している会社
  • 世界は800万人の教師不足に直面している。これをインターネットを使って解決しようとしている会社
など。

社会起業家というと、未開の地で泥まみれになって働いているイメージでしたが、そうとも限らないんですね。
イメージ変わりました。
(余談ですが、雑誌は本よりも具体性が高いのが一つの良さです。1冊の本を読んで分からなかったことが、数ページの雑誌記事を眺めてパッと分かることが時々あります。)

今後、経済の動きはもっと速くなり、このようなニッチビジネスを展開する企業が明滅する世界になるのかな。
(というか、もうなっているのか)
だとしたら、このような企業で、即戦力的に価値を提供できる人間にならないと、働き方の幅が狭くなるかもしれません。

では、どうしたら即価値を提供できるか。
結局、メチャクチャ深い専門技能が無いとダメなのではないかと思います。





2013年3月15日金曜日

歴史を捉え直す「銃・病原菌・鉄-(上)(ジャレド・ダイアモンド)」


世界の歴史の中で、支配者と被支配者を分けた3大ファクター(というか武器)は、銃・病原菌・鉄である。
と言っています。
もっと言うと、西洋人が世界中を支配出来たのは、銃・病原菌・鉄を持っていたからだということです。

銃・鉄があれば他国を支配しやすいというのは分かりやすいですが、「病原菌」とはどういうことか。
農耕が発達すると、人々が密集することが可能になる。
人が密集すると、病原菌が蔓延することがしばしばおこる。
それで人が大量に死ぬこともあるが、これを繰り返しているうちに、体内に病原菌を保持した病原菌に強い人間が出来上がる。
その人たちが、他国に進出すると、進出された国はその病原菌で壊滅的打撃を受ける。
ということです。

実際は、この三大ファクター以外の細かいファクターも取り上げて話が進んでいきます。

歴史を色んな角度から捉えるというのはいいですね。
「いかにもビジネス」という感じの本は飽きてきたので、かわりに、本書のように、歴史の捉え方が面白い本をどんどん読んでいくのもアリかなと思いました。
色んな角度から捉えるからこそ、歴史から学べます。
年号を覚えるだけでは歴史を学ぶことは出来ても、歴史から学ぶのは難しいです。
(ただ、高校までの、年号等を覚えまくる歴史勉強が無意味だとは思いませんよ。あの知識があるからこそ、本屋で適当に手に取った歴史の本もそれなりに読める訳なので)

現代の個人のための、「銃・病原菌・鉄」はなんだろう。
「金・行動力・勇気」かな。
いや、これは、単純に俺が欲しいものか・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この重厚な内容を、文庫で読めるようになったのはありがたいです。
しばらく、通勤中読んでいました。
この後は下巻に行かず、最近文庫化された「文明崩壊」の上に手を出そうかな。

2013年3月14日木曜日

【食】キムチ鍋で試行錯誤



キムチ鍋のキムチは、一度火が通ったくらいで、煮え切る前に食べるのが一番うまい。
従って、キムチ鍋が一番うまいのは、作った初日である。(なぜなら、それ以降はキムチが煮えてしまうから)

というのが私の持論だったのですが、

「であれば、毎日食べる分だけ鍋に少しずつ入れて(キムチの段階的投入)、温めて取れば、毎日煮え切っていないキムチを食べられるのでは?」
と思い、試してみたので、そのメモ。

結論を言うと、「キムチの段階的投入は成り立たない」です。

まず初日。
キムチのダシがほとんど出ないので、鍋全体がキムチ鍋という感じになりません。
普通の寄せ鍋の上にキムチを盛っただけのような感じになります。
コチュジャンとかを入れているので、多少辛いですが。

2日目以降。
食べるたびにキムチを入れて温めていると、だんだんキムチのダシが出てきて、鍋全体がキムチ鍋の様相を呈してくるのですが、

キムチを足す=塩分を足す

ということなので、日に日に味が濃くなり、段々マズくなってきました。
水を足すと、バランスがおかしくなるし・・・
思うようには行かないものですねえ。

というわけで、試行錯誤の末、持っているキムチを最初に全部投入するというオーソドックスなやり方に戻ってきたところです。

しかし、試行錯誤というのは大事ですね。
これで、清々しく持っているキムチを全部最初から投入できます。
試行錯誤していなければ、いつまでたっても「もっと良いやり方があるかも?」と思ってしまうとことでしょう。

それに、試行錯誤の中で、「キムチから塩分が出てくる」こととか、「どのくらい煮たらおいしい」かとか、だんだん分かってきます。
この感覚は、別のものを作るときにも活きてくるはず。
多分ね・・・

いい人は帰ってこなかった - 夜と霧(ヴィクトール・E・フランクル)



次は明るい本を読むと言いながら、この本を手に取ってしまいました。

第二次世界大戦時、ナチスの収容所を経験した心理学者が書いた本。ホロコースト全体の記録ではなく、この著者が見た収容所の記録です。

一番重要な考察はこれです。
「精神的にあきらめた人は必ず死んだ」ということ、そして、「収容所の体験を運命と捉え、その一回性と唯一性に意味を見いだすことが、収容所で生き残るための必要条件だった」ということです。
もちろん、大勢の人が意味もなく殺されたような場所なので、精神的にあきらめなかった人が全員生き残ったということではありません。


他にも、人々が収容所でどのような心的態度を示したか、精神がどのような変遷を辿っていったかが書かれています。

例えば・・・

  • 人々は「なんだかんだで、酷いことにはならないはずだ」という「妄想」に取り付かれた
  • シャワーから(毒ガスではなく)本当の水が出た時、人々は歓喜した
  • しばらくすると、内面がじわじわ死んでいき、正常な感情が無くなった
  • 楽観的な噂(例えば、戦争がもうすぐ終わる)が嘘だと分かると、人々は救いがたい絶望の縁に沈んだ
  • 運命に弄ばれた人間は、決断を下すことを尻込みするようになる
  • (解放された時)うれしいということは無かった。うれしいということがどういうことか、もう一度学び直さなければならなかった。

私とは境遇が違いすぎて、ここから容易に「これを学んだ」とは言えません。
人間が極限状態になるとどうなるのか、人間の限界はどの辺りにあるのか、その一部が分かります。

時間と心に余裕がある時、こういう即効性が無くても深い本を読んでおくべきですね。

2013年3月12日火曜日

"日常の美しさ"を忘れない - 100の基本 松浦弥太郎のベーシックノート



「暮しの手帖」編集長、松浦弥太郎が大事にしている100の基本原則が載っています。
例えば、

美しくていねいな言葉遣いを心がける 
一年に四度、旬のごちそうを頂く 
一週間に一度は花を買う

など、美しい感じのものが多いです。

「暮しの手帖」などという雑誌(スミマセン、読んだことありません)の編集長をしているだけあって、日々の暮らしを重視しているのが分かります。

どうしてもオラオラ系のビジネス自己啓発書に目が行きがちだったため、日常の美しさ」というのは見逃していた価値でした。

私、正直それほど美しくない日常を送っていますが、日常を美しくすると、それなりににじみ出てくるものがあるのかもしれないですねえ・・・

誰か早めに止めてくれ「毛沢東の大飢饉」


1958年〜1960年、中国で行われた「大躍進政策」。
中国が「15年でイギリスを追い越す」という目標を掲げて行った政策です。
この政策で中国国内は大飢饉に陥り、4500万人が死にました。

(この話知っていました?
私は高校で世界史を専攻していたのですが、この話を知ったのは大学に入って、自分で本を読むようになってからです。
もっと詳しく知りたいなあと思ってから数年後、ようやくこの本に辿り着きました)

ものすごい死のスパイラルが描かれています。
なにしろ4500万人が死んだという話なので、容易に書ききれませんが、ごく一部を書きます。

■ 劣悪な環境での治水工事で十万人が死ぬ。造ったダムが決壊して十万人以上が死ぬ

■ 安全性を重視するのは「右傾保守的」と思われるため、安全性がないがしろにされ、事後が増える

■ 鉄の生産量で評価される役人の実績アップのために、精製された鉄を粗悪な溶鉱炉に放り込んで粗悪な鉄を生産するという、本末転倒。その粗悪な鉄で出来た農具で農業をするから農作物の生産性は上がらず飢饉は拡大する

などなど、約600ページの本で、こんなことがずっと書いてあります。

ここまでなる前に誰か止めろよ、と言いたくもなりますが、スパイラルが巨大すぎるからこそ誰にも止められないのでしょうか。

前々から、ホロコーストの際、最悪の状態になる前になぜ民衆側から大規模な反乱が起きないのか、疑問に思っていました。
この本では、次のように説明されています。

(中国に限らず)飢饉に見舞われたベンガルやアイルランド、ウクライナなどでも、飢餓状態が確実となった時点では、既に人々は衰弱しきっており反乱を組織することは難しくなっていた。

なるほど。
驚くような理由ではないですが、歴史的に見て、民衆側からこのようなスパイラルを止めるのは難しいのかもしれないですね。

精神的にきつい本でした。
次は明るい本読みます。

2013年3月11日月曜日

ガイドがあるから新しい世界に入っていける 「面白い本(成毛 眞)」



立て続けに成毛眞です。

マイクロソフトの元社長、成毛眞の100冊ブックガイド。
ノンフィクションばかり紹介されています。
自分が知らなかったワールドに踏み込むための手がかりとして、相当使えると思います。
私も興味ある順に7冊ほど注文しました。
しばらく通勤の間に読むものには困らないです。
分厚い本が多いので、重くて持ち運びにくいという意味では困っていますが。

私、知識人のブックガイドって好きですよ。
ガイドがいるからこそ新しい世界に入っていけるということがあると思います。
書店で本を眺めて買うのはもちろん良いですが、ガイドがあればそのやり方では買わないような本に辿り着けます。
これまで、勝間和代、斉藤孝などのブックガイドも結構使ってきました。
そしてその都度(こう言うとおこがましいですが)世界が広がってきた感があります。
さて、今度はどんな世界が広がるかな?

やりたくもないことをする行動力などたかが知れている「大人げない大人になれ! (成毛 眞)」



やりたくもないことをする行動力などたかが知れている 
夢中になれることに出会えたら、その幸運に感謝しろ 
空気を読むと空気のような人になる 
「大人げなさ」は人生を楽しむための道具である


マイクロソフトの元社長、成毛眞の本。
傍若無人で偉そうな人なので、本を読んだ感想は賛否両論あるでしょうが、成毛眞の本はなかなか名言にあふれています。
全肯定はしかねますが、本書でもたくさん名言を取り出せたので満足しました。

正直、もともと傍若無人でない(私のような)タイプの人が、無理に「大人げなく」なろうとしても、あまりうまくはいかないと思います。
しかし、こういう「大人げない」生き方もあり得るということは心に留めておくと、いざ「大人げない」ことを思いついたときに活かせそうですね。

成毛眞の「面白い本」が面白かったので、本書も併せて本屋で買ったのですが、所々読んだ記憶がある。
もしかしたら再読だったかもしれない・・・

2013年3月10日日曜日

不安に駆られて動いていないか 「ビューティ・ジャンキー-美と若さを求めて暴走する整形中毒者たち(アレックス・クチンスキー)」


アメリカの美容整形中毒者、つまり整形にハマっちゃった人の話。
著者自身も、整形にハマっちゃった過去があるようです。

感染症のリスクがあっても、ヨハネスブルグ(南アフリカ)で割安の整形手術を受ける人 
美容整形で顔の表面をひっぱりまくった結果、顔が突っ張って笑った顔以外の表情が出来なくなる人 
年間6百万円美容整形に使った挙句、親友の葬儀の直前に美容整形を受けて、顔がはれ上がり、結局参列できなくなる人

など、美容整形にハマってしまった人たちがたくさん登場します。
尚、出てくる人はみんなセレブです。

はたから見ると、この人たちはかなり滑稽なのですが、本人たちは必死です。
「軍隊のような綿密さ」で、大金を使い、時に手術失敗のリスクを負いながら、自分自身を「向上(enhancement)」させていきます。

ニューヨークなどの一部のセレブの間では、「美容整形をしないなんて人じゃない」みたいな考え方があり、そのコミュニティの圧力で、不安に駆られて整形中毒になっていく人が多いでようです。


さて感想ですが・・・
ここまで極端ではなくても、誰しも不安を原動力として動いてしまうことってありますよね。
私自身も、場合によっては、不安に駆られて似たような非合理的で自己破壊的なことをしうると思います。

変化の多い現代、「アクションは早ければ早いほど良い」という風潮がありますが、不安に駆られて動かないよう注意が必要ですね。

2013年3月5日火曜日

発想は伝染する - アウトプットフィールドの話2


文章を書ける頭が戻ってきました。

前々回のエントリ
アウトプットフィールドとしてのRetty
に続いてアウトプットのフィールドが増えるのは良いという話。

ここ数年、アウトプットとしては文章が中心だった私にとって、一昨年からスピーチというメディアが出来たのは画期的でした。
言語コミュニケーションという意味では文章と同じですが、頭の使い方が変わります。
今度は、久しぶりに、漫画でも書こうかなと思っています。

私の場合、漫画を描くには、漫画のインプットが必要です。
ビジネス書ばっかり読んでいると、ビジネス書的に発想してしまう。
漫画を読めば、漫画的に発想できる。
そういうものです。
発想は伝染します。

ということで、久しぶりに幾つか新しいマンガを読んでいます。
ただし、何かが満ちてくるまで時間が必要なので、少々お待ち下さい。

尚、写真は、斎藤孝お勧めの「課長バカ一代」という漫画です。
いかにもくだらなくて良いです。

ドロドロした恋愛小説も程々に - 飛鳥井千砂をめぐる冒険



最近、飛鳥井千砂という作家の小説が面白くて、ここ2ヶ月で5冊ほど読みました。

どれも、不倫であったり、略奪であったり、若干ドロドロしていて苦しい恋愛小説です。
こういうドロドロした恋愛小説は面白いというのは発見でした。

飛鳥井千砂は、1979年生まれ。
1980年生まれの私と、どこか感覚が近いという感じはします。
年代が近くて、感覚が近いから面白いのか・・・?
と思っていたのですが、そのあと数冊読んだ、唯川恵という小説家の作品も面白かったです。
この人は1955年生まれで、私の25歳も年上(ほとんど母親と同じ年)なんですけどねえ。
これだけ世代の違う私を楽しませる小説を書くとはすごいです。
この人の小説も大体ドロドロしています。
私の両親も、こんな恋愛を経験してきたのでしょうか?
あまり想いを馳せないことにしますが。

しかし、複雑な人間関係は、心を不安にさせる。
読みすぎたせいか、若干不安な気持ちになってきました。
読書って、心を安定させもするし、不安にもさせますね。
心を不安にさせる読書は程々にしておきます。社会人なので。

2013年3月4日月曜日

アウトプットフィールドとしてのRetty


"Retty"って知っていますか?

http://retty.me/

飲食店のレビューを書くためのSNSです。
つまり、知り合いが行った店の感想とかを読めます。
面白くて、ここ数カ月使っています。

飲食店に限らずですが、ものの感想って、年齢・性別・収入・価値観などによりますよね。
もちろん、"たべログ"のような匿名性高いレビューも参考にはなりますが、直接知っている人のレビューを見られる"Retty"はとても価値が高いです。

以上、Retty自体の話でした。
さて、ここから本題です。
結論から書かなくてすみません。

自分もレビューを幾つか書いてふと気付いたのですが、飲食店や食べ物の評価って、今まで自分が書いたことないジャンルだなということです。

書くたびに、
「こう書けばよかった」
「これは書く必要なかった」
と、気付きがあって面白いです。
食べ物の感想というのも、かなり奥深い世界ですね。間違いなく。
簡潔にまとめるために色々工夫するのが、良い頭の体操にもなっています。

メディアによって、頭の使い方が変わる。
メディアを複数持つというのは良いことです。
(今年はこの他にもアウトプット用のメディアを持とうかと思っています)

これを続けていたら、海原雄山並に食べ物について語れるようになるかな・・・
それは無理か。