(写真が多いので下にまとめます)
<フィンランドの食全般>
ヘルシンキの街中のレストランでは、フィンランド地元料理はさほどプレゼンスが無い(地元料理にこだわらなければ、良さそうなレストランはたくさんある)。
イスタンブールは町中でいくらでもトルコ料理が食べられたのとは感じが違う。
フィンランドの伝統料理は主に朝食バイキングで食べたけど、美食では無いと思う。どうしても、
・ 痩せた土地で採れる、さほどうまみの無い作物をベースになんとか工夫した料理
・ 冬に農作物をとれない状況で越冬するために工夫された保存食
みたいなのが多い。
その中で、スモークサーモンだけは別格の美味しさ。
現代のスモークサーモンが、伝統的な本当に冬を越すために作られたものと同じ味なのかはわからないが。
<朝食バイキング概要>
ヘルシンキの朝食バイキング、満足度の高い内容だった。
4日で食べたものをここでまとめて書く。
朝食の概要としては、
・ オーダー制の料理一品
・ これに加えて、やや小規模のビュッフェ
という形式。
思った以上にいろんなものを食べられた。
<オーダー制の4品>
オーダー制の料理は、4日間毎日別の物を注文し、4種類食べた。
なお今回は朝食プランに含まれていたけど、個別のオーダーするとこれだけで1,600円。
・ Egg royal smoke salmon
パンの上にルッコラ、サーモン、ポーチドエッグソース、チャイブ。料理としては初めて食べた。どのくらいフィンランド料理なのかはちょっとわからない。
・ Toast Skagen
これも料理としては初めて。スウェーデン料理らしい。薄切りトーストの上にマヨネーズ的なもので和えられたエビ、玉ねぎ、わけぎ。あと多分ハーブ。
・ フレンチトースト
結構焦げてる。フレンチトーストは自分の中にあまり基準がないからわからないが、こういうもの?
・ フムスアボカドトースト。
トーストの上に、フムスとアボカドの他にはゴマ、かいわれ、トマト、あとは何か葉っぱ。味が濃いめのフムスがソース的に使われている。
以上メイン料理。
<ビュッフェ:フィンランド(北欧)名物系>
ここから先はビュッフェ。
・ スモークサーモン
ビュッフェのスモークサーモンが美味しすぎる。肉厚で贅沢。柔らかくて塩加減もちょうど良い。このホテルのビュッフェの目玉はこれだな。スモークサーモンとしては、これまで食べた中でもトップレベルかも。
サーモン全般で言うと、日本の各地で食べたサーモンの寿司とかも全然負けてはいないが。
・ ニシンの酢漬け
名物だから食べてみたいと思っていた一方、酢が苦手な私にはきっとキツいだろうと思っていた。で、食べた感想としては、やはり私にはキツい。甘酢につけたニシンの刺身かな。ピリ辛のタイプもあるけど、どっちもキツい。なので朝食で小さいポーションを食べられるのは丁度かった。店で注文して大量に出てきたら厳しかった。当然それなりの値段はするし。
・ ピクルス
朝食ビュッフェにピクルスもふんだんにある。
ヘナヘナになるまで漬かっておらず歯ごたえがが良い。これもベースは甘酢(※)。味は日本で食べるのとあまり変わらないか。
このニシンの酢漬けやピクルスが伝統料理のようだが、美食と言うよりは、越冬のための保存食だな。
※)
この甘酢というのは、タイやベトナム料理の印象が強かったが、世界中であるのかもしれない。考えてみたらシンプルな酢と砂糖の味だし。
・ 浅漬けのキュウリ
ピクルスとは別に、多分同じ味で浅漬けのキュウリもあった。
・ ライ麦パン
この穀物だらけのパン(ライ麦のパンらしい)が、驚きの食感。原型を留めたままライ麦が混ぜ込まれているせいか、口の中で直ぐ崩れて麦の粒を食べてるような感じになる。こういうのは初めて食べた。
味は正直あまりおいしくない。酸味がある(※)。
※)後で知ったが、一般にライ麦パンはサワー種なる酸味が出る(⇒保存性が上がる)発酵種を使うのでこういうものらしい。やはりこれも越冬を意識した食品であるよう。
・ ベリーの菓子
ベリーは寒冷地でも採取可能であることから、フィンランドの多くの菓子に使われている。
街中にもあるし、朝食バイキングにもある。
物によって、かなり甘かったり、甘さ控えめだったりはいろいろ。
街中であれば1,000円以上はするので、朝食でひとまず試せるのはやはり良い。どこで食べたのも美味しかった。
・ カレリアパイ
多分メーデーのスペシャルメニューとして、カレリアパイとVatruskaがあった。
カレリアパイは、パンの中に、ミルク粥(グラタン風味。牛乳&バターの味ってことかも)のフィリングが入っている。
そんなに美味しいものでもないとは思ったが、良かったのは、パン屋のオソノが作っていたミルク粥は多分こういう味だったのだろうとわかったこと。パン屋がミルク粥を得意としていることとの整合性もありそうだし。
しかし伝統料理と聞いていたが、北欧で米なんかとれるのか。謎は残る。
(これも後から知ったが、元々はやはり現地でとれる大麦などを使っていたところ、19世紀以降貿易で米を入手可能になってから変化してきたらしい。とするとやはり、限られた食材でなんとか美味しいものを食べようと工夫された伝統料理という雰囲気)。
・ Vatruska
パンとグラタン風味のフィリング出てきているという点ではカレリアパイと一緒。同じ材料でできるから、カレリアパイと同じ日に提供されるのか。
・ キッパリスモークチーズ
フィンランドの会社が作っているプロセスチーズも結構置いてあった。
・ Rahkamunkit(フィンランドのドーナッツ)
メーデーの日だけ、メーデー名物だというドーナッツがあった。揚げパンに砂糖とシナモンをまぶしたようなもの。
<ビュッフェ:その他>
・ サラダ
種類少ないけど、鮮度がかなり高い。イスタンブールの朝食の黒ずんだ野菜と全然違う。ホテルのレベルの違いでもあるだろうが。これだけでもおいしいものが食べられる街だという感触はある。
ミニトマトは種の部分が少なくて、肉の部分がとても厚い。味の濃いトマト。何か温暖な地域で取れるトマトと種類が違うのかな?
Rootbeets、フムス、カッテージチーズがサラダの味変 or トッピングとして用意されていた。
ちなみに、フムスはヨーロッパのどこでも見かける。西欧、中欧、北欧、トルコで見た。
・ 小エビのカクテル
4日のうち1日だけ登場。トーストに乗せて食べた。
・ 贅沢なアスパラベーコン
これも4日のうち1日だけ。超肉厚のアスパラベーコンがあった。早い時間に行った日にあったので、他の日はもう品切れだったのかも。
多分4周くらいベーコンが巻かれている。
・ チアシードプリン
多分ヘルシンキ名物とかではないだろうが、とにかく珍しい物を全部食べてみたいと思い食べた。チアシードってこんな芋みたいなテイストなのか。昔流行り始めたときに食べたような気はするが、味を覚えていなかった。
・ オーツヨーグルト。
普通のヨーグルトより薄味。
・ コーヒー
ガストにあるようなマシンでは無く、毎日ポットでコーヒーくれた。
薄めの酸味があるタイプ。チェーン店で言うと、ドトールの味に近い。それよりやや酸味少ないか。
なかなかおいしいので飲み過ぎてしまう。
朝から利尿作用のある物を大量に飲んだら観光に支障があるのだが、ヘルシンキは比較的公衆トイレもあるので結構飲んでた。
<朝食バイキングの良さ>
小さめの朝食バイキングだったけど、食べたいものが多すぎて、時間に追われていた最終日以外は毎日65~90分くらい滞在していた。朝食オプションつけた甲斐があった。
ホテルの朝食バイキングが当たりだと、その国の色々な料理を少量ずつカバーできて良いと思って、今回はリーズナブルにつけられるところはつけた(昨年の中欧、ホテル朝食を重視しなかったのは失敗したと思い直した)。
もちろん行ってみて当たり外れはある。
トルコの朝食は正直レベルは高くなかったけど、トルコの癖のある料理、甘い菓子を少しずつ食べられたので、やはり付けて良かったとは思う。「いろいろな物を一口だけ食べてみる」のはレストランでは難しいので。
今後も、ホテルのビュッフェは積極的に選択肢として検討しようかな(※)。
コンチネンタルBFだとこの狙いが達成できないので、中身は要確認。
あとこれは本命ではないけど、その国のダイレクトな名物以外にも、日本ではあまり食べることのないものも食べられる。例えば今回のチアシードプリンとか、味の濃いフムスとか。
その国の名物を一通り食べたら、そういうのも積極的に食べても良いと思った。地元料理は国境単位できっぱり区切られているわけではないし。
※)
しかし、アジアの朝食バイキングはこの観点で満足感高いだろうか。アジアの朝食バイキングに関しては、心の新鮮さを失っているので、一度そういう視点で見直してみようかな。
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以下写真。
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朝食会場 |
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朝食ビュッフェ |
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朝食ビュッフェ |
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朝食ビュッフェ |
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朝食ビュッフェ |
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朝食ビュッフェ |
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Egg royal smoke salmon |
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スモークサーモン(右) ニシンの酢漬け(下) ニシンの酢漬け(ピリ辛・左下) |
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ライ麦のパン |
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ライ麦のパン |
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ベリーの菓子 |
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野菜 |
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Toast Skagen |
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カレリアパイ |
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Vatruska |
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チアシードプリン |
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フレンチトースト |