2025年8月23日土曜日

【TV等感想:シンガポール世界水泳2025】 映え志向もここまで来たか

シンガポール水泳世界選手権2025の感想を、ごく簡単に書いておきます。

1.映え志向もここまで来たか USチーム、シンガポールに乗り込む前にプーケットで合宿してる。 国際大会の直前にチームとして第三国で合宿するというのにまず少し驚いた。まあシンガポールに十分な調整環境が無いのかもしれないので、そこまでは一旦おいとくとして、次に気になったのは大会前にプーケットで映え写真撮りまくってInstagram載せてること。大会前に少し緊張感を抜いて楽しむみたいな目的ならわかるけど、度が過ぎているような。象と一緒に写真撮るとか、砂浜を裸足で歩くとか、ファイアーバーを回すとか、余計なリスク取ってるように見えるし、とてもパフォーマンス向上を意識している活動には見えない。アメリカ人にとってのソーシャルネットワーク活動・映えの重要性がここまで来ているということなのか。 ちなみに、帰りがけもハワイで映え写真上げまくっていた。なんかすごいね。 世界一になって、世界記録を出してもなお、映えは映えで必要ってことなのか。

2.関係性が目標の立て方に響く(のでは) 池江選手の事前インタビューを後から見たが、大会前の時点で世界ランキング3位に入っているわけでもないし、世界選手権でメダルを取ったことあるわけでもないのに、「メダルを必ず取る」「しっかりメダルを取る」といった言いぶりをしているのが今見るとなんか違和感ある。ご本人が立てた目標であれば私のような者がどうこう言うことではないが、周りのプレッシャーが、目標の立て方、さらには自分に対する期待感に響いていないか(あくまで状況から想像しているだけだが)。

よく登山や冒険の世界で、周りとの関係性やプレッシャーなどにより目標が実力から乖離していく(登山や冒険の場合はそれが死につながる)という話が出てくるが、メジャースポーツの世界でも(※1)「周りとの関係性等から、目標が実力から乖離していく」のはあるのでは。死にはつながらないとしても。

※1)もっと言えば仕事とかにおいてもある。少し広く捉えると、他者への説明を考えたり、他者に説明している間に、やっていることと内面が乖離してきて、元々何がしたかったのかわからなくなるのと同じ構造な気がする。

3.「テンション=感動」ではない 日本のTV放送の解説実況の一部(人による)、うるさくて聞いていて疲れた。叫ばなきゃいけないことにでもなってるのかいな。普通ににテンションが上がっているならいいけど、無理やりテンション上げてないか。一昔前の水泳の放送はこんなじゃなかったよな。

これだったらオーストラリアの放送局でA.ティットマス氏、I.ソープ氏の解説で見たい。現地レポーターC.キャンベル氏も無理やり感情を煽ってこないし。みんなテンションは普通だけど、高レースや好記録が出た時の感動は伝わってくるよ。

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世界選手権2023福岡の感想はこちら
【TV感想:福岡世界水泳2023】 実力の125%出そうとしない

パリオリンピックを見ての感想(?)はこちら
人間を機械と見なす世界観

2025年7月26日土曜日

【本】2025年上半期 面白かった本

今年上半期読んで面白かった本をまとめておきます。
ランキングにはしていませんが、各ジャンル一番面白かったのは、一番上にしています。

<自然・アウトドア系>
  • アムンセンとスコット(本多勝一) (←自然・アウトドア系1位)

  • 空へ(ジョン・クラカワー)


<歴史社会系>

  • 新書アフリカ史(宮本正興、松田素二) (←歴史社会系1位)

  • 自由の命運(ダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソン)

  • 国家はなぜ衰退するか(ダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソン)

  • NEXUS(ハラリ)


<その他>

  • シンプルで合理的な人生設計(橘玲) (←その他1位)
    (橘玲氏の著作は他にも読んだ。「バカと無知」「DD論」なども面白かった)

  • からまる毎日のほぐし方(尾石晴)

  • 科学で世界はすべて読み解ける(左巻 健男)

  • 透析を止めた日(堀川 惠子)



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あとはランクインしてはいないけど、トルコ、北欧、バルト、ポーランド社会系の本も旅行の前に結構読んだ。

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あと、これも再読なのでランクインはしていないけど、「ファスト&スロー」(カーネマン)を多分6年ぶりくらいに読んだ。今読んでみると、認知バイアスについてはほとんどここ(主に下巻)に書いてあったんだな。なぜ当時さほど引っかからなかったのか(上巻が長すぎて、下巻は超速読してしまった記憶がおぼろげにあるが)。しかも後から出てきた数多のフォロワーが省略しがちな、システム1と2の話がベースとして書いてあり、やはり一番本質をついているように見える。

2025年7月15日火曜日

【ポーランドD7-2:ワルシャワ】 手触りがあるような無いような(旧市街)

Monument to the Fallen and Murdered in the East

Monument to the Fallen and Murdered in the East

Monument to the Fallen and Murdered in the East

Monument to the Fallen and Murdered in the East

Monument to the Fallen and Murdered in the East


ワルシャワ蜂起モニュメント

ワルシャワ最高裁?

ワルシャワ最高裁?

ワルシャワ最高裁?

ワルシャワ最高裁?

ゲットーの跡

ゲットーの関連碑

再建された旧市街


再建された旧市街

レンガもよく見れば新しい気がする

再建された旧市街

豚のクレープ

甘めのワイン

ザムコビ広場


<新市街>

昨日今日、博物館ばかり行っていたけど、街中も今日のうちに多少なりとも見たいと思い、トラムで5kmほど北に移動して新市街に来た。中心部から5kmくらい離れると急に共産感が出てくる。確かに、せっかく新しいビルを建てるなら全然違う雰囲気のビルを建てたいという気持ちはわかるような気がする。


<Monument to the Fallen and Murdered in the East>

この辺りも記念碑多数。

まず見たのは、シベリアに移送されて死んだ人の記念碑。

ワルシャワで有名なのは、ナチス/ユダヤ人関係だが、それ以前もロシアに攻め入られたり、大勢がシベリア抑留されたりで、東西からボロボロにされている。


<ワルシャワ蜂起モニュメント>

さっきの記念碑もここもそうだが、虫がたくさん飛んでる。なぜなのか。

この記念碑の背後の柱も印象的。この柱は元々トラムの発電所で、今はワルシャワ最高裁の建物らしい。


<旧市街>

そのまま南に歩いて、旧市街に来た。

ワルシャワの旧市街はナチスに破壊されたので、戦後に過去の街並みを再現して建てられたものらしい。そう言われると確かに表面とかツルッとしていてディズニーランド感があるような(歴史的背景を知らなければ気づかなかった可能性は十分ある)。

教会の中に宗教画があったりもするけど、これも再現されたということか。

旧市街の城壁のレンガも、やはりどこか新しさを感じる。


ワルシャワ蜂起で戦った少年の銅像などももあって、引き続き記念碑多め。やはりここにも多数のガイド付きツアーが入れ替わり立ち替わり来た。


記念碑はまあまあ見たので、こんなものでいいかという気がしてきた。記念碑は言ってみれば石版や銅像なので、それ以上の情報ないから。やはり「そのもの」が無くて、なんかもどかしい街。


<ミサ>

ジズイット教団の教会があったが、ミサなのか(本日は日曜)何かイベント中で、入れる感じではなかった。どういう建物なのかはちょっと見てみたかった。

すぐ隣の西ヨハネ教会という所にもきたが、ここもやはりミサ中なのか入れなかった。


<夕食(豚のクレープ)>

新市街に戻るとポーランド料理が食べられないので、少し早いが旧市街で食べていくことに。旧市街は、似たようなメニューで、観光客を捌くことに特化していそうな店が散見される。この、似たようなメニューのレストランが多いという意味では、イスタンブールのスルタンアフメト地区に似ている。


今まで食べていないポーランドメニューがある店を選んだ。


豚肉のクレープ1,600円。かなりチーズたっぷり。豚肉が随分柔らかくて美味しい。ノーマークだったが、ポーランドは肉がすべて美味しい。

クレープ生地は日本のクレープと同じ味。

この店も牛のタルタルがあった。昨年プラハで食べてかなり感心したが、中欧ではよくある料理っぽい。

赤ワイン600円。残念ながら普通の味。まあ、こういうこともある。

さらに白ワイン600円。結構甘め。でもスッキリ。そういえば、去年スロバキアで飲んだ白ワインも甘かったな。


<ザムコビ広場(王宮広場)>

本日歩き回って最後、旧市街一番のランドマーク、ザムコビ広場に来た。

この広場の周りの建物も、全て戦後に再建されたもの。美しく整ってはいるが、歴史を考えると、ポーランド人の怨念、あとは失ったアイデンティティを半ば無理やりここに固定化した苦しさみたいなものも感じてしまう。

歴史の手触りがあるような無いような、とても特殊な空間。


どんな物か分からず歩いてきたけど、再建された旧市街を広範囲見て回れて良かった。

【ポーランドD7-1:ワルシャワ】 牛/ワルシャワ蜂起博物館

牛の頬肉の煮込みセット

牛の頬肉の煮込み

紫色のコールスロー

ワルシャワ蜂起博物館


<牛の頬肉の煮込み>

ジムで少し走った後外へ。

まずワルシャワ蜂起博物館に向かったが、入場前に昼食。

今日もポーランド料理屋が見つからず、博物館の目の前にあったアメリカ料理屋に入ってしまった。

牛の頬肉の煮込みセット2,000円。コールスローが別で400円。高々2,000円強くらいのセットだが、激烈おいしかった。今まで食べた牛肉料理でもトップクラスかも。昔米子で食べたステーキや、去年プラハで食べた牛のタルタルあたりに並ぶ味。

牛肉の柔らかさがすごい。

ワイン&コンソメ系の味かな。これがアメリカ料理というのが微妙によく分からないが。

ワルシャワ初日の肉料理もすごく美味しかったし、ポーランドは肉料理が強いのかもしれない。いや、でもクラクフで食べた魚も美味しかったか。残りの期間も、さらに肉と魚を食べてみたい。


付け合わせも全てが美味しかった。ポーランド料理ではないけれど、非常に満足した。ワルシャワ蜂起博物館前の、シェルビーという店。






ここではカードが通らなかった(機械はあったけど多分決済代行会社のセキュリティではじかれた)ので、現金払い。

ポーランド10日間で現金を使ったのは、このレストランと、あとは有料の公衆トイレだけかな。


<ワルシャワ蜂起博物館>

日本語オーディオガイドはなく、英語だけ。テーマがそもそもワルシャワ蜂起ピンポイントだし、ドイツやポーランドの人名や軍隊用語なども出てきてしまうので、背景知識なしで、少し英語が得意くらいのレベルで来てもやや厳しいかも知れない。

歴史学の中では、ワルシャワ蜂起は政治的・戦略的には無茶という話も聞いたことがあるが、とにかくポーランドでは英雄的イベントとして扱われているのは分かった。

展示品は、普通の博物館の線引きをやや超えていると思われる、結構むごたらしい映像や写真がある。

・ ゲットーの外に死体を雑に運び出す様子(映像)

・ 暴行で頭部が欠損した死体(画像)

・ ドイツ軍の砲撃で上半身が吹っ飛んだ下半身だけの死体(画像)

など。

不意に目に入らないように、「Drastic」な画像である旨注意書きがあったり、少し隠れた場所で流されていたので、そう言う物を見ずに見学することは可能。


なお考えてみると、広島の平和記念資料館も結構攻め気味だったような気もする。だいぶ前なので忘れてきている。また行ってみたい気もするな。